
2010年KAIR作品展始まる
アート2010年10月25日
昨日の10月24日より神山アーティスト・イン・レジデンス(KAIR)の作品展が始まりました。今年は例年より作家の人数が多く5組6人の作家たちが招聘されました。8月19日に来町し約2ヵ月制作に打ち込みその成果が発表されています。会期は11月3日までです。
昨日は道の駅を10時に出発し、展示場所を巡るアートツアーがありました。今年も多くの人たちが参加してくれました。毎年来てくれている人もいますが、今年は初参加の人が目立ちました。
ダンボールを切って周囲に飾り電球を付けた作品。薄暗い劇場によく似合う作品です。電動で回っています。その電動モーターは牡丹さんが廃品に出してあった扇風機を解体し再利用したものです。夢のような遊園地の世界が広がります。
ついで向かったのは農村環境改善センターの4階に展示してあるアダムさんの藍染め作品。部屋といっても備品などを置いてある狭い空間。その周りの壁や天井に藍染の布を張り巡らしています。彼の好きな機関車の箱内をイメージした作品。
部屋の中央に畳が一枚敷かれていてそこに座り瞑想にふけることもできます。
ついで仁木島さん宅の小部屋を借りて放映しているポーワングさんの映像作品。タイプライターで文字を打ち出し、それをピアノの音に変換させる面白い作品です。
廣田さんは、下分地区を中心として戦争体験をもつお年寄り88人をたずねて苦しい戦争体験を聞き取りました。そしてその人たちの顔写真と思い出深い品物を提供してもらい展示しました。名西酒造の薄暗い酒蔵にぴったりの展示方法です。
廣田さんは長年滞在していたインドネシアでも同じような制作活動をしています。今回の88人の人との交わりは四国八十八箇所の霊場を意識しての企画です。
ブラジルの日系二世の作家、ホリ・ユキエさんの作品巡り。上角街道沿いに課外授業で制作した神領小学校の子どもたちの作品が効果的な演出で展示されています。
「畑家」の作品も橋の上から鑑賞すると実に面白い。
彼の作品は絵筆を使いません。すべて手足の指を使って仕上げます。実に前衛的な作品群です。
そして、本日の圧巻はザランスさんによるアクションペインティングのパフォーマンス。町民体育館の床に広げた14m×7mの巨大な紙に水彩絵の具を溶いたペットボトルをぶちまけ手足や体全体を使ってのペインティング。2階ギャラーリーに詰め掛けた100人ほどの参加者も驚きの様子で見つめました。
彼がアクションをしている間、美しい着物姿の女性が静かに巨大に紙の周りを静かに歩いて回ります。正に「静と動」の効果です。そして音響は阿波踊りの「桜花連」のみなさんによるお囃子。
彼はこのような企画を世界各地で60回以上行ったそうです。
激しい動きを終えてホット一息。額の絵の具が激しさを物語っています。
そしてその夜は慰労パーティー。コットンフィールドのバーベキューハウスで行いました。今日の成果を語り合いにぎやかなパーティーとなりました。
作家のみなさん、実行委員のみなさんご苦労様でした。
この作品展、11月3日まで開催されています。ぜひ観にお出でください。
中原 亨
神山アーティスト・イン・レジデンスの自称学芸員。これまで招聘した作家たちの作品の解説はお任せください。年間を通じて数多くの訪問者を案内しています。 神山を元気にするため老体を鞭打ちと東奔西走しています。NPOグリーンバレーの理事。
中原 亨の他の記事をみる
コメント一覧
お疲れさまでした!
2010年10月26日 11:11 AM | 長岡マイル
変化もあるし、動きもあって、身近なものも多くて、 とても興味深い展覧会になりましたね。 見てて楽しいです。
2010年10月26日 7:47 PM | 大南 信也
ザランスさんの「足」の写真が、この中で一番いい! っつたら、おこられそう・・・(笑) 彼の ご希望アシスタント の “ 着物 ガール ” 坂東幸輔さまの奥様がいてくれて助かりました。 感謝! 着物は、岩丸潔さまのご提供でした。 昔、ちあきちゃんが着ていたらしい。 サイズもピッタリ合っていました。 beautiful !
2010年10月26日 11:40 PM | ニコライ
そういえば、坂東美佳さんとちあきちゃんって、感じ似てるなぁ!
2010年10月27日 10:02 AM | 大南 信也