「結い」 神山里帰り/1日目
なんでも2014年8月19日
「神山里帰り」ツアー、1日目のレポートです。
【ペアのお相手に会いに行く!】
都会からお越しいただいた3組6名の方に、「おすそわけボックス」や「ゆいブック」を通じて交流をかさねてきたペアのおじいちゃん・おばあちゃんに会っていただきました。
一組目のペアは、東京にお住まいの根岸さんご夫妻と、神山町にお住まいの谷さんご夫婦。
根岸さんご夫妻が、神山町神領(じんりょう)地区の谷さんのご自宅を訪ねました。
神山の学校で長らく教員を勤められた谷さん(ご主人)。90歳を越えた今でも「谷先生」と呼ばれて、地域のみなさまからたいへん尊敬され、慕われています。
そんな谷先生の、これまでの長い長い人生のこと、定年後に情熱を傾けてきた薬草研究のこと、神山をしだれ桜日本一の町にした神山さくら会のことなどを、写真や資料をひもときながらお話してくださいました。
根岸さんの奥さまは、大学の社会人キャンパスでプログラムの企画をしていらっしゃいます。そのなかで、お医者さんを講師に迎えて、「レジリエンス(柔軟さや回復力)によって自ら元気になること」を目的としたプログラムを企画されているということで、薬草のお話を中心に、とても熱心に谷さんのお話に耳を傾けていらっしゃいました。
春の「おすそわけボックス」で根岸さんに枝垂れ桜を送ってくださった谷さんご夫婦。こちらの写真は、谷さんの奥さまが、桜の接木の仕方をお庭で見せてくださっているところです。
ゴールデンウィークだったので、ちょうど谷先生のご家族の方も帰省されていました。
『結い』の交流をご家族の方もとても喜んでくださり、和気あいあいとおしゃべりしたあと、みんなで記念撮影しました。
2組目のペアは、同じく東京にお住まいの高部さん親子と、神山町にお住まいの西森さんご夫婦です。
高部さんご一家は、赤ちゃんが産まれたばかりということで、奥さまと赤ちゃん、そして次男くんは東京でお留守番。今回は、お父さまと長男の在冬(あるとう)くんの二人が、神山町上分(かみぶん)地区の西森さんのご自宅を訪ねました。
現役の大工・猟師・お百姓さんである西森じいちゃん。その上、めちゃくちゃ子煩悩で遊び好き。
「こういうの、のったことある?」「ない」「よっしゃ」っと、さっそく在冬くんをトラクターに乗せてくださいました。
そのあとは、沢登りをしたり、
釣りをしたり、
山育ちの西森じいちゃんだからこそわかる、<ここまでは大丈夫/これ以上はあぶない>の的確な判断のもと、自然のなかで、在冬くんにたくさん冒険をさせてくださいました。高部さんのパパも西森じいちゃんを信頼して、見守ってくださっていました。
この斜面はあぶないからここで待ってなさいと言い残して、足場のわるい急斜面をひょいひょい登っていく西森じいちゃんの身のこなしを、在冬くんがじっと見つめます。
西森じいちゃんは、斜面の上から、滅多に見ることができない貴重な植物を、根っこつきでとってきてくれました。
日が暮れたあと、この日のために西森さんご夫婦が用意してくださっていた花火で、一足早い夏気分を満喫しました。
いつか子供たちと田舎暮らしがしたいとおっしゃっていた高部さんのパパ。西森さん家の古民家で、こんなのーんびりした田舎の夜を過ごしながら、なにを思っていたのでしょうか・・・。
照れてなかなか写真に写ってくださらないのですが、西森さんの奥さまの薫(かおる)さんも、高部さん親子が家に来てくれたことをとても喜んでいらっしゃって、終始たのしそうに、甲斐甲斐しくお世話をしてくださいました。
3組目のペアは、奈良にお住まいの中西さんご夫妻と、吉野川市にお住まいの尾形さんご夫婦です。
お仕事のご都合で中西さんご夫妻は2日目からのご参加となりましたので、2日目のプログラムの中で尾形さんご夫婦にお会いいただきました。
尾形さんの奥さまとご対面です!
尾形さんと中西さんは、奥さま同士が「ゆいブック」を通じて、おすそわけのお野菜のことはさることながら、日々の暮らしや趣味のことなどをお便りしあって、交流を深めてくださっていました。
尾形さんの奥さまから中西さんの奥さまへ
中西さんの奥さまから尾形さんの奥さまへ
初めて会うご主人同士もこの笑顔!
そして、尾形さんのご主人を見つめる中西さんご夫妻のこの眼差し・・・。
尾形さんのご主人には、ここではまだ打ち明けられない秘密があるので、すこし脈絡のないレポートになっています。「笑顔」と「眼差し」のわけは、2日目のレポートで明らかにさせていただきますので、しばしお待ちください!
笑顔を通りこして、途中から終始爆笑まじりの素敵な交流をしてくださった中西さんご夫妻と尾形さんご夫婦。名残を惜しみつつ、最後は深々としたお辞儀とともに、再会をお約束なさったのでした。
それぞれのペアの方に、それぞれの出会いとドラマがあり、「じんわり」とした感動がありました。
こんな言い訳は蛇足かもしれませんが、こうして文字で書き起こしていると、実際に起きていた出来事を、ぜんぜん伝えきれていないという実感が募ります。写真のなかの参加者のみなさまの表情から、「それぞれの出会いとドラマ」の一端をご想像いただけましたら幸いです。
ツアー後のアンケートで、ペアのおじいちゃん・おばあちゃんについて、
「恩師にお会いできたような不思議な感覚。谷先生に出会わせていただいたことに感謝しています。」(根岸さん)
「近所であれば、毎日寄れるのになあ、と帰ってから夢想しています。」(高部さん)
「ゆいブックから滲み出るお人柄、おすそわけボックスから溢れる山の暮らし、お会いして感じたあたたかさ、尾形さんと出会えたご縁に深謝します。」(中西さん)
と感想をお寄せくださいました。
なんだかもう少し余韻にひたっていたい気分ですが、まだ初日です。先を急ぎましょう。
「2日目」のレポートへつづきます!
(追伸)
都会からこられたみなさまには、上分地区の川又(かわまた)通りにある大塚旅館さんにご宿泊いただきました。林業で栄え、戦後は大いに賑わい、かつては芸者さんもいたという川又通り。築75年の大塚旅館は、その繁栄の歴史を見つづけてきた老舗旅館です。
ですが、今では、川又通りもすっかり過疎が進み、夜になっても明かりが灯る家はごくごくわずか・・・。
だから、初日のプログラムが終了し、参加者のみなさまを旅館に送り届けた後、お部屋の窓に明かりが灯っていくのを、スタッフのみんなで、しみじみと眺めたのでした。
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