神山町に根付くもの

なんでも2008年9月2日

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投稿者:musabi

遅ればせながら、盛りだくさんだった29日の出来事を振り返ります。

明治生まれの浄瑠璃人形たち。大変貴重なものですが、実際に触らせていただきました。感激!
「あらまぁ」と言わんばかりのお弓さん。まだぎこちなく、カクカク

細工の稼働箇所は 多いもので、眉、目蓋、首、口、両腕、指、目玉と、全部で7カ所。ひとつひとつが細かい角度で動き、止まる。この小刻みなしぐさは、人形ならでは。人間にはできない、人形には人形の感情表現があるのですね。これを自在に操るのは至難の技、相当な修練が必要でしょう。琴を弾くお弓さん。実際に琴が弾けないと、お芝居できません。

小野さくら野舞台では、襖絵と舞台からくりを披露していただきました。

泥絵の具で描かれた襖絵。見事な発色!この絵柄は順番を自由に変えてもいいそうで。演出家の腕が鳴るぅ〜!

これが噂の襖絵!最も古いものは江戸時代後期に描かれたそうです。およそ150年前の、アーティスト・イン・レジデンスの大先輩。奇跡的に風化せず、色鮮やかに残っています。奥には整頓中の襖がズラリ…。どんでん返しや竹の二重の絵合わせ、仕組みはシンプルなのに、舞台上では襖の鮮やかさも手伝ってダイナミックな演出に!これは目から鱗のアイデアでした。勉強になります…。

これだけ豪華なセットが揃っていると、舞台を想像するだけでワクワクします。これは是非とも公演を観に来なくては!寄井座の皆さん、公演がんばってください!

ここで番外篇(?)

中原さんの案内で、アリスちゃん人形とご対面。この日は薄い青緑のワンピースをお召しに。アリスちゃんは衣装持ちでした。愛されているのね。卒業式には中学校の制服を着て参加するそう。

人形は不思議なものです。人間を模して作られ、愛され、人間とは違った時を生きる。アリスちゃんも、浄瑠璃の人形も、私たちよりずーっと長生きし、戦火をくぐり抜け、多くの人々の想いを受け取りながら、ここに在る。大事にされながら、その目でじっと人々を見守ってきたような、不思議な存在感があります。

実はベンチの白墨入れが残っており、またもや粟飯原のお父さん、国ちゃんが手伝ってくださいました。うう…できの悪い子たちでごめんなさい!お父ちゃんお母ちゃん、ありがとう!

夜には鳴門教育大学の皆さんと一緒に、お疲れ会&お別れ会

ターナー(田中)とそら(空本)は、佐藤さんの隠れファン。佐藤さんが次々に語る、数々の武勇伝に、会場は爆笑の渦に包まれました(ここでは内容はオフレコで…)。せっかくの笑顔、撮らない手はねぇぜ!とシャッターを押しまくるものの、みんなの動きが高速すぎて瞬間を捉えきれません。なんというエンターテイナー、これでも今夜は本調子じゃないそうだ。機会があれば、件のプライベートビーチにも行ってみたいものです。

kokoさん、ウケすぎ!

夜は課題の直しに追われる中、リズさんとご対面!私たちの過去の作品を見てもらい(持ってたならもっと早く見せ合えば良かったね、みんな)、すぐに打ち解けられました。「まずは自分が楽しまなくちゃ」とリズさん。この言葉、胸に響き…、むしろ刺さる。

人間は、なにかを作りだすことのできる生き物です。作るためには、動かないといけない。それは後々に残る作品であったり、町の環境だったり、ご飯だったり、ささやかな会話であったり、それらを支える人間関係であったり…。日々を紡いでいく中で、一見必要なさそうで、むしろこれが無いと生きていけないくらい、“作る”という行為は人間を人間たらしめる、喜びに値する行為なんだと思います。だけど頭で考えるだけでは、いつまで経っても何もできません。人間は自分で思っている以上に、身体で考え、記憶していく生物だからです。

神山町の人たちは、何よりもまず“自分が”動き出すことが大事だと、体で知っている人々でした。ひとつひとつの行動が積み重なって、無理そうなことも実現してしまう。宴会の翌日、元気に、当然のようにアドプト活動に取り組んでいた皆さん。これが神山町を支える原動力なんだと思います。

本日の担当は、日比野でした。ターナーがきれいにまとめた後で、蛇足のような日取りになってしまい、お恥ずかしい。

追伸:ヒロコさん、おにぎりごちそうさまでした!帰りの電車で梅干しの酸味に救われました…。

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musabi

2008年度武蔵野美術大学インターンシップでやってきた4人組です。 そら>神山って、いいとこだネ! まりの>うん!私もそう思う! ひびやん>神山のいろんな場所を巡りたいなあ ターナー>巡りつくすぜ、神山。 そら>わあ、かっこいい!

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コメント一覧

  • kokoさんが相好を崩しているのは、佐藤さんとウラジミール浦辺さんとの「交換○○チ事件@徳島市民病院」の話だな・・・。 ここに書ける内容ではない。神山に来た人だけに明かしているスペシャル版だ・・・(笑)。ほんとうはもっともっとある! それにしても、あの男に若い隠れファンが居たとはなあ・・・(黙)。

    2008年9月2日 13:20 | 大南 信也

  • 「浄瑠璃人形」にしても、「襖絵」にしても、ムサビの就職課の加藤さんと小林さんが来なかったら、パスしていたかも・・・。誠に、気も手も回らなくて、スマン! アリス人形もあったなぁ・・・。神山温泉に入ったのも最後の夜・・・。もう少し行き届いたサポートを心がけるべきだった・・・(反省)。

    2008年9月2日 17:08 | 大南 信也

  • いい記事だねぇ。。。 うるうる 作ること、動くこと、実行すること まずは動くこと、そこから生まれるエネルギーを味わって、楽しむこと。 それだなぁ、ってぼくもこのごろしみじみ思います。

    2008年9月2日 21:38 | chan

  • 「声に出して読みたい日本語」の著書で有名になった、 「斉藤孝」さんが、 「読書」も単に頭でわかっているだけではだめで、自分の身に、しみこませる必要がある。 読書も「身体的行為」として、とらえ、スポーツと同様、 上達のために練習を要するものである。 と主張されていましたが、日比野さんも、同じようなことを、 考えておられていたのですね・・・。 みんな、「顔」と「しぐさ」に似合わぬ、「いいこと」言うやないか・・・・。 あっっ・・・また、一言多かった?(笑)

    2008年9月3日 00:36 | ニコライ

  • うーん、ムサビ四人娘、いい日記かいてるね。 徳島駅前まで彼女たちを送っていってかたく握手を交わし、再度神山の地を訪れてくださいと約束しましたが、彼女たちもその気十分でした。 先日、ムサビ就職部の加藤先生がお話していたのだけど、KAIRの十周年の同窓会を今年開催したのなら、それに対抗して、ムサビインターシップの同窓会をしたら面白いね・・・といっておりました。 もうかなりの年数になるから、同窓生もかなりの人数だ。女性たちはもう結婚している人もいるだろう。 加藤先生いわく、「結婚している人は子どもとご主人を連れて神山に来る」という条件を出せば・・・。だって・・・。

    2008年9月3日 05:31 | 中原トオルちゃん

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