神山の隠れ名所その4
なんでも2008年11月11日
神山の隠れ名所第4弾です。今回紹介する場所は立岩神社。「隠れ」という表現は語弊があるかもしれません。なぜかというとこの神社、古代史を研究する人にとっては有名な場所。
この神社へのアクセスは徳島から神山温泉に向かう道の途中、「木の町神山」という大木に彫り込まれた看板があります。(たこ焼きが売られているところ) その60mほど手前を左折します。はじめはやや勾配がきつい道ですが5分ほど上ると緩やかな道になり、鬼籠野の元山という部落に出ます。
ここからはやや平坦な山道、マイクロバスでも通行可能。一本道で迷うことはありません。元山から4キロほど進むと立岩神社の入り口に自然に到着。そこに車を止めて鳥居をくぐって徒歩で200mほど歩くと到着。
この神社、古代史の研究家にとっては実に魅力ある場所。「古事記」や「日本書紀」の舞台となったところといわれています。古事記といえば和銅5年(712年)に太安万侶によって編纂されたわが国最古の史書であす。それについては異論を唱える学者もいるが。日本書紀はそれより8年後に編纂された。
この案内板に描かれている絵をアップにしました。
スサノオの神の狼藉乱暴なふるまいに天岩屋(あめのいわや)に身を隠したアマテラス大神。その岩屋がこの場所だという。
この看板の由来を読んで鳥居をくぐり抜ける。進むにつれて深山幽谷の趣が増してくる。すでに紅葉が始まっている木もある。山道の左斜面には大きな岩が山肌に突き出ている。
たどり着いた所がこの巨大な岩屋。確かに二つの巨岩がそそり立ち割れ目がある。
古事記や日本書紀は8世紀に書かれた物語。しかも日本の天皇の正当性を強調するための目的で書かれているので、前半は神話の部分が多い。
712年の編纂といえば奈良時代。天皇による中央集権時代。その時代に書かれたものだからその内容には大王にとって都合のよいことばかりの物語になっているのはいたしかたない。
その辺のことを知るには、歴史作家、関裕二氏の本を読むと面白い。「おとぎ話に隠された古代史の謎」・「謎とき日本古代史」・「封印された日本創生の真実」など独特の視点で古代史を解き明かしている。
講釈は別として、訪れて何か神秘的なものに心打たれるのは確かな場所です。トオルちゃんみたいな凡人はともかく、霊感の強い人には何かを感じる場所だと思います。車で行っても安全な山道だし、途中の紅葉や秋の風情を楽しめます。
深まり行く秋を満喫できます。
この時期いろんな秋に出会いますが野性のリンドウを見るのは久しぶりです。
神山温泉で一風呂浴びて、このコースをたどると、もとの道を引き返さなくとも立岩神社から佐那河内に抜け徳島市に帰れます。道も完全舗装されています。
どうです、途中の山道は完全に舗装されしかも落ち葉の絨毯が敷き詰められている。
古代史に興味がない人も訪れて何かを感じるところです。霊だの、祟りだの、憑き物だの科学的な根拠のないものはまったく信じないトオルちゃんでも何かを感じました。
標高が高いのか山茶花が鮮やかに咲いていました。訪れて何かを得られるのは確かです。お勧めします。
中原 亨
神山アーティスト・イン・レジデンスの自称学芸員。これまで招聘した作家たちの作品の解説はお任せください。年間を通じて数多くの訪問者を案内しています。 神山を元気にするため老体を鞭打ちと東奔西走しています。NPOグリーンバレーの理事。
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