神山町旧役場文書（９）「海外移住編冊」
なんでも2009年12月16日
投稿者：稲飯 幸生
旧阿野村役場文書
昭和七年
○満蒙地方移住ニ関スル件
昭和７・４・４ 県学務部長より村長宛
満蒙地方移民については希望者より頻繁に照会があるが、政府においては目下鋭意研究中である。これについては耕地の取得・農業経営方法・資金調達など実行計画には慎重準備を要するものである。貴村の移住希望者についても軽々しき行動をとらざるようご指導方お願いします。
○満蒙地方移住希望者ニ関スル件照会
昭和７・４・12 県学務部長より村長宛
貴村において幾多の困難に耐えて永住の決心をなし、定着の能力ありと認められる農民あれば御報告下さい
○吉林方面移民ニ関スル件
昭和７・５・30 外務省亜細亜局長～拓務省拓務局長宛（写）
吉林総領事より外務大臣宛の文書には「速成の団体の者が移住地探しのため当地へ入り込み遭難した例がある。内地人の移民は経済的にも生やさしき事業でないので移民計画については慎重に行うよう指導されたい」。
○徳島県拓務協会設立 昭和７・５・２
海外事情調査
講習会・講演会の開催
移植民講習会講習員派遣
海外事情ニ関スル研究指導
総予算4181円 会費2470円・国補助700・県補助1000
会長徳島県知事
○徳島県海外移住組合設立ニ関スル件
昭和７・10・８県学務部長より村長宛
各市町村において組合加入希望者を取り纏め住所・職業・氏名を至急報告願いたい
○満州移民ニ関スル件
昭和７・10・11 県学務部長より村長宛
拓務省の計画した満州試験移民は本年度は関東・東北・北陸11県の農業者のうち在郷軍人より100名を選択し満州移民とする。今後本県へも及ぼされるものと考えられる
○移植民指導者講習会開催ノ件
昭和８・２・16 県学務部長より村長宛
主催徳島県・徳島県海外移住組合
期日２・22～23 石井小学校（徳島市・名東・名西）
○満州移民適地調査ニ関スル件
昭和８・５・15 神領村長（名西郡町村会長）～郡内各町村長宛
旅程20日間 旅費150円支給
県下市町村長より５名選抜
○北海道自作農移住者募集締切ノ件
昭和11・４・14 県学務部長より村長宛
各収容地とも満員になった
○伯国移民割当数ニ関スル件
昭和11・５・５ 県学務部長より村長宛
10年度1849名・11年度1424名の割当あり
○台湾農業移民募集ニ関スル件
昭和11・５・５ 県学務部長より村長宛
県内３箇所で銓衡する
希望者は印鑑持参の上出頭する
コメント一覧
厳しい中にも希望を抱き、覚悟を決めて移住した人も多かったんでしょうね。後に、大変な目に会うわけですが・・・。 郷土に残された、こんな貴重な文書にめぐり合えることに感謝したいと思います。 シリーズ続編がますます楽しみになってきます。
2009年12月17日 09:46 | 大南 信也
稲飯さん、こんにちは！ 伯国（ブラジル）移民についてもありますね。 今と昔、時間差はあっても、私たちと同じ土地(神山）に生まれ育った人たちが、どのような心の変化で移民に至ったのかと思います。 割当があっても、最終的には自分で決めたのでしょうし、今でも、ブラジルは遠い国ですから。
2009年12月17日 11:12 | sasuke
昭和６年９月 「満州事変」勃発（ぼっぱつ）。 昭和７年には傀儡（かいらい）政権の「満州国」設立。 昭和２０年敗戦。 昭和６年の頃から実質、十数年も日本は戦争にひた走っていたのでありますナ。 稲飯先生の資料を拝見させて頂きますと、この頃の歴史を身近に感じます。 さて、１８０度、話は変わりますが、稲飯先生。 庭にある、「バナナの葉っぱ」下さい！ 鉄板の上での、「蒸し焼き料理」に使わせて頂きます。 よろしくお願い致します。（笑）
2009年12月17日 23:10 | ニコライ
バナナの葉っぱはいくらでも差し上げます いつでも取りにきてださい
2009年12月18日 16:57 | 稲飯 幸生
日本の人は移民に行かなければ生活ができなかった時代です。現在は幸せな時代ですね。sasukeさん
2009年12月18日 17:01 | 稲飯 幸生
私の投稿を読んで戴いて、毎回のコメント恐縮です 多方面で頑張ってください。
2009年12月18日 17:04 | 稲飯 幸生
＞バナナの葉っぱはいくらでも差し上げます 稲飯先生、心強いお言葉、ありがとうございます。 お声をかけて、もし、誰もいなかったら、黙ってもらっていって よいですか？ 返事がない場合は、暗黙の了解・・・ということで・・・。ｴﾍﾍ。
2009年12月19日 00:27 | ニコライ