神山町役場インターン インタヴュー記事第1弾

なんでも2020年11月26日

山田隆晟

投稿者:山田隆晟

はじめまして、神山町役場のインターンでお世話になっております、山田隆晟(やまだ りゅうせい)です。福岡県出身で、現在は、東京の成城大学・文芸学部・マスコミュニケーション学科に在籍しています。

メディアやジャーナリズムを中心に、社会問題の分析方法などについて学んでおり、その中で、私は、自身が地方出身者であること、そして現代社会における大きな課題であることから、地方創生に興味を持ちました。

そして、いろいろと調べていくなかで、サテライトオフィスの誘致や移住の取り組みでメディアに取り上げられていた、神山に着目しました。
今夏行われました「成果と課題の共有会」にもZOOMで参加させていただいており、年齢問わず様々な人が参加されていて、意識の高い町だなと思いました。

将来は、メディアの発信力や知識の蓄積を活かしたまちづくりに携わりたいと思っていますが、まちづくりを行っていく上で、行政の力は必要不可欠なものであると思い、実態を知るために、今回神山町役場のインターンに参加させていただきました。 

今回のインターンでは、3人の方にインタヴューを行わせていただき、記事を作成させていただくことになっております。その中で、神山に住む人、そうでない人に関わらず、それらの記事を読んでいただいた方に、現在神山で起こっていることやそれぞれが取り組んでいること、そして、それらを通しての人々の関わりの模様をお伝えできればと思います。よろしくお願いします。

以下は、第1弾の記事となります。

第1弾は、神山町役場総務課の馬場達郎さんへのインタヴュー記事です。どんなお仕事をされているのか、そしてその中での人々との関わり方や神山に対する気持ちをお聞きしました。
 

馬場さんのプロフィール
神山町出身、神山町役場総務課
神山町創生戦略の町側の担当、事業の調整等を行う。
徳島市内の高校に進学し、大阪の大学へ、その後徳島の銀行へ就職、6年間働いた後、役場へ転職。
農業委員会や徳島県出向を経験し、その後に現在の総務課へ。

 

〇馬場さんは創生戦略の役場側の調整役ですが、具体的にはどんなお仕事をされていますか?

役場と神山つなぐ公社が両輪でやっていこうというのがあって、片方だけが回りすぎたらよくないので、上手く回るようにするのが仕事だと思っています。

具体的にはいろんな会議に役場や町民の視点を持って参加しており、事業の進め方が公平、公正で、公共的であるかを見るのが役割だと思います。

あと、ものごとを物事を進める時に、これはこの人に相談しておくといいのではないかとか、この人と一緒にするといいのではないか、この人には情報を知っておいてもらった方がいいのではないかとか、人と人を繋ぐことを考えています。

事業は住民の皆さんにオープンにするという形で進めていますが、そのための報告会などでは、役場職員として責任をもって前に立って報告をしています。役場がちゃんといることで、住民の皆さんが、安心して、声を届けやすくなればと思います。

どれかのプロジェクトにがっつり関わっているというよりは、引いた視点から参加していますけど、大埜地の集合住宅プロジェクトにはがっつり参加していて、町営住宅なので役場がちゃんと表に立って、入居募集とか募集のPRとかをしています。

そして、今は特に創生戦略で、次の5年に何を取り組むか、これまでの動きにちゃんと積み重なる形になるよう準備をしています。

 

〇創生戦略が1つの節目を迎えましたが、その現状について、どのように思われますか?

総合的には上手くいっているなと思います。創生戦略に書かれていることで、「可能性が感じられる町」というのがあって、それは、ひとがいて、いい関係があって、それを支えるハード的な場所があって、そして、そんな中で、新しい活動や仕事が生まれているという町です。

僕はそこに共感していて、あんまりこっちが準備して生まれるよりも、そういう土壌があって、自然発生的に生まれてくる状況が持続的だと思っています。

その部分がこの5年でまちの中で共有されつつあるなと思っています。ただ、この状況が整うのはかなり期間の長い話だと思っていますが、今はそういうことを目指して、それぞれがそっちを向けているなと。例えば、集合住宅や神山校を見ていたりすると、土壌が育っているなと思えます。

あともう1つ、数値的なところでいうと、KPI*という目標に向かっているかどうかを確認するための指標があって、そこでは一般的な転入に加え、毎年44人の転入を増やすことを掲げていまして、それが4年目の2019年度に達成できたのですよ。

全体でみると達成率は91%なんですけどね。僕は当初44人というのは厳しいのではないかと思っていたのですけど、意外と91%もいけていて、町に新たな人々が暮らし始めたことと今後も諦めずに続けていけると思える成績だったことが、町にとっては良かったのではないかと思います。


*KPI…Key Performance Indicatorの略語。企業などの組織における、目標を達成するための業績評価の指標。

 

〇大埜地の集合住宅プロジェクトにおいて、2014年当初は若者向けとして作ろうとなっていましたが、最終的には子育て向けとなりました。
どんな人を募集するのかというのはどのように話し合われたのですか?

僕が関わりだしたのは、今の集合住宅プロジェクトになってからなので、聞いた話になりますけれど、地方創生第1期を作ったときのワーキンググループの人たちが話し合ったことが反映されているのだろうと思います。

単純に住む家を作るだけでなく、関係が育まれやすい仕掛けを作るだとか、作る過程で大工さんがとか、町の仕事にできないだろうかとか、神山らしい風景を作れないだろうかとか、いろいろな要素が入ってきて、広がりのあるプロジェクトにした方がいいのではないかということで一度見直されたという風に聞いています。

 

〇地元の人や移り住んできた人の関係性や雰囲気はどのように感じますか?

近年、神山に引っ越してきた方は、どうしてそこまで、というくらい地元の人をとても大事にしてくれます。生まれ育った自分にはその感覚が分からないところもあるのですが、「地元の人と一緒に」とか、「地域行事に参加しないと」とか、とにかく考えてくれる。「そこまでする義理はねーよ」という人はいない。それがとてもうれしいし、上手く行っている要因であると思います。

一方で、地元の人は「移住者がどうの」と言う人がいると噂では聞くけど、実際はなんだかんだで近くに来た人に野菜をあげていたり、世話を焼いたり、焼かれたりしているので、結構上手いこと行っていると思っています。

それと、僕が気を付けていることは、移住とか、移住でないとか考えない。困っている人がいたら助ける。これはどんなことを行うにしても変わらないです。

また、最近は「移住者」という言葉を使わないようにしていて、「何年たったら移住者じゃなくなるの」というのを聞いたことがあって、それはそうだなと。そこで区別することはないし、そういうのはなくなっていけばいいなと思います。

 

〇これからも創生戦略に関わっていかれると思うのですが、馬場さんは神山においてどんな存在でいたいと思いますか?

僕の役割の1つだと思うところで、個人的にそうありたいなと思うのは、いろんなことが起こっていて変化の激しい神山なので、昔から住んでいる人はそれに対する不安を感じてらっしゃる人もいて、それに加え、同世代の人にも今更ちょっと関わりにくいという気持ちを持って見ている人もいるので、そんな人たちのために変わらずにいる、昔から立っている木のような存在でいたいですね。

なので、今更入りにくいという人は、一旦僕の所に来てよと思います。それで安心してくれたらなあと思います。実際に事業などを行っている中で不安に思っている人たちにも、「不安にならなくていいですよ」と言ってあげたいですし、神山はどうなっているかわからないので帰りにくいという人には、「いやいやそんなことないよ」と言ってあげたいです。

これは、役割分担じゃないかと思っていまして、求心力を発揮する人も必要ですが、そういう人は自分以外にもたくさんいるなあと思うので、自分は、不安になっている人を安心させられる存在でいたいです。

 

〇神山に興味がある人、移り住みたいと思っている人はたくさんいると思いますが、そのような人たちに向けて伝えたいことはありますか?

あまり神山を神格化しない方がいいというか、ハードルを上げないでほしいなと思います。「技術がないと入れないんでしょ?」とか言われることがあるんですが、IT技術があるとか、アーティストであるとかは気にしなくてもいいんじゃないかでしょうか。
 
こういう人が来たら、こういうことが起こるというのはあると思いますが、個人的には、神山を気に入ってくれた人は、ひとまず近寄ってきてほしいです。どなたでもお越しください。

 


〈馬場さんへのインタヴューを行って感じたこと〉

馬場さんは、創生戦略を進めていく上で重要な人物だなと思いました。なぜなら、地方創生というものは、さまざまな人の声を聞く必要があり、さまざまな意見がある中で、馬場さんはその間に立って、人と人を繋ぐことをしておられるということで、神山の創生戦略において欠かせない人なのではないでしょうか。

また、そうしたお仕事をされているからこそ、地元の人や移り住んできた人の変化をひしひしと感じておられるのかなと思います。
そして、地元の人たちや移り住んできた人たちがお互いを積極的に受け入れようとしていることで、町全体が良い方向へ進んでいるのではないかと感じました。

 

山田隆晟

山田隆晟

神山町役場インターン生 福岡県出身、成城大学・文芸学部在籍

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