神山町役場インターン インタヴュー記事第2弾

なんでも2020年12月25日

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投稿者:山田隆晟

こんにちは!

第2弾は、今年の1月に神山に移り住まわれ、神山町役場で臨時職員として働かれている高瀬美沙子さんへのインタヴュー記事です。神山への移住と神山での生活や仕事、そして、その中での神山の人々との関わりをお聞きしました。


高瀬さんのプロフィール
徳島県上板町出身。
徳島県内の大学進学後、東京の出版社へ就職。
出版社で17年間働いた後、神山へ移住。
大埜地の集合住宅・第2期の入居者。現在は神山町役場で臨時職員として働く。


〇東京で17年間働かれて、神山へ移り住まわれていますが、移り住もうと思われたのはなぜですか?

私には、小学5年生と来年小学校へ上がる子供がいるのですが、東京にいるときも子供たちと山や海に行っていて、自然の中で遊ぶ方が楽しいなといつも思っていました。

そして、これだけ週末ごとに自然の中へ行くのであれば、自然の中で住んでしまえと思ったのに加え、2020年になるし、干支も変わるし、年齢の区切りもいいと思い、いろいろなタイミングが重なったので移り住もうと思いました。

 

〇移住となると大きな決断だと思いますが、神山へ移り住むことに関して不安はありませんでしたか?

子供たちにとっては初めての転校だったので、どうなるかなとは思ったのですが、その他に関してはあまり不安はありませんでした。それに、今通っている保育所や小学校の友達も先生もよくしてくれて、すぐに心配はなくなりました。加えて、小学校ではフードハブ*のみなさんが食育プログラムを実施してくれて、田植えや野菜づくりなどの体験もできるので、すごくいいなと思います。

また、大埜地の集合住宅の第2期に入居できたのですが、ウェブサイトに間取りなどの情報も載っており、どんな造りかは理解できていたので、住まいのことで不安もありませんでした。


*フードハブ…正式名称をフードハブ・プロジェクトという。神山の農業を次世代に繋ぐため、「育てる、つくる、食べる、伝える」という活動を通して、「地産地食」を軸に、地域の関係性を豊かにし、農業の担い手を育てる仕組み。

 

〇移り住まれて半年以上経ちますが、神山での生活はどう感じますか?

みんなが私たちを大事にしてくれているように感じています。役場で働き始めたのと、長男が少年野球を始めたことで、地元のみなさんとも知り合えました。

また、みなさんが作った野菜や果物など、いろいろといただくことが多いです。ただ、私は畑をしておらず、何か物でお返しができるわけではないので、代わりにちゃんとお礼や美味しかったということを必ず伝えるようにしています。

神山では、移住してきた人のコミュニティにも地元の人のコミュニティにも参加できる。こうして移り住んできた人をすぐに受け入れて、サポートしてくれるのは、神山の人たちが元々持っている気質はもちろん、役場やグリーンバレーのみなさんが長い年月をかけて他者を受け入れる文化を根付かせているからだと思います。

アーティスト・イン・レジデンス等で外国の方を受け入れ慣れているので、日本人で、徳島出身で、言葉も変わらない私を神山の人たちはすぐに受け入れてくれたのかなと思います。

また、私たち夫婦は、ふたりとも徳島県内出身なのですが、なぜ神山を選んだのかというと、神山の人たちが地元を諦めていないからです。大人たちが自分たちの町には魅力があると思っていて、町をいかに良くしようかと考えています。そういう環境だったら、子育てにもプラスになるのではないかと思いました。

町のみんなが「これからどうなっていくのかな」とワクワクしているところで暮らせたらいいなって。

 

〇高瀬さんは東京では出版社で編集の仕事をされていたということですが、現在、役場ではどのような仕事をされていますか?

神山へ移り住んできたときは、編集の仕事をしようとは特に思っておらず、本当は子育て支援の仕事をしたいと思っていました。しかし、思っていた以上に子育て支援が充実しており、私がしなくてもいいような状況でした。

そんな時に、知り合った方に「役場で臨時職員の仕事があるからどう?」と言われて、役場で働くことになりました。役場では、統計や税務に関する業務をしています。

また、役場の業務と平行して、「あゆハウス*」のパンフレットだったり、商工会の季節のギフトカタログの制作・編集に関わらせていただきました。

制作物をみなさんが褒めてくれて、また次の仕事を依頼してくれるので、とてもありがたいです。
 

*あゆハウス…城西高校神山校の寮で、神山を流れる鮎喰川の「あゆ」をとって、「あゆハウス」と呼ばれる。

 

〇これから、高瀬さんは神山においてどんな存在でいたいですか?どんなことをしていきたいですか?

やりたいなと思うことはたくさんあります。例えば、“KAMIYAMA BOOKS”というテーマごとに1冊にした本のシリーズや、神山には昔からの民話があるので、そういうものを描いた絵本を作りたいなと思います。

あとは、私は特にお母さんに幸せに生きてほしいと願っているので、お母さんたちが本来の自分の在り方を維持しながら子育てを楽しめるような空間を作りたいなとも思っています。

 

〇神山に興味がある人、移り住みたい人はたくさんいると思いますが、そのような人たちに向けて伝えたいことはありますか?

私は移り住んだことに対して、まったく後悔していないので参考にはならないかもしれないですけど、移り住みたいのであれば、あまり考えすぎずにまずは住んでみたらと思います。別に永住する必要はないと思っていますし、責任を感じる必要もないと思います。

やらなくて後悔するよりは、やってみて上手く行かなかったら、その経験を糧に次のステップに進めばいいと思います。“何かを捨てて”とかではなく、大事な人や場所を増やしていく感覚でいればいいし、そこに定住できなくても、それはそれでいいのではないかと思います。

 


〈高瀬さんへのインタヴューを行って感じたこと〉

神山での生活がすごく合っていることが、言葉の端々から伝わってきました。役場での仕事だったり、さまざまな冊子の編集だったりを楽しんでらっしゃるんだなと思います。

また、地元の人たちとのご縁を大切にされていて、だからこそ仕事を依頼されたり、野菜もいっぱいもらったりしているのかなと思います。加えて、何事にもポジティブな考えを持っている方であり、他の人が失敗だと捉えがちなこともプラスに変えられる方だと感じたので、私も見習いたいなと思いました。

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山田隆晟

神山町役場インターン生 福岡県出身、成城大学・文芸学部在籍

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