暖かい家づくりは、完璧ではなく体感を目指せ!(鮎喰川すまい塾#15 報告レポート)
住まい2021年11月30日
「寒い家をなんとか暖かく過ごしたい!」あまり断熱がされていない古い家に暮らしている人が多い神山では、周りでもそんな声をよく聞くし、私もそう思いながら我慢しつつ暮らしてきました。そこで、今回の鮎喰川すまい塾では満を持して「冬寒い家を、なんとか暖かく」をタイトルに断熱改修について取り扱うことに。
ゲスト講師としてお招きしたのは、建築ユニット「みかんぐみ」のメンバーでもあり、大学教授など様々な顔を持つ竹内昌義さん。最近では「断熱男(だんねつお)」とも呼ばれているそうです(笑)
当日はDIYでもできる断熱リノベーションの具体的な技もいろいろと教わりましたが、竹内さんのお話を伺う中で、私が「なるほど!」と思ったことを3つご紹介すると・・・
①断熱したいときは「気密」もセットで考える
今の住宅は、たとえていうならば、裸にカイロを貼って温めようとしているようなもの。セーターを着るのが「断熱」、ウインドパーカーを羽織るのが「気密」だと思うとイメージしやすいのでは?とかわいいイラストを使って説明してくれました。すきま風が入ってこないようにきちんと防ぎ、空気の層をつくってあげると暖かくなるのは、洋服の場合も家の場合も同じなんですね。断熱材を入れる際には、透湿防水シートをはったり、その際に気密テープを使ったり、などの工夫が大事だそう。
②最初から全部やろうとしない!
家全体を暖かく過ごせるように改修しようと思ったら、手間もお金もとてつもなくかかってしまいます。どの空間を一番暖かくしたいのか?を決めて、「6面」をぐるっと囲みやすいところから小さく始めてみるのがオススメ。うまくいったら次の空間へ。一番に断熱した方がいいのは、熱がたくさん逃げている/冷気がたくさん入りこんでくる「窓」。今回ワークショップで試した断熱障子を始め、内窓や断熱ブラインドなど、いろんなアイディアを伝授していただきました。
③素人では難しいことは、きちんと大工さんにお願いする
今回は自分のDIY力を上げたい!という参加者の方も多かったのですが、自分でやる部分・大工さんなどのプロにお願いする部分の見極めが大事。たとえば、内窓をつくるときの窓枠などは、水平垂直を出すのが難しいので、大工さんなどのプロにお願いして取りつけておくといい。
他にもいろんな「!」ポイントがあったのですが、ぜひ参加した皆さんに話を聞いたり、竹内さんのご著書を読んでみたりしてみてください。参加者の皆さんも、質疑応答の前にちょっと対話の時間をとってみたら、いろいろ熱く交わしていた様子でした。
さてさて、後半は人数を絞って、断熱障子づくりのワークショップ!
障子紙を太鼓張りにして、その中に中空ポリカーボネート板をはさむことで、
空気の層を複数つくって断熱しよう、という作戦です。
まずは断熱する部分のサイズを測って、
材料を適切なサイズにカットし、
細い桟木だったので、障子紙用の両面テープを貼って、中空ポリカをはり、
さらに桟木をほどよい間隔ではり…
両面に障子紙を貼って、きれいに切り落としたら完成です!
残念ながら、ワークショップの短い時間では、全ての障子を断熱仕様に作り変えられなかったのですが、周囲の窓やガラス面と触り比べてみると、たしかに体感温度が違う!あったかいかも!と感動する私たち。
ちょっと作業時間オーバーしてしまったので、最後まで残ってくれた少数精鋭(?)なメンバーと、記念に集合写真を。
これをきっかけに、あちこちのお宅を一緒に断熱DIYしていく仲間ができていくことに期待しつつ、私はまずは西分の家の断熱障子の完成を目指したいと思います。(一緒にやってみたい人、いたら連絡ください!)
高田 友美
静岡県浜松市出身。神戸→東京→スウェーデン→滋賀を経て、神山に移り住みました。神山つなぐ公社では「コミュニティ・アニメーター」として、主に大埜地の集合住宅とすみはじめ住宅から始まるコミュニティ育成を担当。休みの日はノラ上手に励んでいます。
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