2年生 かみやまタイム 「中学生 町内バスツアーに向けて」

学び2022年7月13日

投稿者:梅田 學

(神山つなぐ公社 ひとづくり担当)

「将来の夢」を中学2年生が大人の前で語る、神山中学校伝統の「立志式」。神山中学出身の方は、「立志式」と言う言葉を聞くと何かしらの思い出が呼び起こされるのではないでしょうか。

 

2021年度から、神山つなぐ公社と連携したキャリア教育を本格化。

神山つなぐ公社では神山中学校の総合学習の時間、特に2年生のキャリアについて考える時間をサポートさせてもらいます。まちの多様な大人の姿を間近で感じ、自らの将来を考える時間にするべく、まちの大人と学校をつなぐコーディネーターとして月に数回、授業に関わっています。

 

2022年度の立志式の主役となる2年生は、男子ばかりの8人です。彼らはこの1年、立志式に向けたキャリア教育を受けることになります。

総合的な学習「かみやまタイム」を利用した通年のキャリア教育は、 全員が一緒に同じところを回る町内バスツアーに始まります。秋には、個人が希望する職場で、職業体験をします。まちの大人たちの生き方、働き方に直接触れることで、自分の将来像を少しずつ明確化していく半年間。冬には、自分の思いを言語化する作業が待っています。そして、最終の目標が、12月の立志式です。

立志式は、しっかりと自分の言葉で将来像を表現し、どんな夢も、どんな思いも、信頼する大人たちに受け止めてもらう大事な日になります。一連の経験は、彼らが自分らしく生き、働く道筋を作るでしょう。

さて、今年度も第一弾の「町内バスツアー」に向けての準備が5月31日、始まりました。今回は、そのご報告をさせてください。


授業では、彼らのキャリア教育を校外からサポートする校外の大人3人が仕事観を8人に話しました。テーマは、中学時代の自分のこと、そして将来の夢、これまでの自らのキャリアについて。
 

話したのは、町役場で、町内町民バスツアーの担当である松田一輝さんと、授業のサポートをお願いしている文筆家の中村明美さんと私、神山つなぐ公社の梅田學の3人です。

理科が大好きだったという松田さんは中学時代、周りが理科嫌いが多いことにショックを受けて、「こんなに楽しい理科を、みんなに好きになって欲しい」という気持ちから理科教諭を志したとのこと。理科の先生になって城西高校神山校で勤めるうちに、神山が好きになり、神山町役場に転職したという経緯も伝えてくれました。理科教諭への道も、神山町役場への道も、共通するのは、「ワクワクを大事にしたい」という価値観。

 

かつて中学生だった目の前の大人が、一人の「元中学生」として、20年30年、大事にしていること、変化した考えについて、格好つけずに語った約40分間は、中学生にとって新鮮な体験だったようです。8人は食い入るように聞いていました。

当初、3人の話を聞く前に、8人に「仕事」というイメージに感じる感情カードを選んでもらいました。

8人が選んだカードは、ポジティブなものも、ネガティブなものも混合。「夢中」「希望に満ちた」「楽しい」と表現するカードとほとんど同数で、「困った」「イライラする」「心配」などカードを選んで、仕事に対する不安な気持ちを素直に大人に伝えてくれました。

しかし、3人の話を聞き、バスツアーで行ってみたいまちのスポットをみんなで語り合った後は、少し様子が変化していました。8人の感想から抜粋したものを読んでみてください。

「僕は、もともと仕事は金を稼ぐだけの事だと思っていました。しかし、今回の活動で、仕事は、<自分の得意なことを発揮する場所>や、<自分の好きなことを周りに共有する場所>でもあると思いました」

「大事にしていることが、趣味から仕事になるということもあるんだなと思いました。今日いろんな人の話を聞いて、仕事のやりたいことが、変わっていく様子を知ることができました。僕も将来、(やりたいことが)変わるかもしれないので、今日のことを忘れずにしておきたいです」。

 

「神山にたくさん職場があることに気づき、自分の好きなことを仕事にしたいと思いました」

「仕事に対しての考え方が変わってきそう。やりたい仕事をいっぱい見つけていきたい。これからどんなきっかけで考え方が変わるか想像してみたいです」
 

「自分の好きなことを仕事にするのは素敵でした。生活も仕事も大切に出来るような仕事をしたいです」


学校の先生方からは「自分が中学生の時に、こんな授業を受けたかった…」という言葉もいただきました。

16日には、いよいよ、松田さんアテンドによる、8人のための町内バスツアーが開催されます。

さぁ、8人の将来像を育てていく1年の道のりのスタートです。皆さんも、立志式まで一緒に見守ってください。逐次、ご報告していきますね。

梅田 學 (神山つなぐ公社 ひとづくり担当)

2018年6月に神山町に移住。ひとづくり担当として、神山校、神山中学校の生徒が地域で学ぶため授業をコーディネートしています。 その他、毎月一回、孫の手プロジェクトで、神山校の有志のメンバーで高齢者の庭の剪定をしています。 休日は、2年前から始めたサーフィンを楽しんでいます。徳島の小松海岸、高知の生見海岸に出没中。

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