変わってゆく、クロワッサン
なんでも2020年2月29日
本記事はイン神山内の「ほぼ月報」という枠組みの中で執筆しました。2019年〜2021年までは神山つなぐ公社が「まちの様々なプロジェクトのいま」を、2022年以降は神山つなぐ公社とグリーンバレーで「神山に関わるみなさんと共有したいまちのできごと」をお伝えしています。
3/12に書いていますが1・2月の月報として。フードハブ・プロジェクトで「食育」とかいろいろ担当している樋口明日香さん(徳島市出身、元神奈川の小学校教員)は、月数本のハイペースで、「食育ひろば」というレポート・メールを関係者に送ってくれる。2/22の「57号」に、こんなくだりがあった。
〝20日、下分公民館で1時間程度話してきました。参加者は成人大学に入級している方・40名。お仕事を退職された年代の方々かな。笹川さんに焼いてもらったミニクロ・40個持っていき、途中で試食もしてもらいました。
その日、さっそく「かまパン」に買いに来てくれたお母さんがいたそうですが、昨日はクロワッサンを食べたお母さんたちが「ちくちくの会」(栗生野のサロンで開かれている手芸の集い)に参加していたらしく、「神山の小麦で出来るんだねー!」「クロワッサン美味しかったよ」と話してくれていたそう(ちくちくの会/直紀さん情報)。自分たちのいないところでも話題にしてくれているのは、うれしい限り。〟
3年前「かまパン」の立ち上げ期に滞在し、笹川大輔さんや山田友美さん(かまパンのパン職人)と一緒にパンを開発してくれた(文中「パン」度が高い…)東京・ルヴァンの塩見聡史さんが、さる1月、上記「神山小麦のクロワッサン」の開発に一週間ほど訪れていた。
そのあれやこれやは、フードハブ・プロジェクトが毎月出している「かま屋通信」の最新号(2019年3月号)*に詳しいのだけど、実物が店頭に並び始めました。焼いている笹川さんにちょっと訊いてみます。
──今日から?
笹川 正式には2月上旬からスタートしていたのだけど、粉がなくなって。
──粉がなくなる?
笹川 神山で収穫した小麦を一度乾燥させて、原料の状態で小田原の製粉所に送り、挽いてもらっているんです。それがちょっと間に合わななって2週間ほどあいてしまったけど、今日から再スタート。これから木・金・土・日曜日には焼いて出します。
昨日は仕込みで、すごく緊張して(笑)。でも個人的にすごく楽しいんですよ。面白い。クロワッサンの成形、バターを折り込んでゆく作業が、技術の有る無しとは別に好きなんです(笑)。一人でブツブツ言いながらやっている。
──ここからまた変わってゆくのかな。
笹川 塩見さんが骨格をつくってくれたので、ここからは自分なりに出来る。かまパンの食パンと同じで、骨格があれば自分なりに変えてゆける。このクロワッサンも変わってゆくだろうし(笑)、変わってゆく方が楽しいと思います。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
笹川さんとは以前、〝地元のパン〟というテーマで小さなトークイベントを持ったことがある。〝地元の○○〟ってなんでしょう。そこで生まれた人がつくれば〝地元の○○〟になるのか? その土地の原材料が使われていれば〝地元の○○〟になるのか?
たとえばコーヒー豆なんてまあほぼ外国産だけど、世の中には「うちのまちのコーヒーです」って、すこし誇らしげに語られる焙煎所もある。考えさせられます、〝地元の〟について。
西村 佳哲
にしむら よしあき/1964年 東京生まれ。リビングワールド代表。働き方研究家。武蔵野美術大学卒。つくる・書く・教える、大きく3つの領域で働く。元神山つなぐ公社 理事(2016〜21)。著書に『自分の仕事をつくる』(晶文社/ちくま文庫)、『ひとの居場所をつくる』(ちくま文庫)など。
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