「行こう、鮎喰川!」山編 〜川の始まりを見に行こう!〜
なんでも2025年1月7日
「行こう、鮎喰川!」山編、 今回は「川の始まりを見に行こう」と題して、鮎喰川の最上流部に位置する「魚止めの滝」に行ってきました。
魚止めの滝はその名の通り、魚がこれ以上 上れないとされる場所。
今回、先達として同行いただいたのは、地元・上分地区在住で魚止めの滝に詳しい「KEN-G」こと森 健始郎(もり けんしろう)さん。
当日、私たちの前に現れた健始郎さんは・・・
ジャジャーン!格好良すぎます!
そして、「行こう、鮎喰川!」には欠かせない存在の「NOB-G」こと河野誠敬(かわの のぶたか)さんも一緒です。
魚止めの滝までは、神山の中心部から車で約30分。
そこはもう携帯が繋がらない場所。
みんなで歩いて滝に向かいます。
今では、人が訪れる機会が少なくなっている「魚止めの滝」。
道中、歩き道が崩れそうになっていたり、川の浅瀬を渡って進まなければいけない箇所があったり。
参加者が安全に滝まで辿り着けるように、川の浅瀬を渡れるよう石を置いたり、歩き道の整備を行ってくれたのは、高校生ボランティアの「あゆリーダー」たちでした。
当日は参加できなかった「あゆリーダー」でしたが、開催日の前日、現地まで行って整備を行ってくれました。
おかげで小さな子供たちから80代の先達まで、全員無事に「魚止めの滝」に到着!
源流から流れくる滝。
何度見ても感動します。
みんなで滝を見ながら、KEN-Gのお話を聞きました。
・「魚止めの滝」と名付けられた由来について
・かつては滝壺やその下流にたくさんのアメゴがいて、とても大きなアメゴも捕れたこと
・「魚止め」というもののヨシノボリやウナギなどは、それでもまだ上に登っていけること
・岩盤から滴り落ちる水滴は、地下を通って、湧き出てきている水であること
・昔は、堰堤もなく、魚もたくさん棲息していたこと
・昭和49年に大雨による土砂災害が起きたことで、その後、たくさんの堰堤が造られたこと
・災害後、そして堰堤が造られた後、川の環境が変わり、魚の種類も数も減少してしまったこと
・堰堤があることによって、上流部で土石流などが抑えられ、下流部の洪水等の被害から守っていること
など、たくさんお話してくださいました。
目の前で岩の間から滴り落ちる一滴一滴も、源流部から流れ出てそれぞれの支流へ、そして本流へと流れていく。その水が私たちの暮らしを支え、また、私たちの暮らしが川や山の環境に影響を与えています。大きな災害がたくさん起きている今、「流域」という視点で暮らしを見つめられるようになることが、改めて大切なことなんだと実感しました。
滝を訪れた後は、KEN-Gがかつて仕事をしていた山を案内していただきました。
上分でも奥地となる場所で、800頭もの豚を飼い、椎茸も栽培しながら暮らしてきたそうです。
現地には、豚を飼っていた小屋や椎茸を育てていた小屋、KEN-Gが寝泊まりするのに使っていた小屋など、当時の面影が残る建物が残っていました。
すべて自分で建てられたそうです。
しかも、そこに電気も引いてきていたとか。
「川が近くを流れとったけん、それでなんかできんかなぁと思てな。ほれで引いてきたんじゃわ」。何気なく話しながら、KEN-Gが見せてくださったのは、水力発電の跡。
そのたくましい知恵と工夫と技術に、ただただ感嘆するばかりでした。
訪れた日、目の前に広がる山々は紅葉に彩られ、山頂はうっすら雪化粧。
寒さも忘れ、思わず見入ってしまう眺めの中でのお昼ご飯はサイコーでした。
目の前に広がる山の地形も谷の名前もKEN-Gの頭の中には全て入っているようです。
そろそろ下山?というタイミングで「もうすぐ誕生日じゃ!」というKEN-G。
(と言ってもこの日から40日後のことでしたが 笑)
みんなでハッピーバースデー♪の歌をプレゼント!
照れながらも、とっても喜んでくださっていました。
「また行こうだな。声かけてくれたら、どこでもなんでも教えちゃげるわ」
頼もしい先達との出会い。いろんなことをこれからも教えてくださいね。
活動を終えての帰り道。
NOB-Gがそっと伝えてくれました。
「あゆリーダーのみんなに言うとってよ。道が安心して通れるようになっとった。ようできとったよ、ありがとうって言うとってな」
いつも面白おかしくみんなを笑わせながら、しっかり全体を見て声をかけてくださるNOB-G。
そんな先達の背中を見ながら、先達と一緒に過ごせる「いま」を、なんとか未来につなぐこと。それが何よりこれからにとって大事なことなんだ、と改めて思いました。
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〈協力〉
開催にあたり、たくさんの方にご協力いただきました。
◯濱田さん、そして栗尾さん(神山町役場産業観光課)
私たちを「魚止めの滝」に最初に案内してくださったお二人。源流の場所がわかる地図を用意してくださっていたり、当日参加者に伝えると良い情報などのカンペまで用意してくださっていました。
◯金羅さん、そして松久保さん(上分集落支援員)
先達KEN-Gを紹介してくれたのは上分地区で集落支援員を務めるお二人。天候の関係で、開催は11月下旬となりましたが、当初予定していた10月開催に向けて、先達KEN-Gと一緒に下見や整備を一緒に行ってくれました。
◯西森さん(西森組)
魚止めの滝に向かう道を重機で整備してくださった地元の西森組の西森さん。KEN-Gからの声掛けに応えてくださったそうです。
皆さん、本当にありがとうございました。
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〈追伸〉
スペシャルな方をもうひとりご紹介!
「なかなか滝までは行けないから」と10月の下見の際に、健始郎さんと一緒に来てくださったのは健始郎さんの奥さま。
滝に着いてから、周辺を嬉しそうに歩く様子は、まるで少女が飛び跳ねているかのように見えるほど楽しそうにしてくださっていました。「一緒に来れて、本当に良かったねぇ」と一緒に行っていた支援員さんたちと。
「行こう、鮎喰川!」の活動が、子どもたちだけではなく、長年この地で暮らしてこられた方の日々を、少しでも彩ることができたなら、そんな嬉しいことはありません。
この先もいろんな出会いが生まれるよう、「行こう、鮎喰川!」
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神山つなぐ公社では、神山町とともに「まちを将来世代につなぐプロジェクト」に取り組んでいます。
「行こう、鮎喰川!」は、「まちを将来世代につなぐプロジェクト」の「ひとづくり」分野の中の施策「地域の先達に学ぶ防災教育を兼ねた自然体験の促進」に基づいて行っている活動です。
春夏は川で、秋冬は山を舞台に、鮎喰川流域で暮らす地域の先達を招き、川や山での先達の暮らしを体感しながら「遊び、学び、やってみる」ことを大事にしています。また、ここで起きた災害の歴史を知り、「川と山とのつながり」や「自然と共に生きる暮らしの大切さ」が実感できるよう取り組むとともに、もしもの時に自分や他者の命を守れる人が育っていくような取り組みを目指して、活動を行っています。
ikouakuigawa
まちを将来世代につなぐプロジェクトの中の施策2-7「地域の先達にまなぶ、防災教育を兼ねた「子どもの自然体験」の促進」の取り組みを紹介しています。 神山つなぐ公社(田中泰子、秋山千草、中村奈津子)を中心に、高校生・大学生スタッフが運営しています。
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