課外授業すべて終了(作家のみなさんご苦労様)

アート2010年10月13日

投稿者:中原 亨

2010年のKAIR作家たちによる課外授業がすばらしい展開のもと昨日終了しました。前回アダムさんと廣田緑さんの授業の様子は報告しましたので残りの作家たちの授業展開を紹介します。

10月5日、ザランスさんは城西高校神山分校の1、2年生を対象に授業を展開しました。

通訳はベテランの吉田さんです。

授業の導入はビデオを視聴。彼の過去の活動を紹介しました。各国で行ったアクションペインティングの映像を見ました。いろんな国で行っています。室内はもとよりストリートで3m×6mもあるキャンバスに体全体を使ってペインティングするパフォーマンス画法。

本日使う絵の具。

大勢の子どもたちが使うのでアクリル絵の具や油絵の具はもったいないということで、粉末の絵の具を大量に溶きました。それをペットボトルにいれキャップを締めます。キャップにドリルで穴をあけ絵の具を振りまき安いようにしています。
武道館の床前面に防水シートを張り、その上に模造紙大の紙を置きます。それに水で溶いた絵の具をぶち撒き手足を使って思い思いのデザインを描いて行きます。

ザランスさんのお手本の作品です。

この作品を描くときはただ静かに描くのでなく、ボリュームを上げた音楽を聴きながら軽快に体を動かすことです。子どもたちにも大いに受けて武道館が熱気に包まれました。

屋上ギャラリーから見た全体の様子です。

彼はこれまでに30か国で50回ほどアクション・ペインティングを行っています。1953年ごろから始まった美術運動だそうです。今回の神山での作品もこの技法を使った作品が展示されます。


10月6日、ブラジルの作家、ホリ・ユキエさんが神領小学校の5・6年生を対象に課外授業を展開しました。授業の導入は映像で彼女の住むサンパウロの町並みの紹介。続いて過去の作品を視聴しました。彼女の専門は、ビジュアルアートです。ビデオやカメラで撮った作品をコンピューター処理して、あれーと思うような不思議な映像空間を生み出します。

彼女の作品の一例です。

テラスから見える海の風景。左右の風景どこか違いますよね。そうです、海の水平線、右の映像は窓枠に沿って曲がっています。普通は左のように一直線にならなければいけないのに。このように視覚的な違和感と言うか矛盾を追求する作品に挑んでいます。

授業のテーマは、「窓から見た部屋の中」です。

彼女が準備した部屋の図面に子どもたちが壁・畳・障子などに色付けしていきます。そして、色付けが終わると、部屋の中にあるものをいろいろ考え、そのイラストを描き色をつけてハサミで切り取ります。それを部屋の中に貼り付けていきます。猫・サッカーボール・人形・本棚・・・など子どもたちいろいろ工夫しました。

神領小の子どもたち絵がすごく上手です。

5人ほどの班に分かれて作業をしたのだけどどの班もすばらしい出来栄えでした。ホリ・ユキエさんの授業の事前準備も大変だったと思います。その苦労がすばらしい結果を生みました。子どもたちの作品は、24日の作品展覧会の日に、後藤伊都子先生宅の窓枠に貼り付けて展示します。ホリさんと子どもたちのコラボをぜひ観賞してください。

10月12日、神山中学校の1年生を対象にポー・ワングさんが課外授業を展開しました。これで課外授業は最終です。

生徒たち一人一人に丁寧な指導をしました。

本日の授業の主題は、「自分の将来の仕事」です。中学生ともなれば将来就きたい仕事の夢を持っています。
ポー・ワングさんはいま寄井座をアトリエにして大きな作品を制作しています。みなさんもご承知の通りあの場所の天井には、たくさんの看板がはめ込まれています。

そこで、自分が将来なりたい職業の看板を創くろうというのが、本日の授業の主題です。子どもたちはいろんな職業を考えていました。学校の先生・自衛隊員・ゲームクリエーター・すし屋・吉本のお笑い芸人・・・・。
四角いベニヤ板のボードが配られ思い思いに看板を作りました。

できた看板をかざして班ごとに発表です。

 いいデザインですね。犬猫病院・音楽の先生・野球選手・プロ野球の審判員など、将来の夢が実に鮮やかに表現できています。牡丹さんは子どもたちの作品一つ一つに好意的な論評を下し作品を褒め称えました。これらの作品群は大きな木枠に取り付けられ、作品展覧会に展示されます。

最後はみなさんで記念写真。

例年展開されている課外授業。作家たちにとって心の負担になっている人もいるようです。ある作家の話だと課外授業が近づいてくるとナーバスになって口数が少なくなった作家もいるとのこと。
でも実際に展開すると、どの作家も事前準備も周到ですばらしい授業でした。 案ずるより産むが・・何とかだ。

さて、作家たちの制作活動もいよいよ終盤を迎えた。作品展覧会は、10月24日(日)~11月3日(水・祝)まで。特に初日の10月24日は恒例のアートツアーがあります。道の駅を10時に出発して、各作家の作品展示場めぐりをします。ぜひお出でください。

中原 亨

神山アーティスト・イン・レジデンスの自称学芸員。これまで招聘した作家たちの作品の解説はお任せください。年間を通じて数多くの訪問者を案内しています。 神山を元気にするため老体を鞭打ちと東奔西走しています。NPOグリーンバレーの理事。

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コメント一覧

  • どの課外授業も、キラキラした子どもたちの笑顔が印象的です。

    2010年10月13日 9:42 PM | 大南 信也

  • 子供達・・・みんな 良い作品を創っています!

    2010年10月13日 11:35 PM | ニコライ

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