暖かい住まいづくりのコツ!!
住まい2017年1月4日
こんにちは、神山つなぐ公社の高田です。
今年もどうぞよろしくお願いいたします!
さて年が明けてしまいましたが… 昨年12月16日に開催した
第3回 鮎喰川すまい塾の報告レポートをお届けします。
昼の部も夜の部も、たくさんの人が町内外から参加してくれました
テーマは、「すまいの冬じたく、夏じたく」について。
大埜地(おのじ)の集合住宅の設計に携わる、
建築家の山田貴宏さんから、お話を伺いました。
聞き手は今回も、公社理事の西村さん。
左が講師の山田さん、右は聞き手の西村さん
photo by Ayako Tomokawa
山田さんいわく、居心地のよい住まいを考えるときには、
「温熱環境を整える」ことがとても大切だ、とのこと。
温熱環境というと、「温度」や「湿度」ですが、他にも
「気流」や「放射熱」も大きな要因だそう。
私にとってとくに印象的だったのが「放射熱」についての話です。
放射熱とは、遠赤外線などの熱線によって直接伝わる熱のこと。
人はもちろん、床・壁・天井・家具なども全てが
熱を蓄えることができるし、熱を発することができます。
話ながら、山田さんが取り出した小道具は、普通のスマホ。
ですが、その下に何か特別な装置をつけているようです。
放射熱の状況を赤外線サーモグラフィーで表すことができる
このカメラで会場を撮ってみると…
一番熱が逃げている(=寒い)のが窓!!
壁も濃い青色、畳も青色。カーテンがあると黄色く、
人や暖房の吹き出し口は赤くなっているのが分かります。
放射熱は、芯まで体が温まるように感じられるため、
暖かさを確保するためには、この放射熱がかなり重要。
逆に言えば、せっかく暖房で部屋の空気を暖めても、
壁や窓、床が冷たいままだったら、体感温度は低いまま。
平均的な日本人の暮らしでは、暖房・給湯に使う
エネルギーの割合がとても大きいので、
「どう暖かさを確保するか?」が家づくりの要になります。
現在、設計を進めている大埜地の集合住宅でも、
壁の断熱などはもちろんのこと、南向きのダイニングを
土間にして、太陽光を取り入れて蓄熱したり、
びおソーラーという仕組みを使って、屋根裏で温めた空気を
床下に送り込んで、床を暖めるなどの工夫を検討しているそう。
ちなみに、伝統的な古民家は「夏じたく」を重視した造り。
深い軒で日射を遮ったり、広い開口部で風通しをよくしたり。
つまり「夏は涼しい」けれど、「冬は寒い」造り。
「だからウチはあんなに寒いのか…」とか
「集合住宅、暖かそうでいいなー」と
自分の家やまわりの環境を思い浮かべながら
話を聞いていた人も多かったようです。
鮎喰川すまい塾では、一方的に話を聞くだけではなく、
話を聞きながら感じたことを、参加者同士で話してみて、
多様な視点を交換する時間も大切にしています。
参加者同士の会話にちょっと混ぜてもらって聞いていたら、
すでに神山に移住してきていたり、お嫁に来たお母さんたちの
「今、住んでいる民家の寒さをなんとかしたくて参加した!」
「リフォーム前に聞けていたら、もっと住みよい家になったのに…」という声も。
珈琲を飲みながら話すお母さんたちと、それを眺める赤ちゃん
photo by Ayako Tomokawa
今回は、新築する集合住宅での温熱環境の工夫がメインテーマでしたが、古民家改修を考えるときに役立つ温熱環境の工夫をテーマにした「鮎喰川すまい塾」をいつか開催してみたら、けっこう需要があるのかも?
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次回の鮎喰川すまい塾は、2月24日(
再び山田さんをゲストにお迎えしてお話を伺います。
テーマは「森から生まれる家」を予定。翌2月25日(
神山の森から木が生まれる現場を見に行くツアーも企画中です。
また詳細が決まり次第、イン神山でご案内するので、お楽しみに!
高田 友美
静岡県浜松市出身。神戸→東京→スウェーデン→滋賀を経て、神山に移り住みました。神山つなぐ公社では「コミュニティ・アニメーター」として、主に大埜地の集合住宅とすみはじめ住宅から始まるコミュニティ育成を担当。休みの日はノラ上手に励んでいます。
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