「いただきます!」で農業を応援できる、食堂とパン屋さんがオープン
農と食文化2017年3月2日
明日、フードハブ・プロジェクトの食堂「かま屋」とパン&食料雑貨店「かまパン&ストア」がオープンします。
実は年明けから、町内向けには既にこっそりオープンしていたのですが、駐車場を含む外構工事を終えて、町外から車で来てくださる方を受け入れる準備が整ったことで、3月3日ひな祭りの日に晴れて、グランドオープンを迎えます。
噂を聞きつけて、町外向けオープンを待っていてくださった皆様、お待たせしました! きっと神山町に暮らす方々のFacebookに投稿される、美味しそ〜な料理の写真から目が離せなかったことでしょう(笑)
オープンを前に、昨日、3月1日(水)に行われた式典の様子を、植田さんが撮影してくれています。
よく晴れた式典の日。
式典の司会は支配人の真鍋さんが担当。関係者の皆様を前に、ちょっと緊張した面持ち。
後藤町長の挨拶。フードハブ・プロジェクトは神山町の地方創生の7つの施策領域のうちのひとつ「循環の仕組みづくり」を担うプロジェクトなのです。
株式会社フードハブ・プロジェクト社長の林さんもひとこと。林さんは株式会社モノサスの社長でもあります。フードハブは株式会社モノサスと神山町、神山つなぐ公社が共同出資して設立しました。(モノサスさんの社名を訂正しました! ひらがな表記「ものさす」はサイトのロゴでした。毎日更新してます→ものさす)
神山町で長年農業を営んでおり、現在はフードハブの農業長もしている白桃茂さんの挨拶には、このプロジェクトの立ち上げ期に全力で頑張ってきたスタッフ&関係者が、ほろりと涙してしまいそうな暖かい言葉がたくさんつまっていました。
テープカットならぬ、稲わらカットで記念撮影。ハサミではなくって、新調したカマでカットしようとしているところです!
式典の後には、少し早いお昼ご飯。野菜たっぷりのおかずとピカピカの白米がもられたお茶碗を手に、笑顔がこぼれます。
お味はいかがですか? フードハブの立ち上げのために走り回っている、つなぐ公社の白桃薫さんも、挨拶にまわっていました。
この日のメインはすだち鶏の油淋鶏! もちろん美味しかったです!
春の日差しが降り注ぐ店内で、思い思いにくつろいで食事していただきました。
こちらはスタッフの山上さんと談笑中の大谷焼きの窯元、森陶器のお母さん。かまパン&ストアでは、かま屋のために森陶器の5代目が制作してくれた特製の平皿(釉薬を変えて4色展開)を購入できます。
「遠近(をちこち)」の東尾さんが手にしているのが、その平皿。白い平皿の釉薬は神山で育てたお米の稲わらの灰を混ぜてつくったオリジナル。森陶器さんとフードハブをつないでくださったのが、東尾さんなのです。
パンの試食も大好評。特にあんぱんに人気が集まっていました。食パンもバケットも、もちもちして、本当に美味しい。
素敵な食堂ができた! パン屋さんができた! と、店舗に注目が集まるフードハブ・プロジェクトの取り組みですが、彼らのミッションは農業者を育成して神山の農業を次世代へつなぐこと。
農業者が高齢化して人手も足りず、手間のかかる段々畑で農業を営む人が少なくなって、田畑が草ぼうぼうに。おかげで猿や鹿などがやってきて、獣害被害も深刻化してしまう。いま、日本のどの中山間地でも抱えているこうした状況を、「少量生産」と「少量消費」をつなぎ、地産地食という考え方で取り組んでいこうというプロジェクトなのです。
簡単に説明すると、かま屋で地元野菜たっぷりのご飯を食べると、その売り上げがめぐりめぐって、中山間地で農業に取り組む人を育て、草ぼうぼうだった田畑での農の営みの復活につながります。それはまた、見渡す限りの美しい石積みと棚田が広がる神山の風景を、次世代につなぐことにも貢献するのです。
もちろん、食堂やパン屋さんでの消費だけで、神山の農業のすべての課題が解決できるわけではありません。まだまだ挑戦ははじまったばかり。かま屋の美味しい食事やかまパン&ストアを通じて、いろんな人が中山間地の農業の課題に気づいてくれたり、アクションを起こしたり、協力し合えたりするきっかけになれたら、地域に何かもっと大きな動きが生まれてくるのかも。
壁に展示されていた神山の小学校や高校との連携も、フードハブの大切な取り組みのひとつ。一緒に作物を育てることで、一粒のお米まで大事にする気持ちを、次の世代につなぎます。
さて、いまフードハブの畑で育っている野菜たちの収穫がいまから楽しみです。
こちらは今夏には、かまパンのパンに使用されることになる、小麦ちゃん。白桃家で70年以上受け継がれてきた在来品種の小麦なのだそうです。早く大きくなぁれ♪
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コメント一覧
会社の倉庫を改造してパン工房を作っています。 古代小麦を取りよせて、パンを焼くと最高です! ぜひ!神山の小麦も売っていただけようになるなら分けてください。 よろしくお願いいします。
2017年3月5日 05:15 | 近野浩士