川が豊かであること

なんでも2017年9月17日

杼谷 学

投稿者:杼谷 学

モクズガニ食べたことがありますか?
神山では秋のご馳走として一般的に食べられる食材です。モクズガニは上海ガニの同属異種らしく、その風味とコクがたまらなく美味しい。その上に今が旬のスダチをしぼると、これまた絶妙にうまい!

神山の人はこいつを「ひげガニ」と呼んだりします。ツメにひげがたくさん生えているからでしょうか?
ひげガニは全国各地に広く分布するようですが、鮎喰川やその支流にも生息していて、お盆過ぎから晩秋にかけて川を下ります。川を下って海で繁殖し、その子孫が再び川へ戻って2〜3年かけて成長するようです。

捕獲方法は二通りあって、一つはカゴに餌を入れて一晩つけておく方法(これは簡単)。もう一つは「もじ」といって、川の一部を漏斗(ろうと)のように堰き止めてカゴ(下の写真)を設置する昔からある方法。カニが川を下る習性を利用している。どちらもよく捕れます。

調理方法も説明しておくと、これは至ってシンプル。鍋に水を3cmほど入れ、塩をひとつまみ入れます。そこにカニを投入し、蓋をして20〜30分ほど茹でるだけ。少し暴れるので蓋を押さえておかないと大変なことに。
甲羅の部分が特に濃厚で油分も多い。下の写真はメスの甲羅で赤いのが卵。この卵が特に美味しいのですが、ありがたくいただかないと罰があたる。

神山から海までは30km近くあるのに、カニさんは旅をするんですよね。子孫を残すための手段なんでしょうが、きっと進化の過程の中で何千年も掛けて、この知恵を身につけたんだろうと想像します。そう言えば鮎も同じような行動をとります。

川に帰ってくるためには、水量が豊かで、化学的な汚れがなく、エサとなる多くの生物が生息していなければいけません。苔だって大切。
僕は小さな頃から川で泳ぎ、魚を捕り、もちろんカニも捕り、ウナギも捕り・・・。自然と隣り合わせの暮らしの中で「人の暮らしやすさは自然環境に大きく依存する」ことを学んできたように思います。
最近では、シカやサルが山里まで降りてきて、農作物を荒らし、暮らしにくさが際だっていますが、山にある食料を植林によって奪ったのは人間で、猟銃で追い払うのではなく、自然環境を元の状態に戻すことが必要です。

タイトルに書きましたが、「川が豊かであること」は、私たちの暮らしやすさにつながります。あらゆる命が持続的に受け継がれていく生活や活動を心がけたいですね。

杼谷 学

杼谷 学

神山町の地方創生プロジェクトを推進する組織として、2016年4月に設立した一般社団法人神山つなぐ公社で仕事をしています。 子どもたちのためにあきらめずに、やっていきたい。

杼谷 学の他の記事をみる

コメント一覧

  • 確かに! 鮎喰川の水量は、僕らが子供の頃に比べると、「格段」に減りました。 「杉」・「桧」は、思った以上に水をよく吸い上げます。

    2017年9月18日 06:27 | ニコライ

コメントする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * 欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください