手でつくる教室22 「魚をさばこう第3回 -イカ編-」を開催しました

なんでも2019年3月7日

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投稿者:西海 千尋

みなさん、こんにちは。手でつくる教室 スタッフの西海千尋です。

神山町のつくり手を先生に、ものづくりを習う「手でつくる教室」では、
神山町の料理人、松村慶佑さんに習う魚のさばき方教室を開催しています。

 

第3回目の「魚をさばこう」は、2019年2月26日に開催されました。
(参考URL:イベント告知ページ https://www.in-kamiyama.jp/events/36625/
旬のお魚のさばき方を学び、お料理をつくるこの教室。
今回さばくのはこちらの「イカ」、
朝、市場で松村さんが仕入れてきたばかりのものです。

 

さばいた後にどんなお料理を作るかは、いつも当日のお楽しみ。
さて、どんなお料理に変身したのでしょうか。

レポートしたいと思います!

 

 


まずは、松村さんの技を見ます。

 


耳・胴体・ハラワタ・頭・脚・・・部位ごとに切り分けて、胴体の部分を短冊状に。
解説をしながらも確かな手さばきで、するするとイカをさばいていく松村さん。


参加者のみなさんは、メモを取ったり間近に見たり。

短冊状になった胴体の表裏にある薄い膜をはがし(後述)、
その両面へ、細かく細かく包丁を入れます。
身が千切れないように集中しながらも包丁の動きはとっても軽やか。

あまりの手業に、オーディエンスからはため息が漏れます。
少しだけご覧に入れましょう。

こうして仕上がったのが、こちら「イカのお刺身」です。


(ピントが合ってなくてごめんなさい!)

柵にした状態から、そのままシンプルに切り分けた「表面のつるりとしたもの」と、
先ほどの技で「表面にギザギザの切れ目を入れたもの」(上の写真)。
松村さんが調理したばかりの、2種類のイカの刺身を試食します。

「な、なるほど!」(一同)

そのままのお刺身も十分美味しいのですが、切れ目の入ったイカは想像以上。
舌に乗せた途端にふわりととろけて、噛むまでもなく口の中に広がる甘み。

素材の性質を考慮して、適した加工が施されているそうです。


このように、「イカの身の繊維構造について」「調理法の違いによる味や食感の違い」など
どう料理すると美味しくなるのかを体感しながら理論を学んだら、お待ちかねの実践です。

イカを部位ごとに切り分け、短冊にするまでの工程を、
自分の手と持参の包丁で追っていきます。

 

今回の参加者は、過去の2回イワシ編・サバ編ともにご参加いただいているおふたり。
序盤の工程はお手の物で、あっという間に短冊状になりました。

 

すみません、実は私
「イカの調理=内臓と骨を抜いてぶつ切りにしたらいいんじゃないか」
なんて思っておりました。

私の考えていた「イカの調理」は、今日のステップにしてほんの前半戦。
そのあとに長く繊細な仕事が待っていたのです。

白い短冊になったイカの身の、表裏についている薄ーい膜を
身が千切れないように注意しながら、はいでいきます。

 

はいで、

 

はいで、

 

丁寧に丁寧に練習します。

 

松村さんに、コツを尋ねながら。

時には、こんなに近づいて観察をしてみたり。道具を駆使したり。

 

左:はじめのころ と比べると 右:どんどん上手になっていきます。

最終的には、一人5杯のイカをさばき、たくさんのお刺身が完成しました。

 

ふぅ!お疲れ様でした!

 

松村さん曰く「お刺身をつくるのは上級者の技」とのこと。

丸ままの魚をさばく方法を練習するこの教室では、
慌てず、丁寧に、自分の手でさばいてみることを大切にしています。
必然的に、お魚に触れる時間が長くなるため、
鮮度が命のお刺身は、取り扱いが難しいのです。

そのような理由からなかなか教室での取り扱いは難しく、
満を辞しての「お刺身」づくりでした。

 

さらに、イカの身は
・とても切れやすく、すぐにボロボロになってしまう
・皮の下にある薄い膜が綺麗に剥がれず、身がくっついてしまう
といった、魚とは違った難しさがある   とのこと。
私は、あんなに薄い膜を一枚一枚はがしているなんて、全く知りませんでした。

そんな細かな手を加えられているからこそ、
お料理屋さんでいただくお刺身は、柔らかくとろけて舌触りもよく、
旨味に溢れているのですね。

美味しい素材を美味しく食べる。美味しく食べたい人に届ける。
そのために何ができるか。

これは松村さんの修行時代に習った考え方だそうです。
そんな職人としての眼差しを伺わせながら、時折お茶目な松村さん。


お店でお会いする時とはまた違ったお話を伺えるのも、
この教室の醍醐味だと思っています。

今回は、参加者が少人数ということもあり、
おしゃべりや笑顔の多いゆったりとした教室でした。

「次回は何をさばきましょうか。」
そんなお話をしながら、教室は終了しました。

ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。

 

 

 

 

●次回の教室は、
https://www.in-kamiyama.jp/events/36766/

●「手でつくる教室」のイベント告知やレポートはコチラからどうぞ

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西海 千尋

こんにちは。西海千尋と申します。町の中では「ちーちゃん」「西海ちゃん」と呼ばれています。 神山塾9期生として神山に来ました。今は町のあちらこちらで、お仕事をいただいたり、いろんなことを教えていただいたり。 緑の山々、職人技あふれる木のお家、たくさんのつくり手に囲まれて、「神山町」を大きな会社に、日々を楽しんでいます。

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