神山町役場インターン インタヴュー記事第3弾

なんでも2021年1月20日

山田隆晟

投稿者:山田隆晟

こんにちは!

第3弾は、移住交流支援センターで働かれている伊藤友宏さんへのインタヴュー記事です。神山塾時代の経験や移住交流支援センターでの業務、それらの中での人々との関わりなどについてお聞きしました。
 

伊藤さんのプロフィール
奈良県出身、大阪の大学に在籍中に1年間フィンランドへ留学。
大学卒業後、神山塾(5期生)へ。
現在はNPO法人グリーンバレーが運営する移住交流支援センターに勤務。


〇どのような経緯で神山に来られたのですか?

大学3年生の時にフィンランドへ留学した後、ほぼ就活はせず、就職先も決めていませんでした。それで就職の情報を探し始めたときに、友達から「日本仕事百貨」というサイトを教えてもらって、1週間くらいで「神山塾*」という職業訓練が「6月から始まります」っていうのを発見して、田舎でアーティスト・イン・レジデンス*をしたり、サテライトオフィスを誘致したりといったまちづくりをしているというので興味を持ちました。

何もやることが決まってなかったし、フィンランドに行ってから、都会だけが発展しているわけじゃないというのを感じたので、「日本の小さいけど面白いことをしようとしている町ってどんなところなんだろう?」という思いのもと飛び込んでみました。

森の中の散歩道

フィンランドの留学で行った都市は、アートが街中にあふれかえっていて、大学のプログラムにもアートと絡んだものがあり、身近にアートがあるのは豊かなことだと感じたので、神山の田舎だけどアートに関することに取り組んでいるというところが引っかかったのかもしれません。

フィンランドで受講したアート関連の課外授業

*神山塾…株式会社リレイションが運営する、全国から若者が集まり、地域の人々と交流しながら、生き方、働き方を考える地域滞在型職業訓練。

*アート・イン・レジデンス…1999年からスタートした国際アートプロジェクトで、毎年8月末から約2か月の間、日本国内や海外からアーティストを招聘し、それぞれが作品を制作し、10月下旬に展覧会を開く。

 

〇「神山塾」ではどんなことをされましたか?

「神山塾」は、厚生労働省の制度を利用した職業訓練で、イベントコーディネーターやプランナーの養成を目的としていたので、ビジネスマナーに関することなどを座学で学んだりするんですが、6か月で最低1回はイベントをやるというのが決まっており、やらなきゃいけない授業が終わったら、ひたすらイベントを企画していました。

なので、「神山塾」という場所で何かを学ぶというよりは、町内のイベントを手伝ったり、すだちの収穫のバイトをしてみたりといったなかで、起業のことや田舎暮らしの知恵を教えてもらえる時間が刺激的でした。

スキーランドホテルでグミの収穫体験

また、暮らしの中で、お隣さんが野菜をおすそ分けしてくれたり、家の周りに生えている草を気を利かせて刈ってくれたりしてくれて、それを見て申し訳ないから、素人なりに自分たちでやってみると、お隣さんが「よう頑張ってるな」とか「やってくれたら助かるわ」みたいなことを言ってくれたりもしました。

それに加え、ちょっと重いものを運ぶとか、枝を選定するとか、当たり前のことをやっているだけでも、若いというだけで感謝されました。そういうのが、地域社会なのかと肌で感じましたし、住んでいるだけでやれることがあるというのを、ちゃんと就職する前に知れました。

神山塾5期生の記事一覧

 

〇移住交流支援センターで働かれるようになったきっかけは何ですか?また、移住交流支援センターでは、どのような仕事をされていますか?

「神山塾」を卒塾してすぐには、神山での仕事が見つからなかったので、徳島市内に通勤していたのですが、1年くらい経った時に、「グリーンバレーが4月から移住担当の人を探しているから働かない?」と言われて、移住交流支援センターで働くようになりました。

はじめは手探りで、移住の相談を聞く中で、最終的には家の契約の話にもなり、大学では法学部だったのですが、実務は全く分かりませんでした。不動産屋さんがやっているのを見て、不動産の契約の知識は身につけておいた方がいいなと思ったので、資格は取りました。

業務的には、相談受付が主なので、移住したい人には窓口として、神山の暮らしの状況や住居の情報を伝えて、それでも移住したい人がいれば、家を紹介しながらサポートしています。

また、家主さん側からは、空き家を持っていて困っているという問い合わせが来るので、賃貸とか売買を解決策の1つとして提案しています。年間80件ほどの問い合わせが来るので、バタバタと過ぎていきます。

空き家の清掃も移住交流支援センターの重要な仕事

そんな中で、神山に合う人合わない人がいるので、ちゃんと理解して来てくれるように、「神山も田舎で不便な部分もありますよ」っていうのを伝えたりして、ミスマッチが起きないように調整しています。

それで調整できた人が、移住して来てくれて、人によってはお店を開いてくれるというのを毎年積み重ねており、これに関しては、グリーンバレーの理事の人たちがやってきたことを引き継いでいるというイメージです。

 

〇「石積み学校」というものをやられていますが、どのような取り組みですか?

「石積み学校」は、僕が始めたわけではなく、そういう取り組みをしている人が県内にいまして、台風で神山にある石積みが崩れたのをきっかけに、石積み学校をやっていた人から積み方の冊子を送ってもらい、修繕したのが始まりです。

神山にはもともとたくさんの石積みがあるのですが、高齢化で直す人がいなくなり、ほったらかしになっていたので、それを直せたらなと思っていたので、仕事の時間外にやっていたりします。

上分江田地区で開催した石積み学校

お米作りとなると、神山のおじいちゃんの方がまだまだ経験があり、教わることが多いのですが、高齢化でやらなくなった石積みの修繕を若い僕たちがやり始めたら感謝もしてもらえて、地元の人たちが諦めていた部分に取り組めたというのは、とても意義があったと思います。

そして、続けていくなかで、職人さんを育てるというわけではなく、若い人が協力し合ったら、石積みを直せるという環境ができたらなと思います。

イタリアの石積みイベントにも参加

 

〇これから、伊藤さんは神山においてどんな存在でいたいですか?どんなことをしていきたいですか?

神山のサテライトオフィス経営者や、フリーランスで活躍する人たちの話を聞いているうちに、自分もチャンスがあったら独立したいと思うようになりました。ただ、田舎では不動産業はなかなか難しそうだなと思うので、もう1つ次のステップとして、相続や売買の時に名義の変更ができる司法書士の資格を取って、個人事務所としてチャレンジしてみたいですね。

そういうことを今神山でやっている人はいないので、今とは違ったポジションで空き家や移住のことに関わっていけたらと思います。

 

〇神山に興味がある人、移り住みたい人はたくさんいると思いますが、そのような人たちに向けて伝えたいことはありますか?

神山以外の地域でも移住の取り組みはやっているので、神山に限らず自分の条件に合うところを見つけてほしいですね。

「神山は移住者を選んでいる」という風にメディアの人がよく書くのですが、そういうのはアイデアとしてはあるのですが、厳密にそうしているわけではないので、とりあえず条件に合う人は来てみてください。

それで、来てもらって、神山の現状を見てもらって、しっかり検討してください。無理に合わせる必要もないと思いますし、来てみないと合わないとかもあるので、ちょっと来てみて、ゆっくりお話ししましょうという気持ちで、仕事をしています。

 


〈伊藤さんへのインタヴューを行って感じたこと〉

伊藤さんにとって、神山塾時代に地域の人とたくさん関われたことがそれ以降の暮らし方に関する考えに大きな影響を与えたのだと思いました。いろんな人と関わることで見聞も広がりますし、暮らしも豊かになるのではないでしょうか。

また、直接神山に移り住みたい人たちと接しておられるので、神山のよいところもあまりよくないところもしっかり把握しておられるのだなと思いました。そのような人が、今後、現在の神山に不足しているポジションで関わっていけると、神山はさらに進化していくのではないかと思いました。

山田隆晟

山田隆晟

神山町役場インターン生 福岡県出身、成城大学・文芸学部在籍

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