【あゆハウス通信vol.17】将来思い出して、戻ってみたいと思えるような高校生活を送りたい

学び2021年10月7日

投稿者:あゆハウス

こんにちは!ハウスマスターの荒木です。

あゆハウス通信のインタビュー連載。前回から少し間が空きましたが、第5弾です。

今年度は、8名もの1年生を迎えました。そのうち県外生は5名。3学年が揃い、あゆハウスも家族くらいの単位から、少しずつ集団としてやっていくタイミングになったように感じます。ただ、3年目になってもやることは同じ。今ここに集まったメンバーと、暮らしをつくるということを大切に、日常に向き合っていきます。

さて、今回は神山校1年生の片桐理乃さんにインタビューをしました。今年の4月に愛知から地域留学生としてやってきた彼女。最初出会ったときは、にこにこしていて、おとなしいタイプなのかな?と思っていましたが、一緒に過ごす中で、彼女の印象がだいぶ変わってきました。周りを見ながらさっとフォローができる優しさと、コツコツと努力を積み重ねることができることから、周りの寮生やスタッフに頼られる存在になってきています。

3年目のあゆハウス。等身大の高校生の声をぜひお聞きください。

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荒木 あゆハウスに入って半年経ったけど、今の暮らしについてどう感じている?

片桐 楽しいの一言。自分が思っていたよりも何倍も楽しいです。
あゆハウスに来る前から楽しそうだなとは思っていたけど、寮では自分のできないことがあったら、自分ひとりで全部抱え込まないといけないと思っていたんです。実際には全然そんなことなくて、みんなで助け合うことができています。もちろん自分ひとりの問題もあるけど、女子のことだったら女子のみんなで協力したり、寮のことだったら寮のみんなで対応したり。大変なことでも、みんなでやれば楽しいなと思いました。

荒木 大変だけど、楽しいというのが上回るんだね。そもそも地域留学をしようと思った理由を教えてくれる?

片桐 中学を卒業したら、当たり前のように高校に行くという今の社会。高校に行っていないと「行っていないんだ」という目で見られるから、ひとまず行こうと思いました。そして、どうせ高校に行くんだったら、みんなと違うことをしてみたいなと思って。そのまま家で高校3年間過ごしてもいいけど、特に何も自分の中で変わる気がしなくて。地元にいたら家族のみんなに甘えて、そのまま3年間、自分が知っているまちで過ごすというのがなんか嫌だなと思ったんです。そんなときに「地域みらい留学」を知りました。「自分を変えたい」と思ったのが一番大きいです。

荒木 どうせ高校に行くんだったら違うことをしたいとか、自分を変えたいと思ったきっかけが何かあるのかな?

片桐 最初のきっかけは、たまたまお父さんが「地域みらい留学」の新聞記事を見つけたことです。でも、当時中学1年生の私はその記事を見て、正直不安しかありませんでした。

荒木 何故、お父さんはりのちゃんに地域みらい留学を勧めたと思う?

片桐 お父さんは「何でもチャレンジしていいよ」と普段から言ってくれていました。高校に行きたくないなら行かなくても良いし、りのが高校へ行くならと選択肢をたくさん出してくれていました。その中でも地域留学は、親元を離れてでもいろんな経験を積むことができるから、りのにとって本当にためになると思って、応援してくれました。その後、長い時間をかけて「地域留学をして、こんな自分になりたい」ということが想像できたので、そのときお父さんに勧めてもらって、本当に良かったなと思いました。


(神山校入学式のあとに撮った家族写真)

荒木 「地域留学をして、こんな自分になりたい」ということについて、具体的に教えてもらってもいい?

片桐 明確なものはないけど····後悔はしない3年間、というか。
ひとくくりで言えば、高校3年間の中にいろんな青春が詰まっていると思うけど、寮の青春も、築いてきた人間関係も、自分が成長できた部分のところも、全部ひっくるめて本当にしてよかったなと将来思い出して、戻ることは無理だけど、戻ってみたいと思えるような自分になりたいなと思います。

荒木 卒業しても戻りたいと思うくらい、いいものであってほしいと思うんだね。地域留学をする上で、色々な選択肢を見ていたと思うんだけれども、その中でも神山町を選んだ理由は?

片桐 地域留学って、やっぱり寮に住むことが一番大きいと思っていて。あゆハウス通信とか読んで、あゆハウスに3年間住むということは、強い気持ちがないと無理だなと思ったんですが、それでも自分が過ごしてみたいと思ったのは神山でした。実際に地域留学体験2daysに参加して、神山の雰囲気もまちの人も優しくて。神山校も、先生同士の距離も近いし、先生と生徒の距離が近くて良いなと思いました。

荒木 実際に神山校に通ってみて、感じることは?

片桐 実際に通ってみて、学校の取り組みも知っているようで知らなかったことに気が付きました。農業高校·コース選択·神山創造学など大きなことは理解していたけれども、入ってみると、ひとつひとつの授業に魅力があるなと思います。神山校の授業は、中学の時よりも授業中の言葉のキャッチボールが多くて、楽しいです。自分たちで進行したり、決め事をしたり、次何をするかを考えたり。先生たちに聞く前に自分で考えてから行動することができるようになったと思います。

荒木 りのちゃんの話を聞けば聞くほど、自分の思いを強く持っている子なんだと感じる。最初は、流されやすい一面があるのかなと正直思っていたけど(笑)自分のことどう思う?

片桐 まだ自分のことを自分が一番理解していないんじゃないかなと思います。他の人から「すごいね、ありがとう」と言われるのは嬉しいし、やってよかったと思うけど、それを自信に繋げられなくて。まだまだだなと思います。
人より欠けている部分がいっぱいある気がするんです。中学時代から割とひとりで何かすることの方が多くて、好きでした。自分で全部想像してできるので。逆に、他の人にあれしてこれしてと頼むのが苦手です。それを頼んだことや頼み方とか相手がどう思うんだろう?と考えちゃうから。
一人で何かした方が自分の思い通りにしやすいと思うんですけど、それだと寮生活をしている意味がなくなってしまうので。人にちゃんと物事を言ったり、上手く頼めるようになりたいと今思っています。一人でやっているだけだと自分の考えしかないけど、みんなでやったらいろんな考えを知れるし、もっといい考えが生まれる気がします。

荒木 寮生活でより一層人と関わるようになって、りのちゃんの考え方が変わってきたんだね。半年間あゆハウスに暮らしてみて、大変だと思うことは?

片桐 ひとりひとりの基準を知ること。その子にとってはこれが大変とか、できる·できないとか、そういうことを知ることが難しかったです。それぞれ育ってきた場所も経験したことも違うし、今もまだ完全には知れていないけれども。違う人が集まってあゆハウスができているから、その違いも大切だけど、それと同時に合わせていくことが必要なこともあると感じました。

荒木 りのちゃんは、あゆハウスのメンバーと自分が違うなと感じることはある?

片桐  特に1年生は、他の人と関わったり、話すのが好きだなという第一印象を持ちました。りのは話すのが苦手だし、そこまで人と関わることをやってこなかったので。どちらかというと同級生と関わるのが苦手というか。みんなはすぐに仲良くなって、すごいなと思いました。


(1年生で寮の恒例イベント「神山ぐるっとツアー」をしたときの様子)

荒木 実際にあゆハウスのメンバーと関わってみて、自分は変わったと思う?

片桐 親や地元の子から「笑い方が変わった、本当に笑っている顔になった」と言われました。声で笑うよりも、表情で思いっきり笑えるようになったんじゃない?と。でも、自分では変わったなと実感することはあんまりないです(笑)

荒木 思いっきり笑えるようになったのはとても良いことだね。聞いていて、私も嬉しくなった!りのちゃんは、あゆハウスの食事づくりをとても楽しんでいるように見えるけど、実際にはどう感じている?

片桐 料理することが好きだから、その時間がすごく楽しいです。初めはまだできなかったけど、少しずつ慣れてきて、「これやって」とかだんだん頼めるようになってきました。自分が当番じゃないときも、食事作りを見ているだけで楽しいです。

荒木 料理はいつからやっていたの?

片桐 小学生の頃からちょくちょく手伝っていましたが、本格的に始めたのは中3の休校期間中です。せっかく時間があるから、将来のために有効に使いたい、なんか自分のためになることないかなと思いました。そこで、最初に思い浮かんだのは料理。自分の経験にもなるし、お母さんおばあちゃんの負担に減らせるし、料理が楽しみにもなりました。

荒木 毎日、Instagramにあゆハウスの料理の写真を挙げているよね。何のためにやっているの?

片桐 続けることってすごく大事なことだなと思って。あゆハウス3年間過ごすなら、思い出を形に残したいと思いました。みんなと食事しているときに、美味しいとかこれまた作ってという会話が飛び交うのが好きで、それを記録したいなと思いました。

荒木 続けることって、なかなかできないからすごいなと思う。りのちゃんにとって、あゆハウスはどんな場所?

片桐 一番安心できる場所で、離したくない存在です。あゆハウスにいれば、寮生がいて、ハウスマスターがいて。自分のことを知ってくれている·守ってくれている存在が身近にいるから、ひとりでも何かできるし、あゆハウスのために何かしたいと思えます。

荒木 それでは、卒業までに神山でやってみたいことはある?

片桐 あゆハウスのみんなで案を出して、1日お店を出してみたいです。せっかく普段から料理もしているし、それぞれ好きなものがあるから。まちの人や自分の親とかに実際に来てもらって見てほしいです。普段から電話で報告をしているけれど、こんだけ楽しんだよとか、いいところなんだよってところを見てほしいですね。
あと、学校行事に寮生企画の出し物をやってみたいです。あゆハウスのゲームをつくって、それを大人数でやったり。それに、神山の小麦やスダチを使った商品開発をしたいです。神山校で採れた食材と町で育った食材を混ぜてみても面白そうです。

荒木 以前、私に教えてもらったりのちゃんの「将来の夢」について。今考えていることを教えてもらえたら。

片桐 将来、自分の畑を持って、その畑で育ったものを料理をするお店を出したいです。
料理をすることが好きで、自分が作った料理を家族や寮のみんなに食べてもらって、「作ってくれてありがとう、これ美味しい」と言ってくれるのがとても嬉しくて。それをきっかけに、もっと料理を頑張ろうと思えます。そのうち、そう言ってもらえるんだったら、将来自分の店を出して、もっとみんなに喜んでもらえる料理を出したいと思うようになりました。
あと、有機栽培やSDGsにも興味があって。自分で畑を持つことは、間接的にSDGsにも繋がるのではと思いました。他から仕入れてきた食材を使ってもいいけど、自分の育てたものだと育てた苦労を知っているから、もっと美味しい料理を作りたいと思うんじゃないかと思います。

(かま屋の料理人もぐさんに料理を教わっている様子)

荒木 最後に、地域留学を考えている中学生にメッセージを。

片桐 自分はあゆハウスに住みたいと思った決め手は、直感でした。だから、ここがいいかもと思ったら、それで決めてもいいんじゃないかと思います。
自分はあゆハウスにして正解だったと思っているんですが、もし実際に過ごしてみて、違うなと思うことがあっても、自分の理想に近づけるように頑張ってみるのも自分の成長につながるし、何かしたらあるんじゃないかと思います。頑張った3年間もきっといい思い出になると思います。

荒木 りのちゃん、今回お話をしてくれてありがとう。最後のメッセージ、刺さりました。
余談ですが、私は高校受験に失敗して、第一希望とは別の高校に入学をしました。こんなはずじゃなかった、という気持ちが最初大きかったのですが、この環境の中でも自分の理想に近づけるように努力したことは、今の自分にとても影響しています。今、中学生活や高校生活で「違うな」と思うことがあっても、いい方向に変えていけるように何ができるのかなと考えてみることは決して無駄じゃないと思います。今回、大切な姿勢を教えてくれたりのちゃん、これからの高校生活がどうなっていくのか楽しみです!

あゆハウス

城西高校神山校の寮は、鮎喰川の「あゆ」をとって、「あゆハウス」と呼ばれています。 「あゆハウス通信」では、あゆハウスで暮らす高校生・ハウスマスターが日々の活動を定期的に発信しています。 「地域で学び、地域と育つ」をコンセプトに、神山でさまざまなことにチャレンジする私たちを温かく見守っていただけたら嬉しいです。

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