【あゆハウス通信 vol.18】自分から喋ろうと努力したら、少しずつ自分のいいところが分かってきた

学び2021年11月24日

投稿者:あゆハウス

こんにちは!ハウスマスターの荒木です。

あゆハウス通信のインタビュー連載、第6弾です。

今回は、あゆハウス1期生で神山校3年生の松尾光俊(まつおみつとし)くんです。みんなからは、「まっちゃん」や「まつお」と呼ばれています。

地域の方も、彼のことを知っている人は多いのではないでしょうか。独特の感性と喋り方で、大人にもこどもにも分け隔てなく振る舞う姿は印象的です。そんな彼も、神山校を卒業する日が近づいてきました。1年目、2年目は周りに迷惑をかけてばかりだったと語る彼は、後輩ができて少しずつ意識が変わってきているようです。

どうぞ、等身大の高校生の声をお聞きください。

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荒木:まず初めにみんなに聞いている質問から。神山校・あゆハウスに来た理由を教えて。

松尾:中3のとき「やばいなー、場所がないなー」と思っていて。学校見学をした中で一番ここがよくて、寮に入れたら親元を離れられると思ったことが理由かな。
結果的に、神山校とあゆハウスに入れてよかったと思っている。あのときは親との関係も気まずかったけど、今は普通の関係になれたし。
何よりも、学べることが多かったね。色々失敗はしてきたけど。人とのコミュニケーション力はだいぶ上がったと思う。

荒木:人とのコミュニケーションが上がったんだね。

松尾:そう。中学校の頃は、喋らない人・避ける人がいたんだけど、高校からはそれがないように頑張っている。学年とか関係なく対等に喋れるようになったらいいなと思って、今はある程度全員と話せるようになった。それは、人数が少ないからというよりも、自分が喋ろうとしたからだと思う。

荒木:どうして高校に入ってから喋ろうって思えたの?

松尾:中学校では、あれだったからね。色々あって不登校だったから。高校では変わろうかなと思って。寮に入ったからにはコミュニケーションしないといけないし、努力しようと思っていた。それに、コミュニケーションがしやすい環境だったのがよかった。

だから、これからあゆハウスに入りたいと思う人も、最初から喋れる必要はないけど、ここではある程度しゃべる努力はしないといけないと自分は思う。

荒木:確かにそうだね。あゆハウスでは、人に関心を持って関わることが大切だと思う。さて、ここ最近の神山校やあゆハウスでの生活はどう?

松尾:んー、特にないかな。寮も学校も楽しいし、これといって不満はない。今ちょうど受験とか終わって落ち着いていて、余裕ができた分、心が楽になったかな。
あ、でも、細かいことは後回しになってしまっているけど(笑)

荒木:相変わらずだね(笑)楽しいっていうのは、いつから?

松尾:最初から全部楽しい。イラつくこともあるけど、大体忘れていくし。基本周りはいいやつばかりだけど、正直シンプルに合わない・気に食わないやつもいる。気にしなければ大丈夫。

荒木:どんなときに合わない・気に食わないって思うの?

松尾:周りの人に迷惑かけるやつは一番気に食わないかな。これは自分がやってきたから、同族嫌悪感から来ているかも。ものに当たったり、うるさかったり、周りの人の気持ちを考えずに発言したり、人に駄目って言っているのに自分はやっていたり。それを気づいている・気づいていないにも関わらず、そういうことをする人が苦手。
まぁ・・・、自分の嫌いな人は、俺に似ている人だね。昔の俺が嫌いだから。今はいいとして。

荒木:昔は自分のこと嫌いだったけど、今は良くなってきたんだね。それはどうしてかな?

松尾:前より立場が良くなったからかな。あゆハウスに来たことで、親と喋ることができるようになったこととか、人と関われるようになったことが大きい。明確に自分のいいところを自分で挙げられるようになってきた。今は自分のことは嫌いじゃない。それはあゆハウスで自信がついたと思う。

荒木:あゆハウスで自信がついたんだね。

松尾:多人数と生活をする上で、気を配ったり、場を保つように対処したりとか。基本的に自分は放任主義だけど、言うときは言うってことができるようになった。昔は自虐的で、「私でも・・・」と言ってしまったり、変に卑下するようなところがあった。

荒木:確かに自虐的なところあったよね。3年生になってから、まっちゃんがあゆハウスのみんなのために言ってくれることが増えて、本当にありがたいなと感じているよ。

松尾:うん。直してくれたらいいなと思って、基本自分の意見は言うようにしている。諦めているときもあるけど。基本、自分はなるべく関係性を壊したくない、どっちかに偏りすぎないように「ニュートラル(中立)」でいたいというところがある。だから苦手でも、露骨に避けたり、無視したりはしないかな。

荒木:今の後輩と関わっていて、昔の自分を振り返るとどう思う?

松尾:せっかく神山に来たのに、ただ自分のしたいことをしている感じだったなと思う。したいことをしてもいいけど、他の人に迷惑かけていることを気づけていなくて。あとから、自分のことを心配している人がいるというのを知った。自分は1年の頃、色々やらかしたことで気づけた。それは良くないけど、気づけたことが本当に良かったと思う。あゆハウスでぶっ倒れたり、ハウスマスターや地域の人に言われたりとか、要所要所で大きなタイミングがあったけど、気がついたらふと変わっていた感じ。

荒木:ふと変わっていたんだね。それに気がついたのはいつ?

松尾:2年生の後半からかな。学校でもゲームの話をする仲の良いやつができて、普通に学校行くのが楽しくなった。あとは、持病が治ってきて、心が楽になったのもある。

荒木:あゆハウスでは、どんな変化があった?

松尾:ここでは、お互いの距離が近いからかもだけど、周りから近づきやすい存在になったんじゃないかな。人との打ち解け方が分かったね。あと、いろんな話題に広く浅くいっとく人だから、人に合わせられるようになったかな。聞き取る力が上がった。
それは他の人から、俺のいいところを何回か教えてもらったことで、客観的にこう思えるようになったと思う。

荒木:2年半あゆハウスで暮らしてみて、印象に残っていることは?

松尾:最初は、寮に来たってことかな。自分が寮に入ると思っていなかったから。入ること自体が一番印象に残っている。

それと、次に出てくることは、去年一年生が8人も入るって聞いてびっくりしたこと。「8人?!えーっ」てなった。俺は、基本的に保守派で環境を変えたくないと思うタイプだから、正直そのままで保っていきたいと思ってた。それでも、実際に入ってきてくれてよかったと思うこともあるよ。シンプルに面白くなったし、ここでしか学べないことを学んでいる子がいるのは嬉しい。

荒木:ここでしか学べないことって何?

松尾:ちゃんと明確にこういうことをしたいって思って、地域の人との関わり合いを持っている人とか。周りをまとめる役割(リーダー)をやったり、周りのことを考えてやれている人はすごいと思うよ。あと、山の環境を楽しんで、遊んでいる人もいい。

荒木:私達ハウスマスターは、まっちゃんにとってどんな存在だと思う?

松尾:とてもいてくれてよかった人たち。ハウスマスターがおらんかったら、自分は変わらなかったと思う。特殊な立ち位置でいてくれて、知り合いより深いし、家族に近い存在。ハウスマスターの込み入った事情とかは全然知らないけれど(笑)

荒木:それはとても嬉しいな。あゆハウスはどんな場所だと思う?

松尾:「きっかけ」「可能性」「期待」が詰まった場所。
ハウスマスターと関わることによって、地域の大人と関わるきっかけが作れたり、料理をすることによって、新しいやりたいことや可能性が見つかったり。俺は、やりたいことって期待から始まると思うんだよね。

荒木:卒業後の進路を教えて。

松尾:徳島の林業アカデミーに入る予定。林業アカデミーは、林業全般を扱っていて、就職後の選択肢が広いと感じた。先生と話をして、学校の実習の延長線で入りやすいから、自分がそこでやっているイメージがついた。林業アカデミーには知り合いがいるから、その人と一緒に学びながら、試験を落ちないように頑張りたい。

あとは、とりあえず遊びたい。学校ではあるけど、月々の給料ももらえるから。今までの延長線だけど、本やプラモを買ったり、ゲームをやったり。憧れている服装があるから、そういうのも試したい。だから、金が残らないというのはあると思う。行きあたりばったりの人間で、基本金を残せないタイプだね。

荒木:将来は、どんな風に生きていきたいと思っている?

松尾:今の生活の延長線上のようなことをしていきたいから、今のタイムスケジュールとあまり変えずに生きていきたい。あと、可もなく不可もなく、悪いこともせず、自分の楽しいと思うことをやりたい。学校でやっていることが楽しいと思っているから、将来は製材関係もしくは林業組合に行けたらいいなと思っている。

荒木:最後に、あゆハウスを検討してくれている中学生にメッセージを。3年間あゆハウスで暮らしてみて、あゆハウスで大切だと思うことは?

松尾:なんも喋らない、なにもしないはだめ。少しでも自分の意見を主張できないと。ちゃんと人と深くまで関われるか、ちゃんとその人のことを思いながら、関係を保てるかっていうのが大事だと思う。
あと、口で言えていても、自分でその行動ができてないとだめだね。自分の悪いところを悪いと認識することも大事だと俺は学んだ。

荒木:まっちゃん、今回はお話をしてくれてありがとう。
普段から自分をよく見せようとすることをせず、ありのままの自分を見せてくれることから、今回のインタビューでネガティブなこともさらっと話す姿は彼らしいなと感じました。
卒業まであと数ヶ月。寂しい気持ちもありますが、あゆハウス1
期生として誇りを持って、次のステップでも頑張ってほしいと思っています。

あゆハウス

城西高校神山校の寮は、鮎喰川の「あゆ」をとって、「あゆハウス」と呼ばれています。 「あゆハウス通信」では、あゆハウスで暮らす高校生・ハウスマスターが日々の活動を定期的に発信しています。 「地域で学び、地域と育つ」をコンセプトに、神山でさまざまなことにチャレンジする私たちを温かく見守っていただけたら嬉しいです。

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