水質浄化池から、川と暮らしのつながりを考えよう!(徳大地域交流シンポ報告レポート)

住まい2021年12月23日

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投稿者:高田 友美

12月19日(日)徳島大学の皆さんと「水質浄化池から、川と暮らしのつながりを考えよう!」と題した地域交流シンポジウムを開催させていただきました。

きっかけは、大埜地の集合住宅の敷地北端に整備した「水質浄化池」で草刈りなどの手入れの呼びかけを担当してきた私・高田が「ほんとうに水質浄化の効果は出てきているのかな?」「適切な維持管理って何だろう??」と悩む中で、どなたか専門的な知見からアドバイスをいただきたいと思って、徳島大学の方に相談したところから。

今回のシンポジウムは、これから一緒に調査研究および実験を重ねていただける先生方のご紹介もかねたキックオフの場として企画しました。

リアル(改善センター)+オンライン(zoom)での開催

ランドスケープデザインを担当された田瀬理夫さんからは、水質浄化池の設計意図について説明を。

集合住宅の基本計画段階から田瀬さんが気になっていたのは、車の利用中心の暮らしに変わる中で、神山町の人たちにとって長らく生命線であり中心軸だったはずの鮎喰川が暮らしの裏側になってしまっていること。それに伴い、川への視線も薄らいでいるように感じられたそう。

集合住宅を設計するにあたり、まちのいろんな人が立ち寄れる「鮎喰川コモン」というエリアを川側に整備したのに加えて、敷地の北端に「水質浄化池」を設けることで、川との接し方の多様性を生み出しつつ、排水の2段階浄化(合併浄化槽+水質浄化池)でよりきれいな水を鮎喰川へ放流する、その意識を醸成しよう、とのご提案でした。

また、集合住宅のランドスケープ全体の設計コンセプトとして大切にしてきた「流域の植物で緑を構成する」「自分たちで手入れ・管理できるようにする」という2点は水質浄化池にもあてはまります。町内のガマやヨシなどを移植した後、鳥や風で運ばれてきた種が自然と増えていく中で、それを入居者を中心としたまちの皆さんと一緒に手入れを重ねてきました。

そんな話を受けて私からは、水質浄化池の手入れの変遷を写真とともにご紹介しました。

2018年冬 ガマの植え付け

2019年7月 根付いたガマ

2020年1月 枯れたガマを刈って取出

2020年9月 軽トラ何杯分ものガマ

2021年6月 みんなで手入れ

2021年8月 浮き草とり

2021年12月 池の中と周りの草とり

設計チームの皆さんと簡易な水質調査(パックテスト)も重ねてきましたが、流入口と排出口で比較しても顕著な差は見られず…。草を刈り取り、池から取り出すというなかなか大変な作業をどのようなモチベーションで続けていったらよいんだろう、と徳島大学の皆さんに助けを求めたのが今年の9月でした。

続いて、徳島大学で「水質浄化」を中心に研究されている山中亮一先生から、尼崎運河の水質浄化施設の事例について、ご紹介いただきました。

水質浄化のために必要な手入れや調査ももちろん進めてこられていますが、最初から大事にしていたのは、「賑わい」を生み出し、いろいろな人に関わってもらうこと。その結果、この10年ほどの年月を通して、子どもたちと植物観察をしながら人工干潟を豊かに育てて行ったり、キャナルガイドを育てるための検定を行ったり、SUP好きな人たちがゴミ拾いをしてくれたり・・・下のイラストのようにいろんな活動が育まれてきたそう。

神山とは正反対の環境・工業地帯のど真ん中にある水質浄化施設ですが、①バクテリアや植物の力を活かして水を浄化すること、②そのために定期的に植物を刈り出して、堆肥化して活用することで資源を循環させていくこと、そして③施設自体がいろいろな生き物が生息する場として育っていくことを目指す、という大枠は同じ。

参加された皆さんも話を聞きながら、「水質浄化池」という枠にとらわれない、いろんな関わり方を想像して、一気にワクワクする気持ちが高まったのではないでしょうか。

「楽しみながら、まずはやってみる!」という話の流れで、最後に徳島大学の森田椋也先生からは、最近試している「池プカ」という楽しみ方(実験?)について、ご紹介いただきました。

「一旦慣れ親しんだファミリアなものを逆にストレンジなものに変えていけばいい」という一節を本から引用しつつ、まちづくりの文脈でも、今回の水質浄化池での取り組みでも、新しいことを起こそうとするときにはいっそストレンジなものを投げ込んでみるのがよいのでは?と「池プカ」という実験に至った経緯についてご説明いただきました。

「池プカ」というのは、「池にプカプカ浮かんでみる」を略したプロジェクト名。「池に住む生き物たちの視点で世界を見てみる」ということで、どんなことを感じるんだろう?普段と比べて、どんな心理状態になるんだろう?ということを試していけたら、と考えているそう。たとえば、池の上で短歌や俳句を詠んでみることで、いつもとは違う心理状態になっていい句がつくれたり、多世代交流につながるんじゃないか、という仮説も(笑)

森田先生は、毎回の活動の様子をGoPro(ビデオカメラ)で撮影して、Youtubeチャンネルで公開もしてくれています。

さてさて無事にシンポジウムは終了し、お昼休憩をはさんで、午後からは有志を募って、実際に「池プカ」を体験!

母子で、高校生と大学生のトリオで、父子で、登壇者同士で・・・いろんな組み合わせで池プカしてもらい、その感想を聞かせてもらいました。

水質浄化池の前に集合して、話題提供者と司会の5人で記念撮影!

今回のシンポジウムを通して、楽しい先生方や参加してくれた方々の想いに触発されて、私もこれからはこの水質浄化池といろんな付き合い方をしていけそうで、楽しみです。

水質浄化池を中心とした活動で「こんなことをしてみたい!」とか「仲間に加わりたい!」という方がいたら、ぜひご一緒に。(もしシンポジウムのアーカイブ映像を見たい方がいたら、ご連絡くださいね)

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高田 友美

静岡県浜松市出身。神戸→東京→スウェーデン→滋賀を経て、神山に移り住みました。神山つなぐ公社では「コミュニティ・アニメーター」として、主に大埜地の集合住宅とすみはじめ住宅から始まるコミュニティ育成を担当。休みの日はノラ上手に励んでいます。

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