【課題研究】2022年度の神山校3年生と過ごして

学び2023年2月15日

投稿者:秋山 千草

今年の城西高校神山校の3年生の授業を終え、じんわりしたところでこの記事を書いています。

先日1/24に行った「課題研究発表会」には、
在校生と先生以外に、
神山中学校の1年生や、学校運営協議会の方、役場の方など
たくさんの方が足を運んでくれました。

きっと、初めて彼らの発表を見た人たちにとっては、
もう少し深い探求や調査・分析の結果があるといい、
というコメントもあったかなと思います。

けれど、その場にいた私は、
ただ感動していたというのが正直なところ。

この気持ちは、彼らの2年時のことから繋がっています。

2年時に取り組んだチームプロジェクトの最終報告会の時、
彼らは「もっとできるはず、期待していたのに残念だ」というニュアンスの言葉や
結構厳しい言葉を大人の皆さんからいただいていました。

彼らなりに頑張ったのに、その頑張りが伝わらない発表に終わり、
横で伴走していた自分としては、とても悔しい気持ちでいっぱいでした。

一方で確かに、自分としても発表の仕方を自由にし、
その結果、彼らの良さが発揮されにくい状況をつくってしまったなという反省もありました。
 

それから、1ヶ月後くらい。
3年生になる彼らは課題研究のテーマを決める時期に。
驚いたのは、彼らのテーマを決めるはやさ。
昨年の3年生はテーマ決めに苦労したと聞いていたので、
テーマ決めに2ヶ月くらいかかるかなーと予想していたら、
最初の数回の授業でテーマが決定。
 

●川が大好きだから、川の生物を調べて生物図鑑をつくる!
●庭師になるのが夢だから、造園検定の資格を取る!
●絵を描くのが好きだから、それと農業を掛け合わせて、神山校の日常漫画を描く!
●木工は男子の先輩たちがやってきたけど、女子もできることを証明したいから木工に挑戦する!
●将来の夢が消防士だから、それについて勉強するため、しごと体験をする

などなど、自分の中から出てくる「やりたい」と
神山校や神山でできる学びを掛け合わせて
一人一人が自分で考えていた。

それから、数ヶ月。
誰に何を言われるでもなく、自分から取り組む姿が見られた日々。

・必死にスマホや紙と向き合い、絵を描いていく2人

・夏休みも学校へ来て、しごと体験に向かう人

・台風で増水していく川にも入ろうとする川の調査チーム(もちろんそれは中止)

・自分達が決めたやることを淡々とこなし、造園検定の勉強だけでなく、後輩のための植物園づくりにも取り組む人たち

・何度も試作を繰り返し、たくさんの人に食べてもらい、美味しいものを届けようとする加工品メンバー

・一生懸命自分が作った木のおもちゃをやすりがけする男の子の周りに集まり休憩するメンバーも

自分達で決めたテーマだからこそ、
自分が動かさないとどうにもならないことは
結構大変なことでもあったと思う。


こうして迎えた最終発表会。
何より良かったのは、
彼らが自分の言葉で語ったこと。

さらに、失敗したこともみんなの前でちゃんと伝えたこと。
自分の失敗って、普通は隠したいと思う。私はそう思う。
けど、それをみんなの前で発表できた彼らは本当に強いと思った。

また、一年生の時には小グループでの対話でもなかなか言葉が出ていなかった人が
1人でハキハキと発表していた。

2年生からの学びを3年生にしっかりつなげ、
ほぼ1人で課題研究をやり遂げた人もいた。

一人一人の個性が見える発表だった。
 

最終発表を終え、
2月6日に最後の授業。最後は、お互いに褒め合う時間を設けた。

昨年の3年生がやっていたのを知っていた女子が
「私もあれがやりたい!」と言ったのがきっかけ。

ここでも驚いたのは、彼らが同級生のことをよく見ていること。
また、先生方が彼らを褒めてくれたことも嬉しかった。

終えた後の生徒からは
「相手をほめることも、ほめられることも慣れてないので、
みんながいつもよりたどたどしく思えた」と。

私はじんわりしていたので、具体的な言葉は思い出せなくて書けないけど。

何かに頑張った人たちは、
もっともっとちゃんとほめられるといいと思った。
反省会や指摘などはよくあるけれど、
ほめて伸びる人の方が世の中多いのでは?と思ったり。
ほめるまでいかずとも「人の良いところ」に目を向けることは、
気持ちが良くなることだと思う。


とつらつらと書きましたが、
とにかく今年の3年生と共に時間を過ごせて良かった。
たくさん心が動いたし、たくさん学ばせてもらったと思います。
卒業は寂しいですね。でも、大人になってもまたいつか会いたい。

秋山 千草

東京都練馬区出身。神山つなぐ公社ひとづくり担当。下分から鮎喰川沿いを自転車で走るのが心地よい。踊りと美味しいご飯が好き、そして大人だけど「遊ぶ」のが大好き。

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