杉皮奮闘記から生まれる関係性に期待している
なんでも2020年7月31日
本記事はイン神山内の「ほぼ月報」という枠組みの中で執筆しました。2019年〜2021年までは神山つなぐ公社が「まちの様々なプロジェクトのいま」を、2022年以降は神山つなぐ公社とグリーンバレーで「神山に関わるみなさんと共有したいまちのできごと」をお伝えしています。
大埜地の集合住宅に建設中のコモンハウス棟には、放課後の子どもたちや未就学児とお母さんが集うメイン棟のほかに、設備室や倉庫になる小さな「小屋」が併設されています。
この小屋の屋根素材を昔ながらの杉皮で葺いてみようという取り組み「杉皮奮闘記!」が当サイトに掲載されていたので、総務課の北山くんに詳しい話を伺ってみました。
── 今どき杉皮って珍しいよね?
集合住宅の当初設計ではコリドールと呼ばれる、コモン棟へ続く外廊下があって、景観を考慮した自然素材として草屋根を検討していたんだけど、草がボーボーに茂るので違う素材を考えた結果、昔の杉皮でやってみようという話になったんです。
── やり方とか材料はどう考えた?
大家工務店のおじいさんが経験があったみたいでした。ルーフィングをしているので雨漏りは基本的にしないので、化粧材として3枚重ねて施工しようと話しています。
製品としては神山にはなかったので、ネットで調べてみると吉野杉の杉皮が販売されていました!松竹梅というランクがあるのも面白い。町長にも相談したけど「地元の素材を山から調達してきなさい」と言われて、本格的に調べるようになりました。ものは試しと思い、早速6月の森づくりで杉皮むきに挑戦してみました。それが以外とうまくいって、さらに詳しく調べると7月20日から9月20日ぐらいが皮をむくのには適した時期だと知り、7月23日に実際に山で剥く(奮闘記vol.03)ことになりました。梅雨時期だと虫がつきやすいみたいです。
── どんな人たちと進めている?
設計者の吉田涼子さんと主に進めていて、関心のありそうなオニヴァの齊藤さんや長谷川さんに声をかけ、辰濱くん、駒形くんにも協力してもらっています。杉皮を剥くなんて滅多にない貴重な機会なので一般公募をして、初回は5人ぐらいが集まってくれました。上勝の茅葺き学校の人も参加してくれて。上勝では家で不要になった杉皮を集めているようで実際に杉から剥いたことはないみたいでした。徳島科学技術高校2年生の子も参加してくれています。彼は三好の落合集落をみたり、他のまちづくりを学んだり、積極的で頼もしい。
── 実際にどうやって剥がすの?
自分たちでは杉を切ることが出来ないので、皆伐する杉林を教えてもらって立木のまま皮を剥き始めました。でも効率が悪いので、最近は森林組合にお願いして、倒した木をそのままにしてもらい、翌日に剥がしに行ってます。小屋には全部で600枚いる計算をしています。昔は家の母屋に葺いていたことを想像するととてつもない量が要るのがわかりました。
── この取り組みで何を実現したいの?
今はとにかく目標数量を集めることに必死。そんな中、やってみたいと言う人が多いので、ワークショップで一緒に取り組めると施設に対する愛着もわいて、この先コモンに集まってくれる関係性ができるんじゃないかと思っている。決して杉皮屋根が広がることが目的ではない。大変ですもん。
メンテナンスはどれぐらいだろう?日当たりがいい場所なので、5年か6年か。毎年少しずつ集めておくと葺き替えるときに楽なので、定期イベント化できるといいなと思っています。
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