「私はコモンで、ものづくりへの『情熱』や『好き』をみんなと共有できた」#神先真緒さん〈鮎喰川コモン〉

なんでも2025年2月28日

投稿者:もくもく編集局

こんにちは、神先真緒です。大阪出身、3人の子どもがいて、神山に住んで7年経ちます。
普段はWEEK神山で仕事しています。

コモンスタッフさんにものづくりの企画をしませんかと声をかけてもらい、企画検討、
準備を重ねて開催した「手の赴くままに作ってみるクラブ」 。

全4回すべてを無事に終えた今、活動の振り返りをしながら、コモンとの関係や自分の
活動への思いなどについて聞かせてほしいとお話をもらって、今回このような記事を
書くことになりました。


コモンとの出会いについて

 2012年神山塾生として神山に来ました。
しばらく徳島市に住んで、2018年長男が二歳半の頃に下分に引っ越してきました。
大埜地の集合住宅は計画の時から知っていて、ちょうど家探しの時に最初の入居者募集の
時期で応募したのですが、今の家がすぐ後に見つかり残念ながらお断りさせてもらいました。

 しかし、子どもの集える場所ができるらしいと聞いてたので、早くできないかなーと
思っていました。というのも、当時は遊ぶといえば家か、川か、温泉の裏の公園か、、、
「気軽に子どもたちが集まれる場所」があまりありませんでした。

 そして2020年、第二子を妊娠中にやっとコモンができました。出産して落ち着いて
暫くはコロナの流行もありたまに遊びに行く程度でした。でも今では長男が放課後過ごす
場所として、さらに月に2回ほど、週末にお昼ご飯持参で遊びに行ったりしています。
旦那の仕事柄、基本休日はワンオペです。なのでお出かけはできるだけ控えたい。でも
ずっと家にいると私はイライラ、子どもたちもソワソワして落ち着かない。おまけに兄弟
3人ともやりたいことが違う!!
そういうときはコモン、困った時のコモンです。
コモンのいいところは、子どもも大人もそれぞれ好きな時間が過ごせるところです。
もちろん親が子どもを見るのは大前提ですが、施設自体が子どもが過ごしやすい工夫が
されていて、スタッフさん達もいつもちょうどいい距離で子どもたちと接してくれていて、安心して過ごせるんです。子どもたちは本を読んだり、おもちゃで遊んだり、他の子とゲームや鬼ごっこをしたり各々したいことをします。私も子を見つつ、合間でコモンの本棚を漁ったり縫い物をしたりしています。

*2020年コモン開館初期の頃イベントに来ていた神先さん*


企画が生まれた経緯と、企画への思いについて

 コモンで私がちょこちょこ何かを作っているのを覚えていてくれて、コモンスタッフさんにのものづくりで企画をしませんかと声をかけてもらいました。
*糸巻をしている神先さん*

 声をかけてもらったときは、私のものづくりへの「情熱」や「好き」をみんなと
共有できるのか!と嬉しくて、すぐに「やりたい!」って言いました。
そうして今年度のコモンの企画「手の赴くままに作ってみるクラブ」ができました。何を
作るかはあまり重要じゃなく、とにかくみんなと同じテーブルで手を動かして夢中になる
時間を共有したいと思い、このような題になりました。イベント素人なので不安だらけで
毎回用意する物もたくさんありましたが、心強いスタッフさん達が一緒に考えてくれて、
あれもこれも手伝ってくれて無事4回も実施することができました。
スタッフさん達には本当にお世話になりました!ありがとうございました!


参加者の方とのやりとりで印象的だったシーンについて

 やりたいこと持ち寄ってみようの第1回、大人だけの秋の草木染めをした第2回、
クリスマス飾りを作った第3回、カードと織り物の第4回。どの回もとても盛り上がって
大成功でした。お昼に集まってくる大人達はおしゃべりも弾みつつ、みんな手を動かすのに夢中になり、幸せな空間でした。放課後に集まってくる子どもたちも凄かったです。
四方八方から「これはどうやって作るの?」「私もやりたい!」「これ使っていい?」と
質問の嵐で、熱量が凄くて圧倒されました。終わりがけに「次いつやるの?」と言って
くれる子もいて、またやりたいと思ってくれていることがとても嬉しかったです。


*「第1回 手の赴くままに作ってみるクラブ」で子どもたちに囲まれる神先さん*


企画を通して伝えたかったこと

 今まで目標もなくなんとなく制作をしてきました。でもこんな機会をいただいて、この
企画を通して私は何を伝えたいんだろうと考えました。
そしてそれはみんなに「大人が楽しそうに何かを作ってる姿」を見せることでした。私の
母方の祖父は日本画をやっていて、父方の祖母は編み物が上手な方でした。どちらも日常の中で制作している姿がありました。私が芸術や染織に興味をもてたのも自然なことなのですが、祖父母から直接絵の描き方や編み物のやり方などを教えてもらったわけではありませんでした。
身近な大人がただ淡々と制作をしている姿を見て、楽しさを感じていたんだろうと思います。

 今の時代は作らなくても欲しいものはすぐ手に入ります。また簡単な娯楽が山のようにあります。何かを作ることは準備もいるし面倒だし忍耐もいる。だからこそ子どもたちに作ることの楽しさを知ってほしいと思います。それにはまず大人達に日常で、「つくって」ほしい。大人がつくるを楽しむことが重要かなと思います。
たった4回でしたが、周りの人に楽しい空気が少しでも伝わって「またやりたいな」と思ってくれていたら嬉しいです。それだけで大成功です。
実はもっともっとみんなとやりたい企画が沢山あるんです。
それはまた、私の気が向いたら個人的に開催しようと思います。
また一緒に手の赴くままに作ってみましょう!

神先真緒

*「第2回 手の赴くままに作ってみるクラブ」の様子。コモンの周りの草木で草木染めをしました。*


さらに、後日お聞きしたミニインタビューの内容を公開します。
彼女らしさが出ていて素敵なので、ありのままを公開します。
 

活動の場としてコモンという場がどう作用していると思う?

 なにそれ?!なんだ?どういうことだ?(笑)質問むずかし・・!
えぇ~っと・・・ルーティーンできている場所だね、もう私の中では。いうまでもなく
快適な場所。スタッフや来館者も知ってる顔がいる。誰かがいつもいる。
私って人見知りなところがあるんだよ、基本自分から誰かをさそって遊ぶことがない。
自分から予定を立てるみたいのが苦手で、子どもを子どもたち同士の場所に連れてって
あげられてなかった。あまり交流させられてないなと申し訳ないなと思ってた。でも
ここにくると約束しなくても遊べる。自分にとっても居心地がいい。そしてここなら、
子ども達が満足してくれる。コモンがなかった時と比べたら、遊び方が全然違う。
自分のペースでその日のスケジュールを決めたい自分としては、気軽にいつでも来られる
空間がありがたい。今回の企画みたいな、イベントもたまにあるし、きっかけがあるから
フットワーク軽く気軽に来られるのもいい。
weekの仕事がなければコモンのスタッフに応募してたと思う。(笑)
今回の企画はコモンスタッフ体験だったね!
 

お気に入りのポイントがあれば教えて!

 あげたらキリない。けど・・・(ある程度考え込む)
大人と子どもが対等な関係でいられるところかな。
大人が頑張って大人していない感じがする。子どもとママが集まっても、子どもだけ
遊ぶんじゃなくて一緒に遊んでる。なんでだろう・・・
みんなで子どもたち・全体を見守れている環境があるからかな?スタッフもある程度は
子どもと遊んでくれてるし、大人が肩肘張らずにいられるのかな。
ここだと第二の家みたいに居られる。
私が大満喫してるんだよね!(笑)
「コモン行くよ」って私が言い出す日もあるけど、子どもが言い出す日もあるよ。
遊ぶ選択肢の中に常に入っている。
*インタビュー中も絶えず手を動かしている神先さん*


企画を通しての感想

検討準備から実施、そして企画が終了し、執筆していただいた記事を読んでいるとき。
それからインタビューをしているとき、この記事を編集している今も、
 ” 彼女の生活はものづくりとともにある ” ということを実感しながら、
企画に関わっています。
そんな彼女だからこそ、ものづくりが心と体の栄養になるということをよく知っている。
私たちコモンスタッフは、それをコモンに来る大人・子どもたちに伝えることの
お手伝いをした。そんな風に思っています。

”お母さん”にコモンについて聞くと、「子どもが楽しいと言ってる」など、
子ども主体の答えが返ってきそうなもの。
でも、それだけでなはくて彼女自身がすごくコモンを満喫されているのが
伝わってきて、嬉しい気持ちになりました。
「親・自分が楽しんでいるところを見せるのが一番、子どもにとってもいいと信じてる!」
そう力強く話してくれた姿がとても素敵でした。
記事にもある通り、彼女のお母さま、さらにはおじいさまやおばあさまも、
自分のやりたいことを全力でされる方だったよう。
彼女が育ってきた環境が、彼女をつくっていました。

普段のご利用だけではなく、
彼女のような思いを持っている方の活動を支え、その情熱を形にする場所として、
鮎喰川コモンはあります。
コモンはこれからも、まちのみなさんの活動を応援していきます。


鮎喰川コモン/担当スタッフ

もくもく編集局

鮎喰川コモンで開催されるイベントや、催しなどの様子を記録・発信していきます。アカウント名は、コモンのゆるキャラ「もくもくん」に由来しています。

もくもく編集局の他の記事をみる

コメント一覧

  • なるほど・・! コモンはいつもコンフォタブルな場所です。

    2025年3月3日 12:09 | 河野公雄(ニコライ)

コメントする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * 欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください