私は、お手紙が大好き。

贈り物をもらったとき、真っ先に探してしまうのは一緒に添えられたカード。
家に帰ってお手紙が届いていたときの高揚感。
今ごろ読んでくれているかなってドキドキしたり、
お手紙を書きながら相手のことばかり考えているのも幸福な時間。
相手の好みや季節に合わせた便箋選びも、わくわく楽しいひとときです。

近年もらって一番嬉しかったお手紙は、嫁ぐことになった大好きな妹から

確か人生最初に送ったお手紙は、私が広野幼稚園（今は広野保育所）だった頃、卒園後に年少・年長さんと担任をしてくれた中村先生宛だったのではないかと記憶しています。入園のとき、ちょうど水疱瘡にかかった私。同級生より遅れて通園しはじめた私は、先生にとてもお世話になりました。家族以外のはじめての大人との出会いも、小さいながらに印象的だったのかもしれません。

そんな中村先生とは、この春に町民町内バスツアーで久々の再会。あれからもう20年数年、顔を見るなりすぐに思い出してくれた先生に、私大きくなりましたよって言いたい気分！

当時、中村先生から届いたお返事

心からのありがとうを伝えたいとき、
がんばれって全力で応援したいとき、
だれかとサヨナラをするとき。
はじめてお手紙を書いたあの日から、大切な想いを伝えたいときにはいつも自分の手で筆を走らせています。時間と距離を超えた気持ちのやりとりは、やっぱりあたたかいもの。届いたお手紙の文字からは遠く離れたその人をすぐ近くに感じられるし、きっと手書きの文字から気持ちは伝わると信じています。口下手な分、自分の気持ちを素直にのせらるお手紙は、私にとっての大事な伝達手段です。

さて、そんな私は先日、過去最大数約5,300人の人たちにお手紙を書きました。
そろそろお手元に届いてますでしょうか、「集合住宅だより」。

建設が進んでいる神領大埜地のあたらしい集合住宅づくりについて、やっぱり１番に共有したいのはまちの人。発行のきっかけは、設計に携わってくれているランドスケープ担当の女性デザイナーさんが、小・中・高校生たちに取り組みを知ってもらう何かを届けたい、と言ってくれたことからでした。

建築や建設って、モノがハッキリと形づくられてしまう分、ついそっちに目がいってしまいます。大きなお金も動いているし、専門的で、見えにくいことは多いはず。でも、その見えにくい建設工事の裏側で日々プロジェクトに向き合っている人たちがいます。まちにたくさんのあたらしい視点をくれる設計チーム、まちのためにと腕を奮ってくれる格好いい職人さんたち、そして何より、神山町・神山町民のことを一生懸命に想い奮闘する役場の人たち。そんな人たちの姿や想いを近くで見ていたら、私にできる形で伝えていきたいと強く思ったのです。

「集合住宅新聞」
「集合住宅通信」
「月刊集合住宅」

いくつか候補にあがったタイトル案の中から最終的に選んだ「集合住宅だより」。やっぱり決め手は「お便り」というところでした。神山でお仕事するようになってたくさんの人と出会ったけれど、まだまだお会いしていない誰かもたくさん居て。顔が見えないからこそ、手書きのお便りから私たちの熱量が届いてほしいなと思っています。
そして、この集合住宅づくり、あらためて神山町にとっての一大プロジェクトだなって。だからこそ、やっぱりまちの人みんなでつくっていきたい。応援してもらえたり、想いを馳せてもらえるだけでも十分。あのガラ山が光り輝く宝の山に見えてくれたらもう最高。

今月から毎月１通、楽しみに待っていてくれるととっても嬉しいです！