10/26 みんなで選択除草しました【秋編】

住まい2019年10月30日

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投稿者:高田 友美

神山のような田舎の町に住んでいると
「今日こそは、生い茂る草をなんとかしなきゃ」
と休みのたびに苛まれる人も多いかもしれません。

「一緒に選択除草しませんか?」と呼びかけても
いまいち反応が悪いのもわかります。
「自分の庭の草も刈りきれてないのに、
 なんで人んちの草とりに行くの!?」と(笑)

でも、今回初めて参加してくれた方の
「これ、めちゃくちゃ楽しいですね、
 みんなも参加したらいいのに」という言葉に
選択除草をもっと神山中に、いや日本中に広めたい!
と改めて意気込んでいます。

さて、そんなよく分からない前置きはさておき、今回も、
ランドスケープデザイナーの田瀬さんの指導のもと、
集まってくださった皆さんと楽しく草とりをしました。

簡単ですが、大きく3つのポイントにまとめて
開催レポートをお届けします。

1つ目のポイントは、
【一気に全部抜こうとすると大変。1種類ずつ狙うと楽しい!】

全部の草を一気に抜こうとすると、時間もかかって大変だけど、
繁茂しすぎている草を1種類ずつ狙って抜くと、
ゲームみたいで楽しくなります。

今回最初に着手したのは、大埜地の集合住宅の川沿いのエリア、
コモンハウス棟の建設が始まったすぐ横です。

去年から選択除草を重ねてきたからか、
このエリアは少しずつ外来種の草の勢いもおさまって、
ふんわりした原っぱに育ってきました。
(ただの草ぼうぼうに見えるかもしれませんが・苦笑)

その中でまだ目立って気になった外来種がこの3つ。
・セイタカアワダチソウ
・センダングサ類
・イヌホオズキ類

選択除草では、まずは最初のターゲットとなる草を決めて、
その1種類だけを狙って探しながら、抜いていきます。
これがけっこうゲーム感覚で楽しい。そして、1種類だったら
短時間で抜き切れるので、達成感もあって嬉しい!

これが、端から端まで草を刈ったり、抜こうとすると
なかなか大変な作業で、一日がかりでも終わるかどうか。

選択除草だと、少しずつ景色を整えていくので、
適当なところで終わりにしても、その時々で
ちょうどいい景色に落ち着きます。

みんなで集中してセイタカアワダチソウを攻略したら、
全部でこんもりと山になるくらい採れました。

同じ要領で、種をつけ始めているセンダングサ、
いわゆる「くっつき草」も根こそぎ抜いて…
(大物を抜いて嬉しそう?)

さらに、黒い実をたくさんつけ始めていた
イヌホオズキもわさわさと抜きました。

外来種をいろいろ抜いて片づけていくと
見えてくるのが残したい在来種の草。

たとえば、このチカラシバも残している草の1つです。
触ると、猫の毛を撫でているようで、気持ちいい♪


2つ目のポイントは、
【冬に向けて栄養を蓄えつつある地下茎を取り除く】こと。

地下茎に栄養を蓄える代表格が、クローバー(シロツメクサ)。
花かんむりをつくったり、四つ葉を探したり、と
いろいろ遊べて楽しいし、栄養を蓄える性質を利用して
緑肥として育てて畑に鋤き込まれることも多いクローバー。

でも芝生の上でそのまま生やしていると、
どんどん広がって覆い尽くて、枯らしてしまうかも。

夏の間は葉を茂らせる方向にエネルギーを使いますが、
寒くなる前の今の時期には、地下茎に栄養を蓄えて
また来年の繁茂に備えていく、このタイミングで
きっちり取り除くと、ちょうどよいサイズに
クローバーの茂みをおさえることができるそう。

まずは葉っぱの部分をざくざくと刈り取り、
さらに芝生をかき分けながら、
にょきにょきとつながっている地下茎も
丁寧に取り除きます。

 

刈り取ったクローバーは、日に当てて乾かした後、
菜園の土などにすき込むと、いい肥料になりますよ。

3つ目のポイントは「なるほど!」と思ったこと。
【いろんな草があるから、いろんな生き物がいられる】

隣接する畑との間の緑地に生えている草を観察していると、
神山でもあちこちに生えて困りもののヒュウジ(カラムシ)に
毛虫がたくさんついているのを発見。

「ひぃぃぃーーー」といやがる私たちを横目に田瀬さんは
「この草があるから、生きられる虫もいるんだよ」と。

虫にはそれぞれ食べたい草の好みがあり、
逆に言えば、その虫が生きられるかどうかは、
特定の草が生えているかどうかに関わるそう。

いろいろな虫や動物が絶滅の危機に瀕している今日この頃ですが、
開発が進んだり、外来種の草が勢いを増していく中で、
地域にもともと生えていた草が急激に減少していることも影響しているそう。

集合住宅の敷地内で、どんな在来の草が復活してくるのかを観察しながら、
それとともにどんな虫や生き物が現れてくるのか、
みんなで見守っていきたいな、と思いました。

 


そして最後に、忘れちゃいけないのが、抜いた草を片づける時間。

分解が進みやすいように、ハサミで小さめに刻んで
山にします。初参加してくれた中2男子が張り切って
チョキチョキ刻んでくれました。

数ヵ月後にはよい堆肥になって、敷地内の植栽の根元にやると
いい栄養になってくれると思います。

今年はあと1回、選択除草の「冬の片付け編」を
12月14日(土)に実施できたら、と考えています。

一般に呼びかけている会以外にも日常的に
草の手入れは続けているので、興味のある方はぜひ
お声かけください。一緒に楽しく草とりしましょう!

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高田 友美

静岡県浜松市出身。神戸→東京→スウェーデン→滋賀を経て、神山に移り住みました。神山つなぐ公社では「コミュニティ・アニメーター」として、主に大埜地の集合住宅とすみはじめ住宅から始まるコミュニティ育成を担当。休みの日はノラ上手に励んでいます。

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