杉皮奮闘記Vol.05 心強い相棒「テギガマ」求む
住まい2020年8月15日
こんにちは。 杉剥隊 吉田です。
今回はひたすら「テギガマ」について。
杉皮を採るためには様々な道具があります。
※詳しくは、杉皮奮闘記vol.01 道具をつくろう
ちなみに、
私はずっとテキガマテキガマ言っていましたが、もう一度本を見たら
正しくは「テ” ぎ ”ガマ」と書いてありますね。
テギってなんだろう。よけい言いにくい。
※参考にしている本『住まいの伝統技術』安藤邦廣・乾尚彦・山下浩一著 より
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杉剥隊も何度も山へ繰り出すうちに、
各人に合わせた効率の良い動きやチームになったときの分担段取りが少しずつ体で分かってきたのですが、目下の問題・・・
それは、杉皮剥き用の道具「テギガマ」が足りないこと。
作業に慣れてスピードアップしたとしても、また、人数が増えたとしても、
道具不足がボトルネックになってしまう瞬間が多くなってきました。。。
今は表紙写真の2本、町長と総務課長のお家にあったものをお借りしています。
ふたつは曲がり具合が微妙に違うが、どちらも美しい曲線。
藤本武一さんがいらっしゃった時には、テギガマを携えて登場くださいました。
おおおーーーーーーーー!!!
3本め。
こんなにもテギガマが各々のご家庭にあるなんて!
けっこうマニアックな道具なのでは?と思うのですが、、、
こういう瞬間に山の暮らし文化が根付いた町の魅力を感じます。
たとえ現在あまり使わなくなったとしても、道具という物が残っていることで、かつて杉皮を採っていた事実の糸口になるのもおもしろい。
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今は道具を持つ2人が、剥ぎ始めの形成層への刃入れだけをして、
(これはテギガマでしか出来ない最低限の作業である)
続きの剥ぎ作業は竹ヘラや普通の鎌を持っている人にパス、
という風な流れ作業作戦にしてみたり、それはそれでチームプレーが良い感じ。
ただ、剥ぎ人員増えてがスピードアップし出だした場合には、どうしてもテギガマの本数が作業フロー全体のボトルネックに。。。
また、特に足場が悪い場合には、一本で万能な道具を各人が持てたらよいなと感じるようになってきました。
なぜなら、こんな感じで足場の悪い急傾斜や杉の幹上にへばりついて作業しているので。
なるべく手を空けたいし、道具の持ち替えは最小限にしたいから。
離れて作業していると道具の受け渡しも一苦労。テギガマを携えて身軽に登るのが速い。
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先日の作業中の会話より:
大家さん:(テギガマに持ち替えて)
あーっっ!今までなんてストレス溜めて作業しよったんだ!!
小松崎さん:それ言わなかったらかっこよかったのに、笑
北山さん:やっぱテギガマが強いんかね。
小:それでもやっぱり速かったから、さすが大家さん道具関係ないんだなって。
北:『弘法筆を選ばず』?
大:いや。『道具一番』やから!
大:これ(テギガマ)ええな、これしかないわ。
これ(普通の鎌)は、
ここもうギュイーンてサンダーで切り落としたったら。
大家さんのもう1つの格言は、
『道具とは無駄な力を入れずに使うもの』
確かに、軽く鉛筆を持つ如く、テギガマを握って使っていたな。
無駄な我を捨てて、適切に力を流して身体の自然な動きを翻訳してもらうこと、ですね。
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・・・というわけで
もしお家の納屋に眠っているテギガマがありましたら、是非貸していただけませんか!!
あと、最近の発見、
杉皮用ではないですが、こんな形の鎌もこれ一本でテギガマに劣らない働きをしてくれることを試しました。切込み良し、剥き良し。
これはナニ鎌というのですか?
こちらも、眠っているものがありましたら、ぜひお借りしたいです。
sugikawayane@gmail.comやこの記事のコメント欄へ、
または、神山町役場総務課、大埜地集合住宅現場事務所まで、
情報お寄せいただければありがたいです。
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コメント一覧
写真から見ると、「えがま」と言われているものでしょうか。 草刈鎌より、鉄の部分が厚い鎌。 細い雑木などを刈るときに使います。 一般的な「えがま」は「柄(え)」の部分がもう少し、長いように思われます。 この「えがま」なら、たいていの家に1本はあります。 今度行くときは、これをもって行きます。
2020年8月17日 15:36 | ニコライ
ニコライさん、 「えがま」(柄鎌?)というのですね。これで雑木も刈れてしまうなんて! 確かに、厚みがしっかりしています。 山仕事の道具はどれも魅力的な形をしているなと思いました。そのうち鍛冶屋さんに出会いたいです。 吉田
2020年8月18日 01:36 | sugikawa