杉皮奮闘記 Vol.07 採ってきた杉皮のその後
住まい2020年8月21日
こんにちは。
杉皮隊の辰濱です。
阿波踊りが中止になったので、その分のエネルギーを杉皮奮闘に費やしてます。
今回は、山から採ってきた杉皮の後工程を紹介します。
その前に。
杉皮剥きは、木がたくさんの水を吸い上げる 7 〜 8 月頃がシーズンと言われています。
このシーズンは幹と皮の間に水分が多く、皮を簡単に剥ぐことができます。
(シーズン外だと、どのぐらい難しいかは試した事がないのでわかりません。。。機会があれば試して見ようと思います!)
実際に皮を剥いでみると、幹も皮の内側もとてもツルツルで、水分量が多い事がわかります。
さて、本題です。
矢治谷から採ってきた杉皮は、その日のうちに集合住宅の現場事務所まで戻り杉皮をアラノシします。
アラノシとは、重しを載せて乾燥させる工程です。
採った皮は木の幹の丸みのクセが残っています。
また、屋根に葺くときには、平たい材になっている事が望ましいので、水分を含んで柔らかいうちに重しをして平らにします。
季節にもよりますが、採ってきて 1 〜 2 週間ほどこの状態で置いておきます。
杉皮奮闘記Vol.03 でも紹介されていますが、始めに採ってきて1週間ほどアラノシした杉皮を見てみると、ものすごくカビってました。。。
この反省を活かして、桟木を使って風通しを良くしたり、扇風機を常時稼働させて通気性を高めたりしています。
また、シャゴ掻きが足りて無さそうな皮も表面に付いている苔や汚れ等がカビの原因にもなり得るので、そのような杉皮はアラノシ前にもシャゴ掻きをするようにしました。
山でシャゴ掻きをすれば削りカスはそのまま山に還す事ができるのですが、コンクリートの上で行うと掃除も大変です。。。
そして、勢い余ってコンクリートを掻いてしまうと刃が傷んでしまうので、気をつけながら作業を進めています(奮闘!?)
効率よくノシができるよう、ある程度の大きさに分類してから積むようにしています。
山から杉皮を切り出した(場合によっては午前&午後の作業の)あと、これらの作業だけでも 1 〜 2 時間ほどかかっているので、みんな終わる頃にはヘロヘロです。
なお、初回カビった杉皮の内側は、キレイにカビを落としてノシ続けています。
こちらがカビ落としの様子。
集合住宅の現場事務所付近に生えていた草を使ってカビを落としました。
スポンジっぽく見えた(?)蒲の穂や、抗菌作用が期待できる(?)ヨモギなどで試行錯誤です。
写真の左がカビ取り後の杉皮、右がカビ取り前の杉皮です。
だいぶきれいになりました!
1 〜 2 週間ほどアラノシをしたら、一昼夜の天日干しです。
7月に採ってきた杉皮を、8/6(木)の早朝から天日干しを行いました。
日の出すぐの 6:00 頃から作業開始です。
杉皮を干す場所の確保の草刈りと干す作業を並行で行いました。
たった1時間ほど干しただけで、こんなにも丸まってしまいました。
ノシによって丸まりを抑えられてたんだな…と実感です。
一昼夜干し、翌日早朝に取り込みです。
同じように重しをして、今度は 3 〜 4 週間置いておきます。
カビることもなく、割れることもなく、ちゃんと屋根材として使えることを祈るばかりです。
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