
杉皮奮闘記vol.08 杉皮剥きながら気づくこと
住まい2020年8月23日
こんにちは。
大埜地の集合住宅の設計チームの神山にいるもうひとり、池辺です。
8/12(水)
だいぶ遅れをとって、私は今回が初参戦でした。
経験を重ねて来たコアメンバーのみなさんと一緒に前回に引続き、矢治谷で作業してきました。
初心者の私は、吉田さんから作業の手ほどきを受けます。
さすが、道具の使い方も手慣れています。
写真だといとも簡単に剥けているように見えるけど、
木や部分によって、皮が割れないように剥くのは、力もいるし、気を使う作業です。
この作業を立木にはしごをかけてやっていたとは、、、
倒木だと作業効率もあがるし、1本の木から調達できる枚数もかなり多くなるとのこと。
(杉皮奮闘記vol.04に詳しく記録されています)
みなさん、「もう立木での作業には戻れない。」と言っていました。
確かに!想像しただけで気が遠くなります。
これも森林組合さんのご好意と協力がなければ、目標数の調達は難しいでしょう。
作業が少しでもし易いように倒してくださっているのが、本当に有り難い。
多くの方の協力で実現される杉皮葺きの屋根!完成させたい!
さぁ、調達!調達ー!
私が練習で皮をむいている間に、枝はらいされ、着々と作業が進んでいました。
道具も限られるので作業分担して進めます。
剥いて
剥いて
剥きまくる!(隣の吉田さんは水をかけたら剥きやすくなるか試していたらしい)
作業開始から4時間あまり、本日の成果は 70枚!(目標達成率52%)
そして、アラノシ場にカビ対策の扇風機が導入されました。
次回の作業は、お盆明け。
お盆を過ぎると、木は水を吸い上げるのをやめていきます。
さて、皮の剥け方にどんな影響があるのか。
まだまだ奮闘は続きます。
少し余談を…
さて、今回、杉皮とるぞー!とやってきた私ですが、山に入って作業している中で、改めて山の整備の大切さを実感しました。
昔の人はこんな斜面にまで木を植えたのか!と敬服しつつ。
手入れがされなくなった人工林は、杉の枝葉に覆われ地面に日があたらないため、下草が生えません。
下草がないと、土がやせて、雨水を蓄えられないため土砂崩れを起こします。
話では聞いていたけど、本当に表面の土がほろほろとくずれて踏ん張れない。
こんなん大雨や台風がきたら簡単に崩れてしまいそう。
神山町では、森林ビジョンの策定や新しい里山整備の補助金制度ができたり、町として山の整備を応援する動きもあったりするそう。
私自身も建築に携わりながらも山のことは、知らないことばかりです。
でも、ほんの少し、山の現状や自分たちの生活とのつながりを知ると見える風景も変わってくるような気がします。
簡単なことではないけれど、何十年かして紅葉も美しい山に少しずつ変わっていくと良いなぁ。
と休憩中の駒形さん越しに見える矢治谷からの風景を眺めながら思うのでした。
コメント一覧
えらく感傷的になっておりますやん。第二次世界大戦後、国中が焼け野原になり「木」が必要 と政府が「植樹」に補助金を出した為、こんな傾斜のきつい所まで、人々は植えたらしい。昔は広葉樹だったはず。現在、表土は流され環境良しと言えず。傾斜40度以上の土地は林業としては不適。落葉広葉樹を植え水源涵養地として保全すべき。というのが、森林に関心のある人たちの間では定説みたい。幸い「杉」・「ヒノキ」は伐採後、自然に生えてくることはありません。切りっぱなしにして放っておいたら雑木が生えてくるので40度以上の山は、当面それでも良いのではないか?と個人的には思います。もちろん落葉広葉樹を植樹するのが一番良いのですが。 今日も一日お疲れ様でした。
2020年8月23日 22:13 | ニコライ