杉皮奮闘記 Vol.14 杉皮を求めて秋の山へ
住まい2020年12月9日
杉皮隊の辰濱です。
11/3(祝) に杉皮を施工して頂ける大工さんと一緒に杉皮を採りに行きました。
大工さんの提案で、屋根の妻部分の見栄えを整えるために使う 1.5m 程の杉皮を調達することが目的です。
現場は、いつもよりちょっと下手の矢治谷林道の入り口付近です。
久しぶりに矢治谷に来てみると、夏とは違って色づいた山の景色を見ることがでたり、作業がしやすい気温になっており、季節の移り変わりを感じました。
現場に着いて、久しぶりの皮むき作業です。
1本キレイに丸々剥くことができました!
作業もしやすい気温だし、「この調子で引き続き次の木へ!」と意気込み十分です。
林道沿いに倒してくれている木に、意気揚々と取りかかりました。
しかし、先ほどのように思うように進みません。
今回の木は3〜4日前に倒しておいて貰った木なので、その間に水分が抜けて剥けにくくなっていたのかも知れません。
採った皮を運んでいても、夏よりも軽い気がしました。
15枚ほど確保したところで、「今日はこの辺にして、後日倒して貰った直後に取りに行こう!」と次回へ意気込んで現場をあとにしました。
現場事務所に戻って、いつものようにアラノシです。
その約1週間後の午後のこと。
杉皮剥きに参加したメンバーから、「杉の木を切った」との連絡が杉皮隊に入りました。
さすがにその日のうちは動けなかったものの、切って間もない(=皮が剥きやすい!?)木を求めて、杉皮隊緊急出動です。
仕事の束の間の昼休みを返上しての作業なので、活動できるのは1時間しかありません。
倒した1日後の木なので、期待しつつ剥いてみます。
「やはり剥き旬が終わったか。。。」
しかし、この木は切って約1日が経っています!
そこで杉皮隊員の私有地の、まだ切っていない杉で剥き具合を確認してみることに。
(この時点で、昼休みの残り時間 30 分)
移動して、現場にて作業開始!
が、ここでも思うように剥けません。。。
このもどかしさを伝えたく、動画に納めているのでご覧下さい!
乾いた「パサッ」という音、無残にも裂けてしまう杉皮がなんとも切ない。。。
文献によると「三月ごろまではくるりと容易にむくことができる。」という記述もみかけてはいましたが、立ち木でここまで剥けないとなると、もう切ってからの日数は関係なさそうです。
剥き旬でここまで剥きやすさが違うもんなんだと思い知ったと同時に、見た目ではわからない木の内側の季節の変化に驚かされました。
製材所の方は「建材に使うには、幹と皮の間に水分が少ない『冬』が切り旬」とおっしゃってました。
「旬の時期が一緒だったら一石二鳥なのに…」と思いつつ、そうでないところに杉皮の貴重さを改めて感じました。
気がつけば、この日の昼休みはお昼ご飯を食べる暇もなく杉皮に費やしていました。
(お昼は食べ損ねましたが、ちゃんと 13:00 からの仕事には間に合いました!)
恐らく、今年の杉皮むきはこれにてオフシーズンに突入ですが、葺き替えに備えて、来年も杉皮むきは継続していく見込みです。
いつぐらいから思うように剥けるのか、今からとても楽しみです。
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