
杉皮奮闘記Vol.15 いよいよ杉皮葺き!
住まい2020年12月9日
神山町役場杉皮担当の北山です。
夏真っ盛りの、暑い中メンバーで集めた杉皮がいよいよ屋根に葺かれようとしています!
夏にテギガマを使い繊維方向に剥いたのである程度まっすぐ切ったつもりだったけど大工さんが丸ノコを使って真っすぐにしてくれています。

丸ノコで整えられる杉皮
ベニヤ板をガイドに杉皮がまっすぐに整えられます。

キレイに整えられた杉皮
整えるとキレイ!
上勝ではこみきりを使ってカットしていましたが、こみきりだと杉皮が割れる可能性があるんだ、と大工さんから教えてもらいました。なるほど山を隔てて作業方法に違いがあるのか。昔は丸ノコとか無かったからノコギリでカットしてたのかな。タイムマシンが開発されたら見に行ってみたいです。
さて、材料の準備が出来たらいよいよ屋根に葺いていきます。夕暮れと大工さんと杉皮。

杉皮を葺き始める大工さん
小さな道具小屋とはいえ施工するのは屋根のなので背伸びでは施工できません。足場を組み安全対策をしつつ施工しています。
道具小屋の屋根は「切妻屋根」という形状をしています。
まずは切妻部分に苦労しつつ矢治谷で調達した1.5mの長い杉皮が葺かれました。

妻部分に長材を使用
このために長材が必要だったんですね。重ねずに1枚で葺くことで妻面を見た時に美しく1枚の杉皮の側面が見えます。
続いて軒部分に短い杉皮を葺いていきます。

軒部分に裏返しで置いていく
なぜ内側を上剥きに置いていくのか分かりますか?正解はこちら

下から見ると杉皮の外側が見えるように葺かれている
軒から3cm杉皮がはみ出すように施工します。葺き方も色々ですが、今回は杉皮の外側が見えるように軒部分を裏返しに設置したのです。杉皮葺きは何層か重ねるため、裏返しの杉皮のまま仕上がるわけではありません。重ねる際は杉皮の外側部分を上にして葺くことで外観も杉皮の外側が見えるように施工されるのです。
あえて?内側の白い部分を見えるように葺くこともあるみたいです。そういう物件も見てみたい。
次どうなるの?と気になる方もいるかと思いますが今日はここまで。杉皮屋根は年内に完成予定です。
杉皮剥きを初めてから気になって町内のお宅の屋根で杉皮葺きの物件が無いか山に入る度に探していました。しかし、見つけられませんでしたが、身近なところに杉皮屋根の物件がお目見えする日も近い・・・
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