Day 5 ルーさんと歩く山:神領/西野間
なんでも2021年6月13日
GWあけの週末、ルーさんとまた山に入りました。この日は西野間。毎日歩きながら見上げている、あのあたりへ。
こちら明治40年の測量地図。「谷」と「京地」の間の下側に、一直線に山をあがってゆく歩経路の線が見える。「今日はこの路をあがってゆこう」(Rufus)というプラン。
でもその路に辿り着く前に山肌を登り始めてしまって、少しわからないまま、道なき道を進みます。でも気持ちいい。このあたり、明るいですね。
次第に傾斜がきつくなってきたな…思っていたら、ポンッといい場所に出た。極端に急峻な斜面は杉が植えられていない。樹間から石堂の集落が見えます。
そこからもう少し上がると、山の中腹から、雨乞いの滝の手前あたりへワイヤーを張って、伐った木を下ろしていたと思われる小さな産業遺構。
「林業は危険」とよく聞くけど、当時の作業現場は、いまの比でない危なさだったろうと思います。逆に土木系の工事現場を見ていると、扱っているものは同じく大きいものの、労務として国に守られている感じがする。
〝山師〟は「山を歩き回って鉱脈を見つけたり、立木の売買をしたりする職業」を指す言葉で、同時に辞書には「投機・冒険をする人」ともある。長期的に山林を育てる側面があるので、ゴールドラッシュのような収奪的な行為とはわけが違うけど、多少危なくても、荒稼ぎしたい男が腕を振るった時期がそれなりに長かったんじゃないか。山に入ると、昔の営みが垣間見える。
地図でみていた目的の路に出た。エッジもしっかり施工されていて、倒木はあれど生きている。
いまにも剥がれて、落ちてゆきそうな大岩。
路は次第に狭くなって、ヒヤッとする場所もあったけど、しっかりつづいている。この奥に集落があったとは思えないし…どんな用事があったんだろう。茅場かな?
適当な場所でご飯を食べ、尾根筋まで登って、東側を降りてゆくと簡素な神社があった。奥の大岩が本殿(?)ですかね。
位置はこのあたり(青丸)。
そのまま斜面を下ってゆくと、あったあったあった。来てみたかったんですよね、ここ。昔の水力発電のパイプライン跡(冒頭の明治の地図を参照)。
そのままくだって、ポンッと里に出た。素晴らしい眺めと気持ちのよさ。川沿いから少し高いところに上がるだけで、世界がまったく違う。空が広い。
里のまわりには、素敵な歩経路(赤線:道路法上の道路ではない地域の人たちの路)がウェブを形成している。でもトレッキングルートではない。家の庭先をかすめる瞬間も多くて、メンバーシップがないと歩けない感じ。「お邪魔します」という気分で通り抜ける。
8時に集合して、歩いて、のんびり降りてきて14時。6時間の小旅行。寄居の豆ちよ焙煎所に立ち寄ると偉大な絵本作家が並んでいて、まあ幸せな一日でしたね。
またどこか、ルーさんと登ります。
西村 佳哲
にしむら よしあき/1964年 東京生まれ。リビングワールド代表。働き方研究家。武蔵野美術大学卒。つくる・書く・教える、大きく3つの領域で働く。元神山つなぐ公社 理事(2016〜21)。著書に『自分の仕事をつくる』(晶文社/ちくま文庫)、『ひとの居場所をつくる』(ちくま文庫)など。
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