小さな自然再生研修会 「行こう、鮎喰川」〈その1〉

学び2022年10月31日

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投稿者:田中 泰子

(神山つなぐ公社 安心な暮らしづくり担当)

すっかり川に入るのが「寒い・・・」と感じる季節になりました。
遅ればせながら9月に開催した「小さな自然再生」研修会
「行こう、鮎喰川!」川名人と遊び・学び・実践する2日間』のご報告を行いたいと思います。

小さな自然再生」とは、ワクワクすることから、できることから始めよう!というコンセプトのもと、どんな人でも参加できる、身近な自然再生に取り組む活動です。毎年、全国三カ所で、川の専門家と一緒に「小さな自然再生」の研修会が開催されていますが、今年度の研修地のひとつとして神山町の鮎喰川が選ばれました。

以下四つの記事に分けて、ご報告いたします。

●〈その1〉下見@鮎喰川(7月31日〜8月1日)
●〈その2〉本番@鮎喰川(9月10日)
●〈その3〉本番@鮎喰川(9月11日)
●〈その4〉「小さな自然再生」との出会い、そして、これから。


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まずはじめに、「小さな自然再生」研修会に来てくださっていた、川のプロフェッショナルの皆さんをご紹介したいと思います!

●瀧健太郎さん(滋賀県立大学准教授)

 
なんと、川の日(7月7日)生まれという瀧先生。滋賀県庁勤務など、河川・流域政策の実務を長年にわたって担当。数多くの川や人との様々な出会いを通じ、「地域に愛される川こそが“いい川”」だと信じている瀧先生が、鮎喰川のことを「こんなに地域から愛されてる川を僕は他に知りません。」と書いて紹介して下さっていたのは、本当に嬉しい出来事でした。
 

●和田彰さん(リバーフロント研究所)

 いつも全体を見て、いろいろな心配りをしてくださっていた和田さん。研修会開催に至るまでの丁寧な対応、作られた資料の整い方、現場での安全確保や判断など、和田さんらしさが溢れていました。
 

●白尾豪宏さん(リバーフロント研究所)

生き物愛に溢れる白尾さん。水生生物が専門。
気が付けば、川に浮かんでいた(?)白尾さん。


もちろん水生生物を探すため。何かが見つかるたびに少年のように嬉しそうに、みんなに教えて下さっていました。


●前川勝人さん(京都大学防災研究所)

川遊びのプロフェッショナル。気がつけばいつも、こどもと一緒に遊んでくださっていた前川さん。今回の研修会での本番の2日間は、どうしても都合がつかず、残念ながらご一緒できませんでした。が、いつか、前川さんと鮎喰川で思いっきり遊んでみたい!
 

そして、
●三橋弘宗さん(兵庫県立大学)

水生生物の専門家。水生生物のことだけではなく、本当に幅広い分野に精通されている三橋先生。兵庫県立「人と自然の博物館」では主任研究員もされています。研修会後もいろいろ教えていただいています。

そんなみなさんと、滋賀県立大学で瀧先生のもとで学んでいる学生のみなさんも来てくださっていました。

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それでは
〈その1〉下見編 より


7月31日~8月1日の2日間、川のプロフェッショナルの皆さんが来町してくださいました。
下見が目的でしたが、それ以上の濃密な2日間になりました。

みなさんが到着されてすぐ、持たれた時間が…

●町長から「鮎喰川」のことを聞く

当初は予定されてなかったこの時間。
たまたま起こった“2日前”の奇跡(偶然お会いでき、お話してみたんです!)によって、この時間が実現しました。


・昔の川遊び(魚捕り:季節ごとのいろんな魚の捕り方や、子ども同士で遊んできた時間)のこと
・鮎喰川で魚種が減った原因とは?
・昨今の気候変動について
・鮎喰川への思いや取り組んで来られたこと・・・etc.

このときに、町長から伺ったお話が本当に面白くて。そして、深くて。
(和田さん)「話していただいた鮎喰川のこれまでは、日本の同規模地域の歴史を辿っているよう。」とのコメントも。
町長がお話してくださったこと、改めて皆さんにお伝えできる機会が持てるといいなと思っています。

そして、その後は・・・鮎喰川へ!

●最初は、広野小の下の鮎喰川(本流)へ

 

案内して下さったのは、坂井さん(広野在住:写真左端)。今年の鮎喰川は、どこもかしこも、草やヨシガヤがいっぱいの鮎喰川でした。「川の中からも草が生えてる。こんなになった川は初めてかも?」と坂井さん。

川の中には、コケがたくさんついた石ばかり。

みんなで早速「小さな自然再生」!石を積んでバーブ工(水制)(※1)をつくってみました。

バーブ工をつくることで、流れの変化が生まれる。流れができたところは川床の様子も変わっていきます。

(見えるかなぁ?石積みの上側)流れが緩やかになったところには小さな稚魚たちが集まっています。

滋賀県立大学や鳥取大学から参加して下さった学生のみなさんは、川の生き物を調査中。

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広野小学校では、長年、鮎喰川での「水質調査」を学校での取り組みとして毎年行っています。どんな水生生物がいるか、捕まえてみて、そこから自分たちの目の前の川の水質がどんな様子か知っていく学びの授業。

今回、いろいろな川の専門家が集うこの機会を、これまで長年調査を続けて来た地元の学校のこどもたちとも共有できたら、とまずは広野小の下での下見を行いました。

そして、9月9日(研修会本番前日)、学校での特別授業として瀧先生・和田さん・白尾さんによる「小さな自然再生」の授業が行われました。
(そのときの様子を、11月24日に行われるつなプロ報告会の中で、少しご報告させていただきます。)
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●そして、大久保へ

大久保では、杼谷(とちたに)さん(大久保在住)が大久保地区を流れる上角谷川で、みんなが到着する前にと、捕まえておいてくれた生き物たちとともに、待ってくれていました。
杼谷さんが手にしているのは(見えにくいけど)モクズガニ。
 

お腹にいっぱい卵を抱えたヤマトヌマエビ??だったかな?
(白尾さーん、合ってますかー??)

そして、上角谷川上流へ。

魚を捕ったり、


潜ってみたり・・・


追い込んでみたり・・・

ドローンを飛ばしてみたり・・・

いろんな方法で上角谷川を探索。
 

●そして、夜は座学

神山で取り組んでいる「森林ビジョン」のことや
「景観計画」のことについて聞いていただきました。

そして、瀧先生から「流域治水」(※2)に関することについて、

滋賀県立大学の学生の早崎さんからは、
・100年に一度の大雨が降った場合
・200年に一度の大雨が降った場合
に起こる神山での浸水の状況について、シミュレーション。
その様子を説明してくださいました。

遅くまで本当にありがとうございました。

翌日は
●WEEK神山の下の鮎喰川(本流)へ

 

WEEKの下の川には、湧き水が出ているところがたくさんあって。

 

湧水が出ている指標となる水生生物(うーん、名前が「・・・」 白尾さーん!)

こどもも一緒に楽しみました。

●そしてさらに、上角谷川へ

川の図書館がある、コットンフィールドキャンプ場の森さんに、上角谷川の下流を案内していただきました。

森さんがこどもの頃、よく遊んでいたという場所。とっても綺麗・・・。

川の中では、岩にはりつくヨシノボリ。

アメゴ(神山ではアマゴ→アメゴと呼びます)にも出会えました。

そして、最後はみんなで「小さな自然再生」!
下見・・・ではないくらいの時間を過ごした2日間だったこと、分かっていただけたでしょうか?

そして、下見を終えた振り返りの中で、前川さんが伝えてくださった言葉です。

「地域の川は、その地域の人が一番川のことを見てる。町のことも見てる。あと文化的なことも分かってる。地域の人から出てくることを大切にして、発信していって、行動に繋げていく。それが推進力になると思う。」

「この先を神山の先達とともにつくろう!」
改めて強く意識した時間となりました。

本番編1日目へつづく)

 

(※1)水制
水の流れを操る昔ながらの方法。釣り針の返し(バーブ)にも似ているから、バーブ工ともいう。

(※2)流域治水
気候変動の影響による水災害の激甚化・頻発化等を踏まえ、堤防の整備、ダムの建設・再生などの 対策をより一層加速するとともに、集水域(雨水が河川に流入する地域)から氾濫域(河川等の氾濫により浸水が想 定される地域)にわたる流域に関わるあらゆる関係者が協働して水災害対策を行う考え方

 

 

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田中 泰子 (神山つなぐ公社 安心な暮らしづくり担当)

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