「まちの風景づくり一緒に考えませんか?」開催報告_Ep.6
住まい2023年1月16日
皆さん、こんにちは。今日の「まちの風景づくり一緒に考えませんか?」開催報告は第4回のゲストにお迎えした田瀬理夫さんの回(第2弾)になります。
神領にある大埜地の集合住宅。田瀬さんはここのランドスケープデザインを担当しました。勉強会では田瀬さんがどういう点に留意しながら設計にあたったのかお聞きしました。今日はそれについてご紹介します。
昨年、大埜地の集合住宅で、キッズデザイン賞(審査委員長特別賞)とグッドデザイン賞(BEST100)をいただきました。
第16回 キッズデザイン賞 https://kidsdesignaward.jp/search/detail_220462
2022年度 グッドデザイン賞 https://www.g-mark.org/award/describe/54067
神山つなぐ公社の代表理事の馬場さんが、グッドデザイン賞を受賞した際に詳細に説明しているので下記のURLにある動画に是非アクセスしてみてください。
https://sansuigo.jidp.or.jp/babatatsuro/
田瀬さんが勉強会の際に述べていたデザインのポイントは次の4つです。
1,鮎喰川に開く
集合住宅の周囲は川に背を向けている建物が多かったため、鮎喰川に向けて建物を開くことを大切に設計したそうです。
2,あるものを活かす
大埜地の集合住宅では、コンクリート解体ガラをそのまま廃棄するのではなく、建材として再利用しています。更に、材料は特別なものは使わず、神山の木材、土、石、植物で住まいを作っていきました。
解体ガラについては下記の動画で説明されています。
https://www.youtube.com/watch?v=lLGSWSLzVm8
3,車からの解放
集合住宅として一番必要としたことは、子供が車から解放されることでした。敷地内に車を入れないことで、子供の領分が得られ、自由な振る舞いが外でされることを想定して設計がされています。
4,自分たちで手を入れる
“大埜地の集合住宅では、地域の植生を活かしながら、楽しい原っぱを育ててゆくことを目標に、入居者や鮎喰川コモンの利用者の皆さんと「選択除草」を進めています。刈払い機で全ての種類の草を一気に刈りとってしまうと、生長の早い外来種が再び繁殖しやすく、種を大量に飛ばして、どんどん増えてしまいます。選択除草では、そういう繁殖力の強い草を先に選択して抜き、それを何年か繰り返すと在来種が多い草地になり、機械で刈ってもよい状態を保ちやすくなっていくことを期待しています。”(https://www.town.kamiyama.lg.jp/co-housing/green.htmlより抜粋)
以上が勉強会の際に田瀬さんが述べていた4つのポイントです。最後に勉強会ではない別の機会にはなりますが、田瀬さんが述べていたとても良いお言葉を記して終わりたいと思います。
「外国やよそから運び込んだ建材ではなく、近くで伐った木で地域の大工さんたちと建てる。緑地の草や木や花も、近くの山で採った種や実生を、町の農業高校の生徒さんたちと育ててゆく。周囲の世界や足元に「ある」ものでつくる、心地が良く、自然で無理のない、長続きする空間創出の方法。お金より時間とあとちょっとした手間をかけると生み出せる価値のあり方。」
知れば知るほど奥が深い大埜地の集合住宅に関してはこのin Kamiyamaで多数掲載されていますので、検索窓から「大埜地の集合住宅」と入力し、是非ご覧ください。
小池 裕子 (神山つなぐ公社)
こいけひろこ/ 神奈川県横浜市出身。2022年5月から神山つなぐ公社で「すまいづくり」を担当しています。好きなご飯は白米です。毎日美味しいと思ってます。
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