ぬくもりある木と暮らす 神山杉の家 伐採・製材所見学ツアー2022 開催レポート

住まい2023年1月18日

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投稿者:馬場 達郎

(神山つなぐ公社 代表理事)

2022年11月に、神山の木で家を建てる一連と魅力を知ってもらうためのツアーを行いました。
この企画の発起人であり、企画・準備・運営に携わってくれた池辺友香子さん(いけべ建築設計室)が、当日のレポートを町内の回覧版向けに書いてくれたので、こちらでも、その内容をご紹介させてください。

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2022年11月19日(土)、神山町林業活性化協議会・神山つなぐ公社は、神山杉の家づくりを少しでも多くの方に知ってもらいたいと、徳島中央森林組合・左右内製材所の協力のもと、ツアーを企画しました。
当日は、とても気持ちの良い秋晴れの中、町内外から親子連れなど、15名でのツアーとなりました。

木の家づくりのはじまりを体感する

まずは、森林組合さんが実際に作業されている高根山の間伐作業の現場へ。
道中、山の状態や手入れの大切さ、それが私たちの暮らしに繋がっていることを伺いながら向かいました。実際に、人の手で伐採する瞬間と機械で長さを整える「玉切り」の作業を見学。
プロセッサという機械で、1台なんと1800万円。おかげで、重労な枝払いから玉切りまで効率よく作業することができるそうです。
伐採の瞬間は、大人も子どもたちも息をのんで見守っていました。どしんっと伐り倒されたあとには、拍手が。ここから木の家づくりがはじまります。


現在、森林組合さんの作業班は、一班だけとのこと。広い町内の山々をたった一つの班だけで作業されていることに、ほんとうに驚きました。技術員の小坂田さんは、「林業は正直、危険も伴う大変な仕事だけど、林業が好きだから」と仕事への想いを語ってくださいました。


丸太から建材になるには

左右内製材所では、伐採された木が建材になる過程を、図や、作業を見せてもらいながら教わりました。見落としがちな木を乾燥させるという工程や、実際に製材された建材の、杉とヒノキの性質や使用した時の雰囲気の違いなどを知ることができました。

木は、一見同じようでも、曲がり方など一本ずつに〝くせ〟があるようで、それを見極め、製材するのが腕の見せどころだということです。
「まだまだ親父には及ばないな」という当日の三辻さんのお話から、木を扱う仕事の奥深さを感じました。

神山杉の家づくりへの想い

ここまで木が伐採され、建材になるまでを見学してきました。この木材を使って、どのような住まいができるのでしょうか。神山町産材で家づくりをした方と設計を担当された、その建築設計工房の赤尾苑香さんにお話を伺いました。住まい手の方からは、木の家づくりを選んだ経緯やこだわりについて。赤尾さんからは、木材を活かす設計の手法や町の大工さんの技術について、完成した住まいの写真や設計図で、丁寧に説明くださいました。

おじいさんの木を使ったり、冬の暖房に山の整備の応援になればと、薪を使ってあたためるペチカ(暖炉)を選んだという住まい手の方の想いや、建築士さんのあらゆる視点で工夫された設計のお話が印象的でした。


神山町には、地域材を扱う製材所をはじめ、木を扱う技術を持った大工さん、建築士さんがいます。つまり、地域内で、安心して木の家づくりができる環境があります。ぜひ、神山杉で住まいづくりをしてみませんか。(おわり)

 

関連記事 イン神山 ほぼ月報 2022年10月号 「生きているものを使う」目で見て、匂いを感じ、知る、神山の木の家づくり。
関連サイト 神山杉 KAMIYAMA CEDAR

お問い合わせ
神山町林業活性化協議会 問い合わせフォーム
一般社団法人 神山つなぐ公社  メール:contact@tsunagu-local.jp 

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馬場 達郎 (神山つなぐ公社 代表理事)

神山町出身/1983生 6年間の会社勤めの後、神山町役場へ入庁。総務課で地方創生の担当として、2020年度神山町創生戦略の第2期の策定を担当。現在、戦略の推進のため一般社団法人神山つなぐ公社に出向。

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