【神山校のいま】新入生合宿レポート/前編

学び2024年4月26日

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投稿者:野村 勇希

みなさん、こんにちは。
神山つなぐ公社ひとづくり担当の野村です。

4月18日-19日神山校では、「新入生合宿」を実施。生徒、先生、公社のひとづくり担当メンバーで2日間、たっぷりと共に過ごしました。

なかなかに面白いものになったので、その様子をレポートします。

※自分自身の振り返りも含めて、夢中になって書いていたら、とんでもない量になってしまいました…。でも削りたくない気持ちもあり…。前編・中編・後編の3部構成にし、少しづつ公開していきます。長いなぁという人は写真だけでもぜひ見ていってください。


〈1日目〉
全体で集合して、挨拶と、合宿の目的の共有から。今回の新入生合宿の、生徒に共有した目的は「一緒に遊ぶことを通じて、お互いのことを知り合うこと」。

入学して1週間ぐらいの生徒たちは、まだ話せていない人がいたり、お互いのことを知り合えていない状態です。この2日間、様々な活動を通して、この学年にどんな人がいるのか、色んな面を知り合うことを目指します。

「遊ぶこと」という文言、なかなか授業では見ないかもしれません。見る人によっては大胆と思うかもしれませんが、僕たちはとっても大事だと思っています。

実は昨年から合宿の講師をKAIさんにお願いしています。KAIさんにはPA(プロジェクトアドベンチャー)の時間をお願いしました。

■KAIさんのプロフィール
甲斐崎博史(KAI)。学校法人軽井沢風越学園にて、アドベンチャープログラムを担当。日本アウトワード・バウンド協会理事、西多摩PACE主宰。

■PA(プロジェクトアドベンチャー)
アメリカ生まれの教育プログラム。元々はアウトバウンドスクール(OBS)という冒険教育団体の流れを汲んでいる。不確定要素の多い自然での活動を、より身近で安全に体験できるようにするため、学校教育用に開発されたプログラム。

KAIさんの自己紹介の後、早速アクティビティの始まり。最初は手遊びから。

「右手をグーにして前に出す。左手はパーにして胸に当てる。これをせーので入れ替えるよ。せーの、よいしょ!」「そしたら次は3連続。せーの、よいしょ!よいしょ!よいしょ!」

「次は少し難しくするよ。入れ替える時に拍手を入れます。せーの、ぱちっ、よいしょ!またまた3連続。せーの、ぱちっ、よいしょ!ぱちっ…」

「次はもっと難しく…」

このように、少しづつチャレンジレベルが上がっていきます。そうすると、エラー(失敗/間違い)も多くなっていきます。

そこですかさずKAIさん「いろんなところでエラーが起こってたよね。それでいいんだよ。周りの人で、エラーを見てバカにしたりする人はいなかったよね?エラーをしても笑ってすまそう。そして、次のチャレンジにすぐに取りかかろう!」

活動がうまくいった、うまくいかなかった、なんてことよりも、自分や周りで何が起きていたのかに着目する。起きたことをじっくり考えてみる。そういったプロセスの中に学びがあるんですよね。

続いて、じゃんけんを使ったアクティビティ。

先生や公社メンバーも参加します。

今回の新入生合宿ですが、先生方と公社メンバーで「1日目は大人も生徒と一緒に活動に参加するということを大事にしたいね。」と話していました。

一歩離れて見るのではなく、中に入り、その場の熱を高める存在であること。自分たちがまずは楽しく過ごすこと。特にまだ関係性ができていない1日目は、大人からあたたかく楽しい場づくりを率先してつくっていきました。

続いて、鬼ごっこ。体育館に貼られたテープの上だけを移動できるというもの。

楽しそう。体を動かすことによって、場の熱量も一気に高まってきました。

続いて、カードを使ってのアクティビティ。いろんな絵柄が描かれた中から、お互いのカードに共通する絵柄を見つけるというもの。

卒業生、りのちゃんもスタッフとして参加してくれました。関わってくれたことがとっても嬉しい。

次のアクティビティはサークルになって「パタパタ」。スポーツ観戦でよくあるウェーブの要領で手をたたき、まわしていきます。

​​

最初の1周は8秒33。「目標タイムをどうする?」とKAIさん。1人の男子が「5秒!」と元気よく発言。周りの生徒は口に出さずも「えー、いけるかなぁ…。」という表情。

「5秒を切るためにはどんな工夫ができる?」とKAIさん。「体勢を低くするのは?」「他の人をよくみること!」「いちにーと数える!」いろんなアイディアが出てきました。

「じゃあそのアイディアをやってみよう!よーい、スタート!」

「ストップ!結果は4秒40!」「おおー!」という声や「早くなってる!もう一回やろう!」という声が。

「もう一回!よーいスタート!ストップ!」「結果は3秒38!」
「おー!もっといけるんじゃない!」「それぞれの距離を縮めると早くなるかも!」

やればやるほど、工夫するほどに、どんどんタイムが短くなっていきます。

「じゃあラストチャレンジ!よーいスタート!ストップ!」「結果は2秒58!」
「おぉー!!!!」「やったー!!!!」

ガッツポーズ。

このメンバー全員での最初のチャレンジ。最初は難しいと思えたチャレンジでも、協力して達成することができました。こういった成功体験を積み重ねることって、とても大切ですよね。

その後は「ビート」というアクティビティ。ペアやチームで手拍子をします。

人数が増えるほど、チャレンジレベルが上がっていきますが、何度も何度もチャレンジを重ね、エラーが起こっても笑ってすませている姿があちこちにありました。彼らにはとっても力があるなぁと感じた瞬間でした。

ここでPAのアクティビティは一旦終了。

次はまちあるきです。

1日目の宿泊場所であるコットンフィールドへの移動中、お互いのことを知り合ったり、まちのことを知る時間です。

どんな活動がいいだろう?と、先生方と一緒に頭を悩ませました。そこで出てきたアイディアが「まちあるき×36チャレンジ」。36個のミッションにグループでチャレンジをしながら、まちを歩く活動です。

ミッションは先生方と楽しみながらつくっていきました。

ミッションの中には、場所の写真を見つけるというものも準備しました。みなさん、どこだかわかりますか?

説明を終えて、「では行ってきてください」と話すと、各グループすぐに出発。

早速、「みんなが川に足をつける」ミッションに挑むグループ。

川の中で「ロックバランス石を10個積む」ミッションに挑むグループ。

まちを練り歩き、

鮎喰川コモンのスタッフの方にサインをもらったり、

大久保乳いちょうの前で集合写真を撮ったり。

そして、コットンフィールドに到着。全チーム25個ぐらいのミッションを達成して帰ってきました。楽しんで考えたミッションを、生徒たちが楽しんでくれたようで何よりでした。


前編は以上です。ここまで読み進めてくださり、ありがとうございました。

アクティビティを通して見えてきた、生徒たちの目線、姿勢、反応、言葉、関わり方などから、前向きな感じがビシビシと伝わってきました。

ここまでで、一番印象的だったことはある生徒が話してくれたこと。

その生徒は、午前のアクティビティが終わった後、KAIさんの元にトコトコと寄っていき、「神山校に入って本当によかった。」と話してくれたそう。

入学して、不安な気持ちもあったと思うし、環境の変化も大きいはず。大人になると忘れがちだけど、想像するとそうだよなと。

この短時間でも、あたたかい場で、いろんなメンバーと関わり合えて、「入ってよかった。」と言ってくれたことが素直に嬉しいなと思いました。伝えてくれたのも嬉しかったな。

このあと中編、後編と続きます。生徒達の様子や変化をぜひ読んで、関心を寄せてくださるとうれしいです。

《おまけ写真》

先生も公社メンバーも楽しそうで何より。何事も楽しくないとね。

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野村 勇希

のむらゆうき/福岡県田川市出身。公社ではひとづくりを担当。高校との連携や、高校の寮「あゆハウス」に関わっています。

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