藤本さんがサドルカバーをなおしてくれた

なんでも2019年5月9日

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投稿者:西村 佳哲

先日、藤本直紀さんの展示というか出店というか、GW中の豆ちよ焙煎所でひらかれた『神山でつくること、なおすこと』展に、コートの袖のお直しを頼みに寄ってきた。

窓際のミシンはディスプレイでなく現役で、一人のときは店番しながら、手仕事に励んでいる様子。作業中の自分のコートが横の棚に見える。

この展示出店は5/10(金)明日まで。シャツのオーダーも受け付けていて、ご注文けっこう入ったとか(人づての噂)。この1年の直紀さんの活動報告でもあり、彼がシャツや服を仕立ててきた人たちのポートレートも壁にあった。シャツ、僕もお願いしよう。

コート預けて帰ろうとしたら、自転車のサドルカバーがボロボロになっているのに気づいて「直しましょうか」と話しかけてくれた。『買い換えなくちゃ…』とダサイことを思っていたので、「直せるの!? ぜひ!」と。

コットン系の衣類と違って、アウトドア用のテクニカルウェアは化学系の素材が多く「直す」発想になりにくいのか、サドルカバーも同じように考えていたことに気づいた。こんな具合だったのですが…。


ほどいて、中の防水素材も入れ替えて、縫い重ねて。そうだよね、どんなに化学素材でも「縫い物」だものな。直せるんだ。(以下、作業中の写真提供は直紀さん)

柿渋染め(染昌)の厚いキャンバス地で仕立て直してくれた。すごい嬉しい。すごい嬉しい。
値段を訊くと「1,500円で」と言うので、交渉し、1,800円にしてもらいましたよ。

藤本さんは、昨年夏の「たつけ」の合同仕立て会でも、神山の女性たちの針仕事支援で活躍していた。(あの日の感動は別のサイトに書いた>「自分でつくる文化」の話)

今年に入ってから、地元の人がひらいている「てくてく栗生野」という民設の公民館のような場所で、地元のお母さんたちと、「ちくちくの会」という手仕事の集いもはじめているみたい。(写真は直紀さんから)

手仕事はポータブルで、どこにでも行けるし、場合によっては電気も要らない。フェアトレードを通じて女性たちの仕事づくりを重ねてきたネパリバザーロの土屋春代さんが、「いちばん大事で身になる仕事」だと以前聞かせてくれた(彼女が通っているネパールは停電も多い)。

電気の話はともかく。手仕事の好きな若手が、まちに越してきて(一年ちょっと前)、地域で暮らしてきた人たちとヤイノヤイノのやっている様子は楽しい。通りがかりの整体師のようにサドルカバーも直してくれたりして。ありがとうございます。
いろいろ考えているみたいですよ。すごいなあ。展示出店は明日10日までやっています。

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西村 佳哲

にしむら よしあき/1964年 東京生まれ。リビングワールド代表。働き方研究家。武蔵野美術大学卒。つくる・書く・教える、大きく3つの領域で働く。元神山つなぐ公社 理事(2016〜21)。著書に『自分の仕事をつくる』(晶文社/ちくま文庫)、『ひとの居場所をつくる』(ちくま文庫)など。

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コメント一覧

  • […] ン神山」に書いてくれました。 https://www.in-kamiyama.jp/diary/38796/ […]

    2019年6月5日 00:22 | 2019.5.10 なおして使うこと。 - 日々のこと - kuluska(クルスカ)

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