Day 2 ルーさんと歩く山:上分/川又南岸
なんでも2020年12月14日
古い路を見つけながら山を歩く、ルーさんとの週末。二週目。この日10月末のメンツには女が多く(女子とか言うの面倒くさい)、進まない進まない。道端の草花にいちいちしゃがみだす。ルーさんは笑っています。
アケボノソウ。
登る路は、最初のうちこんな感じ。
沢を越えて。上の山林が明るい。
不自然に平らな場所に出た。なにかしら人の営みがあったのだろうけど、住まいの跡はない。「ここはなに」「神社の奥宮?」。わからない。地面にボコっと大きな穴が空いていた。「冬眠のあと(熊の)?」「いや…」。わからない。
入るんだ!(驚) 一緒に行く人で、旅は変わりますね。
さらに上がるとこんな間伐のあと。本来、陽当たりのいい明るい斜面地。でも南斜面は水が枯れやすく、杉や檜も成長が早くて目が十分に詰まらないのだと誰かが話していた。
ルーさんにとってこの辺は、すでに何度か歩いているエリアだ。でも私たちの少し先や後ろを歩き回りながら、昔の暮らしの痕跡を探している。石で蓋をした井戸があった。
私は井戸怖いけど、ルーさんは怖くないようで躊躇なく開ける。お願いだから早く閉めてください。
さらに登ると城跡のような石積み。上側に、住まいを建てる平らな土地をつくったんだろう。一部が崩れていて中が見える。奥まで石の積まれた厚い構造。大変な仕事量。
80年とか100年くらい前の人々の? もっと前の? 明治・大正の日本人の平均寿命は44歳で、江戸時代はさらに短かかったそうだ。質素な食事。寒い家の生活。日々とてつもない作業量をこなして。昔の人が短命だったのは当たり前だな。
明るい尾根筋の路が見えた。高速道路のよう。
でも積み重なった倒木や枯れ枝で、すぐわかりにくくなる。エッジに積まれた少量の石など、人の仕事の跡を手掛かりに歩く。路を見つけながら歩くのは楽しい。
だいぶ下に降りてきた。沢水のスーパーハブ。集落が近い。
出発地点の神社に戻りました。どう歩いてどこに出るかわからない山歩きだけど、前回もここから入ってここに出た。境内はいろんな小径の起点になっていて、それで自然とここに戻りやすいんだろう。すべての路は神社につづく、みたいな。
今回は全部で3時間ほど。古道整備の話は少し忘れて、愉快な仲間と探索的に歩く面白さを、ただ楽しんだ。次は昔の修験道を歩いてみようという話に。Day 3 につづきます。
西村 佳哲
にしむら よしあき/1964年 東京生まれ。リビングワールド代表。働き方研究家。武蔵野美術大学卒。つくる・書く・教える、大きく3つの領域で働く。元神山つなぐ公社 理事(2016〜21)。著書に『自分の仕事をつくる』(晶文社/ちくま文庫)、『ひとの居場所をつくる』(ちくま文庫)など。
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