風習という声
しごと2016年1月22日
こんにちは、今回の担当は7期生の聖母風のドラ猫(?)・まっきーがお送りします。
1月も半ば、暖冬と云われていた神山の冬もようやく本来の寒さを取り戻したようで、ここ数日は雪景色も味わうことができました。
そんな冬の神山で出会った「昔から伝わる風習」をテーマに書いてみたいと思います。
先日、お正月の帰省から神山に戻るとハっと目にするものが…!それは今まで見たことがないタイプのお正月飾りでした。それがこちらです↓
現在、下宿で滞在させて頂いているお家の水場(台所など)や玄関に、普通のお正月飾りとは別に飾ってあったのです。見慣れないその飾りとデザインに興味が湧き早速、下宿先のお父さんに話を聞いてみると『これか、これ全国的にやってるんちゃうん?主に水場に飾るもので、神社のしめ飾りを丸く円にした形になっとるんよ。』と、教えて下さいました。
ただ、なんという名前の飾りなのか、等は謎のまま。塾生メンバー何人かにこのデザインのしめ飾りのことを聞いてみましたが他の県でも見たことがあるという話はありませんでした。おそらくですが、この辺り独特のものなのではないか、と。
このことに興味が湧き、町の方々にこの独特な飾りについて話を伺ってみると幾つかのことがわかってきました。
・植物はウラシロカシを使い、裏面の白い部分を表にする。(白=縁起がいいと考えるため)
・ウラシロカシは縁起のいい数字八のデザインに。(末広がりに良くなるという意)
・今は他のお正月飾りと一緒に購入する人が多いが、昔はウラシロカシを山に採りに行ったりしていた。場合によっては眉山エリアまで採りにいったり。
・年末に「今年はこれで〆ます」という意味で、車のバックナンバーに付けるケースも。(ただし、それは少数派なのではという話が)
思い返せば、子どもの頃は確かに車のバックナンバーやミラー部分にもお正月飾りを飾っている人も多かったように記憶してますが、気づけば最近ではあまり見かけなくなったように思います。
今回取り上げた独特な飾りもの。本来の名前は現在わかってないのですが、(ご存知の方、いらっしゃいましたら教えて頂けたらうれしいです)水場に飾るとなると、水の神さまへの感謝や、日々の安全を願って、ということなのでしょう。
伝統や風習。
「そういえば。」という形でそっと存在し、「そういえば、最近見ないね。」といって消えていくモノたち。
時にそれは面倒なものとされ、簡略化されがちな今という時代。けれども自然や日々の出来事、季節の節目に感謝や祈りを込めて生きていただろう先人たちの想いの先に、今の私たちがいると大切にしたいと思うのです。自分自身、忘れがちだなと思うからこそそう感じるのかもしれません。
過去と現在が交わるところで生まれる声。それらに静かに耳を傾けるということ。
『…あんた、そういった風習とかに興味ありよるんで?わたしも最近は忘れてきてしまったんよ……ほなけん、何か思い出したらまた話したるわ。』
下宿先の80代のお母さんが話してくださいました。私もおばあちゃんになったら、そういったことを話しているのかもしれません。
目にはみえない囁く声を、感じとる時間と心を大切にしたいと思います。
次回のブログは自然や野菜を愛する「みっきー」がお届けします。どうぞお楽しみに!
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2016年2月8日 20:32 | ニコライ