地域性を表現する公営住宅づくり、協働設計者の募集

しごと2016年5月16日

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投稿者:西村 佳哲

3 DAYS ミーティング 6/17~19
Kamiyama Work in Residence Scheme

*お申込みの受付は終了しました(6/5)

神山町では、2018年春の竣工を目指して、あたらしい集合住宅づくりをすすめています。

建築設計には、環境共生型の住宅設計経験が豊かな山田貴宏さん(ビオフォルム環境デザイン室)を。
ランドスケープデザインには、在来種をはじめ、地域資源を活かした景観・植栽形成を数多く手がけてきた田瀬理夫さん(プランタゴ)をむかえ、基本計画を検討してきました。

2016年7月から始まる設計・工事期間にむけて、彼らや私たちとともに協働する設計者、約3名を募集します。
うち2名については、〝工事期間中(2017年5月〜2019年春)、神山で暮らしながらともに働く〟ワークスタイルを考えています。

履歴書や書類ベースの求人でなく、
現地に来ていただき、神山の土や水に触れ、
人に会い、まちの最新の状況も感じていただきながら、計画地周辺の様子も確かめて、
山田・田瀬さんや、他のプロジェクトメンバーと話を交わし合う。

その中から、互いによい出会いが生まれることを期待して、3日間の滞在プログラムを準備します。

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開催日時および参加費など

日時: 平成28年6月17(金)~19(日)
集合_17日 12時頃(農村改善センター)
解散_19日 15時頃
ファシリテーター: 西村佳哲、杼谷 学、田瀬理夫、山田貴宏、
大南信也ほか
定員:   12名
参加費:  5,000円
宿泊施設: WEEK
*交通費、宿泊費、昼食費は本人負担・現地精算
*アクセス等の詳細情報は、参加メンバーに別途お伝えします

主催: 神山つなぐ公社(TEL 050-2024-4700・担当 高田、赤尾、西村)
共催: WEEK(神山神領)、神山町

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申込み方法

以下の情報をお送りください。申込多数の場合は、抽選で受け付けます。

・お名前(よみがな):
・連絡用メールアドレス:(複数可)
・連絡用電話番号:
・ご住所:
・ご年齢:
・性別:
・最終学歴および職歴、現在のお仕事など:(概略で結構です)
・参加の動機:
・希望する参画形態:a, b, c(後述/複数選択可)

送付先:  3daysjun2016@tsunagu-local.jp
申込〆切: 6月4日(土)

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この3日間について

神山町は、吉野川の支流「鮎喰川」沿いにつらなる中山間部のまちです。
その中ほど。神領という地区にある中学校の元寄宿舎を解体し(耐震基準を満たしていないため)、若い子育て世代等が中心的に暮らす集合住宅をつくる計画を進めています。

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神山は町域が広く(山手線の内側の2〜3倍)、社会の人口減少も手伝って、子どもたちは学校から帰ると、近所に歳の近い遊び仲間が少ない、あるいはいないことが少なからずあります。

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情操教育の観点からもこの状況を改善したい。近年は共働きの夫婦が増えていますが、近くに構成や年齢の近い家族がいると、互いに助け合いやすいという声もあります。

そこでこの集合住宅は、住民の多様性を大切にしつつ、若い世代や子どものいる親や家族を中心的な対象に据え、たとえば子どもがある年齢に達するまでともに暮らせる環境として計画しています。

敷地は鮎喰川に面し、歩いて数分の範囲に小学校(町内に2校)と町民体育館・町民グラウンドが、対岸には中学校(町内に1校)があります。城西高校・神山分校も徒歩圏に。
地区の小字は「大埜地」といい、「埜」の字のとおり緩やかな傾斜地です。

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集合住宅といってもコンクリート造の団地ではなく、木造・2階建て(一部平屋)の約20戸、+共有施設からなる住宅地です。
工期はおよそ2期にわけて、第1期の竣工は2018年春、全体竣工はその約1年後を予定しています。

建築設計を担当する山田貴宏さんと、ランドスケープデザインを担当する田瀬理夫さん、田瀬さんと協働する鎌田あきこさん(ユニットタネ)の3者は、このプロジェクトの基本設計・実施設計・設計監理をてがける共同企業体を組織します。

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開発主体は神山町。
計画推進のコーディネート役は、地方創生の戦略検討から2016年4月に発足した、一般社団法人・神山つなぐ公社が担います。

今回わたしたち(設計チームおよび神山のメンバー)は、竣工まで神山で暮らしながら、このプロジェクトにともに専念して取り組める仲間に出会いたいと考え、3名の設計メンバーを募集します。

a)建築設計者 1名
b)設計監理工程にも携わる建築設計者 1名
c)設計監理工程にも携わるランドスケープデザイナー 1名

上記 a)の協働期間は、2016年7月~2017年2月頃。設計終了までの参画で、主な仕事場は東京です。

b)の期間は、第一期工事が終了する2016年7月~2018年3月末まで。あるいは第二期終了の2019年3月末まで。工事期間の設計監理等を含む参画で、2017年春頃までは主に東京(ビオフォルム/国立)で、以降は1〜2年現地神山で働きながら、このプロジェクトの立ち上がりを見届けて欲しいと考えています。

c)は、2016年7月から第二期終了の2019年3月末まで。設計監理等を含む参画で、設計期間は東京(ユニットタネ/多摩センター)か神山のどちらかに、監理期間は神山に軸を置いて協働作業を重ねるイメージです。

このプロジェクトで私たちは、「〝日常性・地域性・社会性〟を兼ね備えた、中山間地におけるあたらしい公共住宅づくり」に挑んでいます。
工事の進め方もあらためて見直し、設計業務の進め方や、かかわる人々の働き方についても再検討しています。

神山では15年ほど前から、国際交流の一つの形としてアーティストインレジデンス・プログラムが行われてきました。世界から2名、国内から1名のアーティストが毎年3ヶ月ほど滞在し、まちの人々との交流を通じ作品を制作しています。

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さらに近年はアーティストに限らない多様な人々が、長期から短期まで、滞在しながら働き、暮らし、地域の人々と力や時間を重ねる機会が増えており、これらを「ワークインレジデンス」と呼んでいます。
その流れもあり、集合住宅プロジェクトの設計業務について、ともに暮らしながらともに働く「レジデンス・アーキテクト」「レジデンス・ランドスケープデザイナー」を募集してみようと考えた次第です。

私たちが募集メンバーに求める資質としては、CADやエクセルを含む基本的な実務能力をベースに、以下のような事項があります。

山田貴宏さんが建築設計者に求めるもの ⋯ a, b)
・木造の建築設計の経験値(目安として5年前後の実務経験が望ましい)
・建築に限らず周囲の環境や自然にも興味があり、広く〝場づくり〟に関心を持っている
・設計作業だけでなくプロジェクトマネージメントの意識をもって働ける

最初の「5年」については、山田さんいわく「住宅設計の場合、5年ぐらいで一通りの仕事が経験できます。各所納まり等の知見があり、かつ自分なりの判断で物事を進めてゆく状況が期待できると思って」とのこと。

ハウスメーカーのそれとは違う、自然な木造の住宅設計にたずさわりたい設計者はかなりいるのだけど、そういう仕事を出来る機会は限られていている。
今回は木材に限らず、地域の自然資源を活かして建てる住宅で、建て方についても、地域の大工さんたちと一緒に出来るあたらしい形を模索している。かつ単体の家でなく、数棟で構成される住宅地づくりなので、より全体的な環境づくりにかかわれる貴重な機会だから、やってみたい!と思う人いるんじゃないかな? とも交わしています。

田瀬理夫さんがランドスケープデザイナーに求めるもの ⋯ c)
・「中山間地域の未来づくり」をテーマにしたランドスケープを目指す
・「集合住宅に住まう」ということに、ランドスケープの視点を持って向き合える
・建材や植物を持ち込まず、〝流域のものだけ〟でデザインすることに意欲がある

今回のプロジェクトでは、設計と施工(植栽作業を含む)と監理、さらに敷地外に広がる中広域のフィールドワークやプランニング、そして教育もランドスケープデザイナーの仕事に含まれます。

たとえば教育について書くと、神山には農業高校の分校があり造園土木科の学生たちがいます。今年の秋、彼らと山に入って種取りをし、分校の育苗ハウスで発芽させて、苗を育て、約2年後に敷地内に植え足してゆくような、地域校の教育プログラムと住環境づくりを掛け合わせる試みが計画されています。
これまでの「設計業務」の常識や枠組みにとらわれずに、より全体性のある「ランドスケープデザイン」を、自分の仕事や働き方、ときには暮らしを通じて組み立て直してゆく数年間になると思います。

実務のイロハから教えている余裕はないので、造園やランドスケープデザインの仕事を成り立たせる、基本的な知識や経験量は欲しいと思っています。が、なによりも大事なのは、このプロジェクトに全力投球できるかどうかではないか、という話を交わしています。

神山つなぐ公社が求めるもの
・人と人、人と自然、人と社会の〝関係性を豊かにする〟ことに関心がある
・物事に対する好奇心があり、変化への柔軟性がある
・中山間部における〝これからの営み方〟の実現に、神山で、楽しんで取り組みたい

田瀬・鎌田・山田さんたち、プラス町や公社との協働機会です。
ご自身の作家性の発露や、作品づくりための機会ではないことをご了解ください。

給与は20万円/月以上(社会保険・労働保険を含む)。
東京、および神山におけるオフィスや住居については、現地で(この3日間の中で)説明・提案し、話し合いたいと考えています。お住まいの場所も多様かと思うので、子細については応募者側の事情を鑑みつつ、手当など個別に相談させてください。業務のスタートは2016年7月冒頭となります(応相談)。

田瀬理夫さんや山田貴宏さんたちとの仕事を、集合住宅プロジェクトのほかにも、いまいろいろな動きが立ち上がり始めている神山町で、真剣に楽しんでみませんか。

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このまちは近年テレビや雑誌等のメディアで紹介していただく機会が多く、まちで暮らす人々もそれを楽しんでいますが、伝わらなさや一面性を感じることもあります。
地域のありさまは、より多面的で多層的で、住民にもその全てを把握している人はいません。

今回の集合住宅づくりは、神山町にとって、昨年から始まった「まちを将来世代につなぐプロジェクト」の大切な一部分です。

その実現には、知識も能力も経験も必要です。が、到底個人では成し得ない仕事ですから、かかわるメンバー同士の相性も大切にして取り組みたい。
その仲間と出会うには、実際に会って時間をともにしたいし、ぜひ訪れて空気に触れ肌が馴染むか確かめていただきながら、互いに気持ち良く判断を進められるといいのではないかと考えました。

この3日間を選考会でなく、より納得度高くつながるための時間として開きたいと思います。
心が動いた方は、ぜひご参画ください。

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プログラム(予定)

● 6/17(金)
12:40頃 神山集合、昼食、オリエンテーション、計画の説明
14:00~18:00 フィールドワーク、現地視察(+温泉)
19:00 夕食
20:00 大南信也「このまちの、昨日・今日・明日」

● 6/18(土)
6:00~8:00 ラピッド デザイニング・1
08:00 朝食
09:00~12:00
西村佳哲・杼谷 学「神山:これからの状況と方法」
山田貴宏「環境の中にある建築」
田瀬理夫「〝日常性・地域性・社会性〟の表現としてのデザイン」
12:00 昼食
14:00~18:00 ラピッド デザイニング・2、ショートレビュー
19:00 夕食
20:30~ 居住するかもしれない人たちとの対話

● 6/19(日)
08:00 朝食
09:00 協働メンバーの募集について
12:00 昼食
13:00~15:00 その他、チェックアウト、終了

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問合せ:一般社団法人 神山つなぐ公社
TEL/FAX 050-2024-4700

以下は3日間の滞在拠点となる「WEEK」や、最近の神山の写真です。参考まで。

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西村 佳哲

にしむら よしあき/1964年 東京生まれ。リビングワールド代表。働き方研究家。武蔵野美術大学卒。つくる・書く・教える、大きく3つの領域で働く。元神山つなぐ公社 理事(2016〜21)。著書に『自分の仕事をつくる』(晶文社/ちくま文庫)、『ひとの居場所をつくる』(ちくま文庫)など。

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