短期連載コラム/第5回「コモンの本棚、ついに擬人化しちゃうらしいよ。知ってた?」

なんでも2023年10月21日

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投稿者:やすともゆうこ

実は今、静岡を旅しています。
道中、冷凍のシーラカンスに出会えました。
それは、私の最も憧れているお魚で…涙が出るほど感動しました。やすともゆうこです。
あっという間に本コラムも第5回。もしかして、第1回からついてきてくれている?
そんなことがあったなら私は、もう嬉しくて飛び上がってしまうよ!

Back number
第1回「私がコモンで出会ったもの。
第2回「司書になれなかった全ての大人たちよ、ここに集え。
第3回「なんとも初々しい、コモンの新書たち。の香り?
第4回「コモンで司書になる体験、後日談。私の長くて短い一日


むしろ、大人にこそ来て欲しいのだ。

「コモンでであう、本と人。」
みんな!応募はもう済ませたかい!?
まずは開催間近なイベントのお知らせだ。
10月28日土曜日には、「児童文学作家くすのきしげのりさん講演会」がコモンで開催されるよ。
くすのきしげのりさんってどなた…?という方に向けて、少しご紹介。

くすのきさんは、徳島県鳴門市在住の絵本・児童文学作家さんだ。
2011年から、児童文学作品を中心とする様々なジャンルの創作活動を本格的にスタート。現在、200を越えた著作たちは、海外でも広く読まれているそう。
代表作「おこだでませんように」はもちろん、くすのきさんの文章の中に居る子どもたちは、皆とても躍動的で、その心象風景が非常にリアルだ。
読み進めるうちに自身の幼少期が思い起こされ、胸が詰まったり、温かくなったりする。
作家活動を本格的に始める前には、小学校の教育現場にも身を置かれていたようで、そういった過去の経験も作品たちに反映されているのかもしれない。

現在、コモンの新書コーナーや、本の廊下付近にも著作の絵本が並んでいる!

もう手に取ってくれた方もいるのかな?
前述した「おこだでませんように」もこちらで読むことが出来る。
くすのきさんは主に文章を書かれているため、様々な方の絵で作品を楽しむことが出来るのも、おすすめポイントの一つだ。

そんなくすのきさんの講演会は、「いっぱい笑って いっぱい泣いて 心があたたかくなる講演会」。
この文章だけでもすでに泣けそうだが、実際の講演会は確実に泣くと思う。
公式ホームページにもイベントについて書いてくださっているので、是非読んでみてほしい。沢山の著作を知ることもできる。実はアナタが読んでいたあの本も、くすのきさんの作品かも?

大変魅力的なこちらのイベント、定員は45名程度で先着順となっている。
しかし安心して欲しい、まだ空きはある!こちらから簡単に応募できるよ。
小さなお子さんと一緒にはもちろんのこと、中学生も高校生も、大人だけの参加も大歓迎。
あらゆる世代のまちの人みんなで講演会を堪能したい…。
今からとても楽しみだ。もちろん私も参加するよ!
絵本というと、「大人には向いていないよね…。」と思ってしまう方もいるかもしれないが、私はむしろ、大人にこそ来て欲しいのだ。
幼い頃のあなたの気持ちを一緒に思い出して、あったかくなってみませんか。
講演会の日までに、次回のコラムで著作をご紹介したいと思っている。
10月28日までコモンに来られそうになくて、予習ができない人もきっと楽しめるはずだ! 


それはもう、重力すら変えてしまうほどの。

そして現在コモンでは、「みんなの本でつくる、コモンの本棚」という企画が開催中。
その名の通り、まちの皆の本でコモンに本棚を作っちゃおう!ってイベントだ。
そういえば、多数の人が好きな本を持ち寄って出来た本棚って、あまり見たことがない気がする。
これまた私にとって、どうやら初体験のようだ。
コモンスタッフさんは本当に、いつも楽しいイベントばかり企画してくれる。
これも、コモン七不思議のひとつかもしれない。もうひとつが知りたいあなたには、第3回コラムもオススメです。

そんなわけで現在本の廊下には、総勢15グループの棚が仕上がっているよ。
それぞれの本棚にはなんとお名前が。これがまるでお宿のようで、とても素敵!
本当に、コモンらしい。

少し広めの棚には、今回のスペシャルサポーター、ほんのひろばさん、神山まるごと高専さん、城西高等学校神山校さんの本達がやって来ている。
個性豊かな本で埋められたスペースの中に、それぞれの活動する様が浮かんでくるようだ。

そして他の12グループは、神山町内から応募してくれた個人の方がほとんど。
個々に割り振られたスペースは、たったの34cm×32cm×27cm。
だがされど34cm×32cm×27cmなのだ。それは、見れば必ず分かることだと思う。
まるで、本棚が生命を持ってしまったかのような、とてつもないエネルギー量なのだ。
スタッフともこさん曰く、「個々のスペースに、違う重力がかかっているような気がする」ほど。
これには私もまったく同感だ。

これらの本棚を作ってくれた人達は、私が会ったことがある方もいれば、少しすれ違っただけ、はたまた全く存じ上げない方も居る。
だというのに、私にはまるで目の前にご本人達が立っているように思えるのである。
私の脳裏に浮かぶ彼らは、照れたような笑顔だったり、恥ずかしそうに少し下を見ていたり、泣きそうな顔だったりと、実に表情豊かだ。

せっかくなので、コラム越しにはなってしまうが彼らのエネルギーを感じてほしい。

「かわむつ1番地」

「おいかわ2番地」

「びわ3番地」

「くわのみ4番地」

「おぶた5番地」

「薪すとーぶ6番地」

「しまどじょう7番地」

「むぎつく8番地」

「もみじばふう9番地」

「ふうせんかずら10番地」

「飛び木11番地」

「木の香12番地」

「創造399番地」

「象山のふもと343番地」

「青雲のいただき132番地」

あなたにはどう感じられたのかな。
出来ることなら、コモンで直に見つめてほしい。
きっと、感じることがグッと多くなるはずだから。圧倒されてしまうほどにね。もしかしたら、私と同じように擬人化した彼らに会えちゃうかも。
今日のように本棚を俯瞰で見つめるのもいいし、一冊一冊を手に取り読んだっていい。あ、これは当たり前だよね。


もはや、彼らの一部ですらあるのかもしれない。

本は本だ。
一冊一冊は、ただの本でしかない。
それが、この小さな本のお宿に数冊集まるだけで、「人」を出現させることもできる!
誰がこんな事を予想出来ただろう。
どのくらいの期間かはわからないけれど、彼らのそばに確かに居た本達は、もはや彼らの一部となっているのかもしれない。
そしてこの現象がコモンで起こったのは、ひとえに本を持ち寄ってくれた彼らが、心から大切に思う、皆に読んで欲しい本を選んだからなのだと思う。
いつかご本人たちにも、お会いしてみたいものだ。

そしてなんと、ここではご紹介しなかった、幻の1グループが存在している…。
初めに紹介した本棚のお名前写真にはなかった棚が…実はあるのだ。これはもう、現地にて確かめるほかない。

さらに、これらの素敵な本棚たちを彩る新たな仕掛けが製作されつつある。

こちらのイベントタイトルは、まきさん、ハムさんをはじめとするコモンスタッフさん達の共同合作なのだそう。
あとはたいがさんが飾り付けと、固定するための紐を通して、完成らしい!
上にぴょこんと乗った愛らしいどんぐりは、地元の方からの贈り物。
なんだか温かな気持ちにさせてくれるどんぐり達の中には、もこっとした服を着ている子もいて、これからの季節にぴったりの装いだ。
あなたが訪れる頃には、こちらも設置された「完璧なみん棚」を見ることが出来るかもしれない。


背中を押してくれる、本棚たち。

実は、「おいかわ1番」は我が家の本棚だ。気づいてた?
お魚大好きな私としては、こちらのお宿をお借りできただけでもホクホクした気持ち。
他の皆さんがどの棚を選んでいるのかチェックするのも、なかなか楽しい。
はたして我々の棚も、無事に擬人化しているのだろうか……?

自分の本を持参する。なにがどうして、楽しさと照れくささが入り交じった不思議な感情!夫もなにやらソワソワ。
なぜって「私はこれが好きなのだ!」と見知らぬ人にまで心を丸裸にしている気分なのだもの。
自分ではこんなにも照れ臭かったというのに、「みん棚」の本達を見るのは、読むのは、もう本当に楽しいし嬉しい。
「え、こんな本があるの!?」と知らなかった世界がぐんぐん開けるようだったし、ついでにエネルギーもチャージできてしまう。
さらに少し、背中を押してもらえたような感じも。
私ももっと、自分の「好き」に自信を持って、表現して生きていきたいな。

第2回でも少し触れたが、私はいつしか「好き」を「好きだ」と真っすぐに伝えることが難しいと感じるようになった。
あれから私は、まったくなぜなんだろう、と考えながら過ごす日々が続いている。
その問いに完全な答えが出ることは無い気もするが、とりあえず思ったことはある。

私はきっと、好きを「否定されたくない」のだ。私の好きを「たいしたことないじゃん」というように扱われるかもしれないのが、とても恐ろしいのだ。
実際にそんな経験があったかというと、あったようななかったような、なのだけれど。

大人、いや小学校高学年くらいになるともう、少しずつ自分の好きをストレートに表現することは少なくなったなと思う。
好きの度合いが強ければ強いほど、それを隠した。ような。
そして社会人ともなると、「これが好きなんです!」と表現する機会そのものがめっきりなくなった。
幼い日の私は、大量の尺取虫をザルの中に集め、笑顔でかき混ぜていたというのに。
…想像しちゃったアナタには謝罪しよう。
もう今の私が尺取虫を集めることも、ましてやかき混ぜることもなさそうだが、他の「好き」を表現することには積極的に挑戦してみよう、そう思うくらいに勇気づけられる企画だった。


幼い頃のような情熱を、もう一度。

好きなものは好きと言って、何が悪いのか!否!否である!
今日も我が家の二歳児は、かんかん(ふみきり)を連呼し、ふしゃ(風車)に発狂し、ポッポ(機関車)!うんね(船)!ピューン(飛行機)!と、ありとあらゆるものにお熱なのだから。機械ばっかりだな!

そんな彼を見ていると、私ももっとお熱を叫びたくなってくる。
そういえば、まだあなたのお熱になっているものを聞いたことがなかったね。
会えた時にはぜひ、教えてほしい。叫んでもいいよ。
そのときには、私も私の好きをたくさん、お話ししたいな。


とどのつまり、10月29日までは沢山の「好き」の形をコモンで感じることが出来るってわけ。
その中には、君の心を揺さぶるような本もあるのかもしれない。
まだまだ読めていない本があるので、私もできるだけコンプしたいと思ってる。
イベント期間が延びないかなー…と切実に考えてしまうほどには、読み応え抜群だ。
さ、はやくコモンいこ。

もうすこし、終わらないけれど折り返し地点かもしれない。


アテにならないかもしれない次回予告
「みんな心の準備は出来た?コモン3周年記念イベントも、いよいよ大詰め。特別な2日間がもうすぐそこに来てる!本のむしでえぇでぇなぁ、ほんまに。」

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第1回「私がコモンで出会ったもの。
第2回「司書になれなかった全ての大人たちよ、ここに集え。
第3回「なんとも初々しい、コモンの新書たち。の香り?
第4回「コモンで司書になる体験、後日談。私の長くて短い一日

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やすともゆうこ

2021年春、家族と共に神山町に移り住んできました。お魚と本が大好きです。

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