杉皮奮闘記 vol.10 屋根材への準備期間、天日干

住まい2020年8月31日

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投稿者:sugikawa

 

杉皮葺きWS(8月2日奮闘記)時、参加者に紹介された資料、『住まいの伝統技術』(安藤邦廣・乾尚彦・山下浩一)によると、

 

「採集したあとの杉皮の伝統的な仕立て方は次のようになる

1.運ぶ
その日のうちに,山から乾燥させる場所まで持ってくる.

2.アラノシする
表を上にして重ね,
上に木など重しをのせる。早くて3~4日普通半月からひと月行う

3.天日で1枚ずつ乾かす
表を上にして,
朝9時頃から翌朝日の出前まで乾燥させる夕方は乾燥しすぎて集めにくい逆向きに干すと.まるまって使いものにならなくなる

~(略)」

 

8月初めに採ってきた杉皮を、半月ほど大埜地集合住宅アラノシしていました。

 

参考資料の半月を経過したということで、次は行程3、天日干しをしてみました。

 

集合は、それぞれ出社前の7時集合、既に太陽が昇り、じりじりと暑くなりそうな予感。

 

 

平らなスペースに並べて乾かします。今回は、鮎喰川コモン建設現場横の駐車場に並べました。

並べてみると結構なスペースになり、今までの奮闘が思い出されて感慨深い。

 

 

スペースが足りなくなるほどの量でした。間隔をつめて、目一杯に敷き詰めました。

お昼に見に行っていると…

 

曲がってる!!

 

元々の木の曲線に丸まっているばかりでなく、皆それぞれ思い思いの方向に反っていらっしゃいます。

 

再度アラノシをして平らにするため、今は気長に見守ります。

 

夕方には、かなり乾燥が進み叩くとコン、コンというくらいの乾燥状態。

取り込むのは、翌朝の日の出前、集合は6時です(早い)。

「乾燥しすぎると集めにくい」という記述でしたが、確かに前日夕方時点では、湿気がなくなり重しを乗せると割ってしまいそうな感じでした。しかし、朝には若干外気の湿気を取り込み、昨日よりはしっとりした印象。(なるほど、運びやすいとはこういうことか)

   

取り込んだら再びアラノシです。量が多くなってくると、乾燥、アラノシなどのスペースも必要です。数年の間隔で葺き替えも必要な杉皮屋根なので、今後はコモンの広場で天日干し、なんていう風景も見られるのでしょうか?

いよいよ、最初に採集した杉皮たちは最終工程の段階。屋根素材として完成が待たれます!

(レポート:駒形)

杉皮材の完成、使用過程には様々な段階があります。今後も作業は続きますので、興味のある方は、sugikawayane@gmail.comまでご一報ください。ご一緒できる作業のご案内や杉皮情報をお届けします。

 

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杉皮に関心のある方、一緒にやりましょー!!

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コメント一覧

  • だいぶ集まったように見えるのですが、まだ足りなそうです・・・って?

    2020年9月2日 23:13 | ニコライ

  • 9月3日時点で、まだ目標量には達していません。これまで中心に行っている現場、上分矢治谷での作業も、この先、継続してできるかどうかも定まっていない状況(時期的な問題や森林組合作業との兼ね合いなど)です。作業場、作業についてのアドバイスも募集しています!(^^)→sugikawayane@gmail.com

    2020年9月3日 17:05 | 駒形

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