空き家のミカタvol.2 家の周りも家のうち 

住まい2022年12月4日

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投稿者:移住支援センター

土地というテーマ。
広いテーマですが、今回は家を探す方にとって実際上の判断のポイントになる、「家に付随する」土地について、少し書けたらと思います。

 家を借りたり買ったりしようとする場合、建屋が建っている土地については当然意識が及びます。
しかし、神山のような中山間地域では家が建つ敷地が広く、さらに山林や農地を一緒に持っている方が多いです。山から薪を取り畑で食べ物を作り、、、家だけあっても生活は成り立ちませんから、よく考えたら当然ですね。
 しかし現代の生活スタイル変化や高齢化等で敷地管理に手をかけられなくなる場合があります。家主さんからセンターに寄せられる相談では、それが家を貸したり売ったりする動機の一つになっていることも多いのです。

また、「地籍調査がまだ入っておらず、境界も不明」、「相続はしたけど自分の世代は行ったことがない」、「遠い昔にご近所さん同士の口約束で土地の交換が行われたらしい」、など、どの土地かもよく分からない状態のことも珍しくありません。
下の写真は家主さんと農業委員会と一緒に、とある空き家の敷地確認にいった時の様子です。地目としては農地でも現状どうなっているのか、そもそもどこが範囲なのか、皆でうーむ、、、と言いいながら歩きました。

  
というわけで、家屋の管理だけでなく、そういった付随する土地の管理も含んだものとして家を考えなければなりませんが、特に都会から移住しようとされる方にとっては、そのあたりがイメージしづらいように感じます。

 一例として、神山の農家さんとしては一つの典型的であろうお家の公図を見てみましょう。

赤いのが、①母屋、②納屋、③トイレとお風呂の建物、④車庫・農機具置き場、生活でお家として行き来される範囲はおよそこの周囲くらい、加えて裏の傾斜地に⑤農作業小屋と⑥お墓があるのが今でもパッと見て家の敷地と認識できる範囲です。
 しかし、緑の範囲が所有されている土地です。山の尾根まで家から見える範囲は全部、といった規模です。しかも、単に広いだけでなく傾斜地です。また、この公図に見える範囲を超えて、車で少し行く距離感のところに飛び地で農地も所有されています。

 センターで紹介する空き家の中でも付随する土地の条件は家ごとに千差万別です。
逆に、旧道の商店系の家では長屋状に隣と密集していて敷地が狭く、駐車スペースを離れた場所に別で探さなければならないことがことが課題になるような場合あります。
ただ、どんな所でも、家の外周の草刈りから山の管理まで、大なり小なりなんらかの敷地管理の手が必要なことを説明しながら空き家を見学いただいています。



それでは、具体的にどんな敷地管理の例があるか、思いつくままに挙げてみます。
初級~上級は、パワーとスキルが要りそう具合、私の独断です!

◯草取り_家の周り:初級

これは都会でも同じだと思いますが、神山では草の勢いが違います。
なんせ虫と共に暮らす神山、少しでも家に入ってくるムカデを減らしたければ、家の周りの草をモサモサさせないことを強くオススメします。草むらにスズメバチの巣が作られることもあるのでご注意を!あとヘビも!

山の町では傾斜地の中に住むため、家のすぐ横が段差になっていることが多いです。
放っておくとこのように家に草が覆いかぶさってきます。


この写真は庭のクズが建屋に手を伸ばさんとしているところ!

「お庭」の場合、単に草取り作業というよりは、ある意味日々のお手入れ行動そのものが「お庭」、お家の風格とやる人のセンスが出るのが庭のおもしろさですね。

◯草取り_農地:初級~中級
特に近隣に家や農地がある場合、畑作をしないで藪になると地域の方たちには迷惑です。鳥獣害被害の要因にもなります。

道路に面していると特に気を使います。これは畑地から草が道に出ようとしている図・・・


木や竹藪が荒れていると折れたものが道に倒れてしまう可能性もあり、物理的な危険が発生します。
私も普通に道を走っていたら目の前に竹がふわーと倒れてきた経験あり、恐怖!!

◯水はけをよくする掃除:初級

神山は湿気が多い地域です。家を守るためにも水はけ第一。
このように特に家が石垣に近い場合が多く、家の裏側は湿気が溜まりやすいので、雨水の渇きを悪くするような草葉や泥を掃除しておくとよいです。
石垣の下には側溝が埋まっていることも多いので、ここを通りよくしておくと効果抜群。側溝掃除をしてみたときのこちらの記事もぜひご覧ください!


自宅の前の道の側溝に葉や泥が溜まると、下流の家への迷惑になったり、大雨時の道の水はけに影響してしまいます。

◯庭木の剪定・伐採:初級~中級

庭づくりとして庭木の健康のためにも、定期的な剪定は大切ですが、特に道に面して見通しが悪くなったり通行の迷惑になってしまう場合はよりいっそう気を使われています。
生垣のある町の風景は素敵ですね、立派な生垣を保っているお家はほんとに尊敬します。

◯山水管理:中級~上級
山水って?という方はvol.4 水を得るもぜひご覧ください!

◯影伐り:上級
田んぼや畑に影を作って作物に影響を与えるという理由で木を切ったりします。
また、特に傾斜地に立地する家では、裏山の手入れがされなくなることで家の環境を悪くしていることがあります。

このbefore/after写真の例は、最初に空き家を借りて住んだ方が頑張って家の日当たりを悪くしていた竹藪を一掃しました。
そして、次に空き家を借りた方もさらなる裏山の影切りを現在進めています。

現在の様子を横から見た写真です。家と裏山の空間がずいぶん広がって、日当たりや湿気・風通しが良くなったのではないかと思われます。竹藪のあったところは平地だったのですね、もしかするとかつては畑だったのでしょうか?

◯石積みを直す:上級
傾斜地に生きる知恵。神山の風景では印象的なものの一つです。
下の写真は、空き家に住み始めるにあたり、石積み学校で石積を修復した事例です。

崩れてもその土地の素材で再生できるというのが良いですね。


地域・立地によって、他にもいろいろあると思います。
 神山町では「一斉清掃」といって、毎年決まった時期に地域の皆で担当の公共エリア(道や広場や川岸など)の清掃を行うのが恒例行事になっていたりもします。日常的にも、家周囲の管理について、ご近所の方に教えてもらうことも多いです。(地元の方の草取りスキルはすごいです!!)
 自然豊かな場所に住みたいということで、センターにも多くの移住の問い合わせをいただきます。でも、自分が「自然豊かな」というときに思い浮かべる風景はどのようなものをイメージしていたのか?神山に住みはじめて考えさせられるようになりました。
神山のような町で暮らしていくというのは、人間が自然の中に上手に住まわせてもらうにはどういうふうに手を入れてきたか、学んでいく過程かもしれません。

下の写真は私の家の「ひゅうじ」群。
ここに薬味でも植えようと思って、前の年に伐根までして耕したつもりだったんだけどなー・・・

 

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移住支援センター

物件紹介から交渉、契約、地域への順応支援にいたるトータルサービスを提供。 「こんなところに住みたい」という移住希望者の要望と、「こんな人に来てほしい」という所有者や地域住民の仲介役を果たします。 「これがダメなら、あれはどう?」というような不動産屋さん的な対応はしません。 最適で、最善の組み合わせを実現するため、一件一件に時間をかけます。 家探しには忍耐が必要です。その忍耐力をお持ちかどうかも、マッチングの大きな要素となります。

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