短期連載コラム/第6回「みんな、100倍くらい考えて生きてんだって。コモンでただ本を読むだけ…って割り切るには、早すぎるんじゃない?」

なんでも2023年10月24日

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投稿者:やすともゆうこ

昨日、はじめてのコケ庭作りをしてきました。
私の手のひらよりも小さなコケのお庭は、「今日のお水、まだ?」と催促をしている様子。
私の味気ないお仕事デスクに生き物が居るなんて。やすともゆうこです。
バックナンバー、だんだん嵩張りだした…!
各回の内容をダイジェストで語れるようになるまで読み込んだ人には、何か差し上げます。多分。

Back number
第1回「私がコモンで出会ったもの。
第2回「司書になれなかった全ての大人たちよ、ここに集え。
第3回「なんとも初々しい、コモンの新書たち。の香り?
第4回「コモンで司書になる体験、後日談。私の長くて短い一日
第5回「コモンの本棚、ついに擬人化しちゃうらしいよ。知ってた?


誰しも、外出の度に絶対忘れるものってあるよね。

「コモンでであう、本と人。」
来たる10月27日と28日、今週末。
コモン開館3周年記念イベントの、メイン企画が実施される。
このコラムでもチラ見せでお知らせしてきたので、「あ、あれね?本のむしになるヤツでしょ?」なんて思ってる?
それだけでもまずは上出来。なんといってもこの2日間の副題は、「本のむしで、えぇDAYなぁ~!」ですから。阿波弁と英語、夢のコラボ。よく予習できていると思う。
しかし、まだまだ甘い!イベントを楽しむためには、事前にたっぷりと妄想することが何よりも重要なのだ。私調べ。
というわけで、今回から2回にわたってあなたは私と一緒に妄想ツアーに突入することになる。心の準備は、特に必要ない。

まずはこちらのイベントからしっかりと妄想していこう。
ただ、本 ― 秋の夜長にただ、本を読む会」だ。
最近特に冷え込んできて、秋なの?冬なの?やっぱり秋…?と迷いが生じる鮎喰川コモンにて、ただ、本を読むだけ。
こんなにもシンプルなイベントってある?などと思うかもしれないが、妄想の余地はそこかしこに転がっているものだ。
ポイントとなるのは、イベントに行く前の自分を思い浮かべること。
27日は金曜日、開始時刻は午後6時。直前のあなたは、一体どうしているんだろうね?
「まだお仕事真っただ中さ…。」という人もいれば、これから「家族団らん夕飯ですけど?」な人もいるだろうし、「夕飯はもちろん済ませたし、これからコモンに行くしかないでしょ!」という生粋のコモンマニアもいるはず。
私は、一番後者になるだろう。

息子はいつもよりも早い夕飯そして入浴に疑問を抱きつつも、夢の中にいざなわれる。ありがとう、今日も君と一緒で楽しかった。
一階に戻った私は、コモンでこれからの3時間、どの様に過ごすかを考えている。
仕事机の隣にある、私の背丈よりは低い本棚。ざっと上から下まで見渡し、読んでいない本を確認する。そして、その本は果たして今日の気分かどうかも、確認。
うーん、持参したいほどの本は無いな。今夜の相棒は、コモンの本に決まりだ。
寒いかもしれないから、暖かい服を着て行こう。ちょっと格好悪いヤツだけど、まぁいいや。
あとはエイ(魚)のクッションを、膝上用にチョイスしたい。
あれ、エイなくない?どこ?二階?アッ、息子の部屋ジャン…!そろりそろりの忍び足で無事確保。
ブタクサに対しアレルギーを所有しているので、念の為ボックスティッシュとゴミ袋をいつもの手提げに放り込み、出発。
アッ、コモンカード忘れた!

…と、こんなものだろうか。まだ足りないかもしれないが、未来の自分の動きを妄想するのは、結構面白い。
にこにこ笑顔の息子は当日寝てる…はず。
この妄想はおおよそ的中するし、ってことは自分ってほんっと毎回、同じことしてるんだな…と悲しくもなる。
いっそこの妄想からはずれてやろうか!と挑戦的な気持ちを抱くこともあるが、だいたい成功しない。

少し未来のあなたは、どんな動きをしてる?妄想の開始地点は、お任せするよ。
イベントを主催しているコモンスタッフさんは、我々と全く違う動きをしているだろうから、別の視点で面白そうだ。また今度聞いてみよう!


薄暗く周りの顔も上手く見えない、そんなBarで「あの方にも一杯、頼むよ。」とか言いたい。

さて、次に妄想するのはイベントでの過ごし方だ。
前述からの続きで自分の動きを妄想するのも悪くはない。
だが、イベントというのは予期せぬ事態がつきもので、簡単に自分の動きなど変わってしまう。
ここからは未確定の未来の中で、それでも自分が考えるであろうことに、注目すると良い。多分。
今回は、「はたしてコモンの、どこで、本を読むのか?」に注目する。
ただ本を読む、それだけのことにどれほどの選択肢があるのかを、あなたは実感することになる。

どこで読む…?その①
「入ってすぐにあるよ。コモンで最も流動的なテーブル」

コモンで一番に目に入るのは、間違いなくここだ。常に何かしらのモノが流れるように入れ替わる、そんなテーブル。
これ、現在神山町で最も利用されている机かなって思うのだけど…。言いすぎ?
「本は一人静かに読むけれど、近くに人のぬくもりは感じていたいな。最近寒いし…。」というあなたは、ここが選択肢の一つとなる。
きっと似た人が寄り添ってくれる、はずだ。

どこで読む…?その②
「畳ってそれ程柔らかくないのに、何故か落ち着くよね。なんで?お魚たちのすぐそば。」

ここは本当にもう、なんていうか、好き。川魚たちのどこかせわしない動きを、文章の合間に眺められる、特等席!
ちょっとした棚もあるので、背もたれにも困らなそうだ。
流動的テーブルのすぐ傍だから、人の気配にも事欠かない。
私は一番シマドジョウが好きだ。うちの子は、シマちゃんとマメちゃんだ。

どこで読む…?その③
「子育ての本が並んでいるすみっこ…ぐらし」

落ち着くと言ったら、隅っこ一択でしょう。柔らかいキャラクター風味なあなたには、こちらをおすすめしたい。
近くで空気清浄機が音を立ててくれるので、寂しくもならない。…のか?
子育ての本が背後に並んでいるので、お子さんがいてなおかつ悩めるあなたにも、べスポジなのかもしれない。

どこで読む…?その④
「本の廊下で立たされたい。」

「本はなにより、次々手に取りたいんだよね…。」そんなあなたは、本の廊下に立ってなさい!
あ、いや、時々座って休憩してもいいからね?
ただしここでは、本を取りたそうに物悲しい顔をしている人の存在に、アンテナを張っていて欲しい。
第六感が養われそうだ。
おや?「みん棚」の看板が完成している…!

どこで読む…?その⑤
「杉の木の格子を背にしたベンチシートかと思いきや。ただのブラックホールか」

私は割と、ここで本を読むことが多い。そして、ここで本を読んでいる人も、良く目にする。
本を手に取ったら、すぐに座りやすい場所にあるから?それとも、程よい硬さの座面のせい?
なぜかこの場所に吸い込まれてしまう不思議…。コモンのブラックホールだ。
その吸引力に君は抗えるか。

どこで読む…?その⑥
「本の廊下を抜けるとそこにある。テーブルの島々、グラグラしてもご愛嬌」

コモンの板間には、テーブルの島々がある。
セットの椅子には背もたれがないことも多いが、本棚にはかなり近い部類の場所だ。ここも、頻繁に本を取り替えたいあなたには、悪くない選択肢だろう。
写真からもいくつか席の候補を選べることかと思う。
ただし当日のレイアウトが変わっている場合は、フィーリングで頑張っていこう。応援している。
とかいいつつ、私もここに案外居そうな気がする。

どこで読む…?その⑦
「一杯やってく?大人の自分と向き合う、カウンター席」

カウンター席。私はカウンター席というものに、少し執着している。いつか大人になったら、一番にしてみたかったこと。

薄暗く、互いの顔も上手く見えないようなBarで、「あの方にも一杯、頼むよ。」とマスターに依頼すること。

え、これまだ、出来てないジャン…!
大人になっていないのかもしれない。大人になりたい気分のあなたは、眼前の暗闇象山テラスに想いを馳せながら、本を一杯、やっていこう。

どこで読む…?その⑧
「本の廊下の裏っかわ。アルコーブというらしいよ?」

アルコーブ、君はアルコールランプの新種か何かかな?
実は彼は、「部屋や廊下にある壁面の一部を後退させて、くぼみを作った部分」らしい。うーん、わからん。
ま、見ての通りのカップルシートだ。別にカップルじゃなくてもいい。二人ずつの席なので、ちょっぴりほろ甘苦い空間ができるだけ。
私は何を言っているんだろう。

どこで読む…?その⑨
「新しい本大集合!の前で新書の香りをスーハーする」

これは…!第3回も読破し、奇人の仲間入りを果たした君ならやることは決まっているはず。スーハーするゾーンです。
やっぱり邪魔にならないようにこっそりスーハーしてください。私が後ろから観察している恐れもある。
立ち読みもいいけど、後ろの島々にパッと座ることが出来るのがここのメリットだ。ゆっくりと後ずさりしても面白い。転ばないよう、背後を確認しよう。
色々失礼な人で悪いねぇ。


私たちは、日々着実に選び取っている、大変な生き物なのだ。

どう?これだけでも、…なかなかの情報量でしょ?まだ平気?
ちなみに本を読む場所選びなんて、イベント当日では一瞬の出来事だ。
メインはやはり、相棒となる本を選ぶことだろう。ちなみに本、軽く600冊以上コモンにあるから。ウワーッ!!
私たちは、もう本当にいっぱいの選択肢の中から、日々、着実に選び取っている大変な生き物なのだ。
ぬまがさワタリさんが大好きです。

ここまで読んでくれたあなたは薄々感づいていると思うが、このコラムを要約すると実はこうなる。
「10月27日金曜日、午後6時からコモンで一緒に本を読もうよ!きっとたのしいよ!」
感嘆詞と読点含め計39字を3600字くらいでお届けしてみたよ。もう100倍でいいや。
意外と誰も彼もが本当は100倍くらい考えながら過ごしていて、それをシンプルに表現すると39字になるよってだけなのかもしれない。
たまにはシンプルをやめて、思考の迷宮に迷い込んでもいいと思う、私からの提案回でした。
では次回も、張り切って迷い込んでいこう!

100倍とまではいかないけれど、まだ終わらないんですよ。


アテにならないかもしれない次回予告
「連続投稿なんてないでしょ。と高をくくっていても、別に痛い目は見ない。けれどタイムリーに読んでくれた方が、10月28日のあなたの楽しみが増えるんじゃないかと目論んでいる。妄想第2回にどうぞお付き合いください。明日くらいに。」

Back number
第1回「私がコモンで出会ったもの。
第2回「司書になれなかった全ての大人たちよ、ここに集え。
第3回「なんとも初々しい、コモンの新書たち。の香り?
第4回「コモンで司書になる体験、後日談。私の長くて短い一日
第5回「コモンの本棚、ついに擬人化しちゃうらしいよ。知ってた?

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やすともゆうこ

2021年春、家族と共に神山町に移り住んできました。お魚と本が大好きです。

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