短期連載コラム/第7回「そもそも、児童文学ってなんだろうね?私とそこから始めてみない?」

なんでも2023年10月25日

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投稿者:やすともゆうこ

今朝の息子は、なんと午前9時まで寝てる。やすともゆうこです。
寝すぎじゃないか君。絶対しんどいでしょ。
こんな日の彼は、不機嫌に起きるにきまってる。
なのでとりあえず、布魚でふんわりと囲ってみた。ぬいぐるみのことです。
目を閉じたまま、周囲の魚を一つ一つ放り投げ始めれば、作戦は成功。
最後の一匹を投げるころには、笑顔の彼が満を持して登場だ!
すっかり冷え、ブランチと化したモーニングを眺めつつ、第7回の開始。

Back number
第1回「私がコモンで出会ったもの。
第2回「司書になれなかった全ての大人たちよ、ここに集え。
第3回「なんとも初々しい、コモンの新書たち。の香り?
第4回「コモンで司書になる体験、後日談。私の長くて短い一日
第5回「コモンの本棚、ついに擬人化しちゃうらしいよ。知ってた?
第6回「みんな、100倍くらい考えて生きてんだって。コモンでただ本を読むだけ…って割り切るには、早すぎるんじゃない?


まだみんな、妄想が…足りていないんだ!

「コモンでであう、本と人。」
さて、昨日に続く壮大なる妄想タイム第2回!どうか最後まで、お付き合い願うよ。
10月28日土曜日、午後1時半から。
児童文学作家くすのきしげのりさん講演会」が開催されるんだ。ご応募はこちらから。
いったんコラムはそぉっ…と置いといて、先に応募してくれてもいい。切実に。
というのも、何がどうしてこうなった!それほど広くはないコモンに、45名ほどがなんとか入れるようにとレイアウトを考えまくったスタッフさん達。
そんな彼らの想いを知ってか知らずか応募総数が、まだ定員割れしているのだ…!
なんてことだ!これは由々しき事態である!
私は確信した。まだみんな、くすのきさんの妄想が…足りていないんだ!
いや、違うかもしれない。だがしかしその前提で、本コラムは進めさせていただきます。

第5回で、どんな方なのか少しお話ししたよね、くすのきしげのりさん。
とはいっても結局、私だって一度もご本人にお会いしたことがないし、児童文学作家さんの講演会に参加すること自体、初めての事なのだ。
あなたに自信を持って説明することなんて、できっこない!
そうなるとさ…著作を読むか、妄想しちゃうくらいしか、なくない?

というわけでまずは、講演会までに著作を読むチャンスが無いよというあなたにも、くすのきさんの作品の心地良さをお届けしたい。とはいっても、ネタバレなど絶対にあってはならぬ。
つまりこの先、あなたを待っているのは、私の妄想が多分に加味された秋の読書感想文といったもの。
果たしてどこまでお伝えできるのか…!唸れ、私の妄想力!


「おこだでませんように/石井聖岳・絵(小学館)」

ぼくは いつも おこられる。
いえでも がっこうでも…。

本作はそんなフレーズではじまる。
もうすでに…。主人公の少年の雰囲気や、置かれている状況が目に浮かばない?
何故かはしらないけれど、怒られ続きな時って、あるよね。え、ない?私、大人になっても時々あるんですが…。

彼は先生やお母さんに怒られるたびに、心の中でだけ、本当のことをつぶやく。
でも、大人たちはなかなか気付いてくれなくて。もちろん、そんな彼にも救いはやってくるのだけれど。

彼と全く同じ状況ではないにしろ、誰しも一度は「大人の言葉」と「自分のこころ」の狭間で、苦悩したことがあるんじゃないかな。
私もその一人だ。母の言葉、先生の言葉、どちらも大好きで大切で、自分のこころを押し殺してしまったこともいっぱい、ある。
かつての自分の心に改めて向き合い、よし、よしと頭をなでてあげたくなる一冊だった。

「一本の木がありました。/ふるやま たく・絵、原案(PIE)」

この本には、なんとたった一文しか、言葉が登場しない。そしてえんぴつ一本で描かれた世界は、まさしくこの作品のためのもの。
深い山あいの谷川の近くに咲いていた、一本の桜の木。
そのうち嵐はおこるし、枝は折れちゃうし、川にまで流されて…。
なんと、大海原に出る。結構な大冒険である。
そうして一本の木の一生を追いかけていく本作だが、なんと気が付くと、木、以外の事をも追いかけている。
ページをめくる度、「あれ?もしかして…。」という焦りにも似た気持ちに駆られる、私にとっては衝撃の作品だ。

一つの文章、一つのえんぴつによるイラスト。
全てにおいて徹底した世界観を貫いている本作は、読む人によって感じることが、きっと違うんだろうな。

「たべる たべる たべること/小渕 もも・絵(おむすび舎)」

突然ですが、あなたにとって「たべること」ってなんでしょう?
少しで良いので、考えてみて。
純粋に美味しい食べ物を食べること?それとも、友達と仲良くなること?いやいや、家族と会話するひととき?
どれも間違いなく「たべること」だけれど、まだまだたくさんの、とても大切な意味がある。

本作の主人公美穂ちゃんの人生を追体験しながら、たくさんの「たべること」を知ることが出来るこちらの作品。

たべる たべる たべること
たべることは いのちを はぐくむということ…。

繰り返される「たべる」のテンポがなんとも小気味よく、まさしく一口一口を噛みしめているようでもある。
いのちを育むことから始まった「たべること」は、いったいどこに終着するのだろうね?
それは読んでみてのお楽しみ。

さぁ改めて。あなたの「たべること」って、なんですか…?


ギリギリのラインを攻めてくる感じ。

くすのきさんの著作はどれも、「散りばめられた伏線」と「回収するまでの流れ」、そして「結末」が、最高に面白い。
先を予想できるようなできないような、ギリギリのラインを攻めてくる感じ。なので、気になってどんどん先に読み進めてしまう。
しかし結局、こちらの予想の上を行く温かい結末が待っていて、毎作驚かされてしまった。
ある作品では一人の少年少女のこころを緻密に表現していたかと思うと、他の作品では人生そのものをダイナミックに表していたり。
著作ごとに感じることがこんなにも違うし、さらには絵を担当されている方すら異なるのに、やっぱり「くすのきさんの本だ。」とわかるあたりが、凄い。
あとがきが書いてある本もいくつかあって、それがまた、なんともいえない心地良い余韻をもたらしてくれるのだ。

いまならコモンに徳島県立図書館の本もやってきて、全12作も著作を楽しむことが出来る。
どれもあっという間に読めてしまうので、きっとあなたも全て制覇することができるだろう!


分かりやすくて、分からない。そういう面白さ。

お次は「児童文学作家さんの講演会」について考えていこう。
そもそも、児童文学とは、何だろうか?
一般的には、「子ども向けに書かれた、文学作品」らしいが、これがどうやら広範囲の本を指すのだよ。
世界一有名な兎のおはなしのような童話はもちろん、魔術学院で眼鏡の少年がなんやかんやするあの作品も、実は児童文学なんだって。
ヤングアダルト小説なるものも、児童文学とかいう記載を見つけた。
それってもう、アダルトも読んで楽しい物語ってことでいい気がする。
何を隠そう私は、この児童文学なるジャンルの本もどうやら大好物だ。
なんといっても「子ども向け」であることからして、めっちゃわかりやすい。
分かりやすいのに、よくよく読んでいくと、あれ、これ裏があるんじゃないの…?と勘ぐってしまう。分かりやすくて、分からない。そういう面白さが、児童文学にはある。

そんな本達を「作っている人」って、いったいどんなことを考えて、どんなふうに生み出しているんだろう?
本は、文章は大切な相棒。という感覚で生きてきた私だが、本コラムを書くようになってから「作る側」の気持ちも知りたいなぁ、と考えるようになった。
まさに良きタイミングで訪れる「くすのきさんの講演会」。くすのきさんは、何を語ってくれるのだろう?
そして私は、一体何を想うのだろう。

結局のところさ、実体験に勝るものはないかなと思ってるんだ。ただ面白いから、妄想するだけで。
それでも、「なんか、楽しそうじゃん…!」と思ってくれたそんなあなたと一緒に、このイベントを体験してみたい。もちろん無理に、とは言わないよ。
来たかったけれど、その日は用事が…!
そんなあなたには、私の目から見たくすのきしげのりさんを、お届けできればと考えている。
ここから先は、妄想の限界を超えた実体験を、リアルに綴っていきたいな。


君たち、踏まれているのね…。

さて、話変わって鮎喰川コモン公式ホームページの「コモンだより」では、川ガキりおんの連載 第1回「鮎喰川には何がいるの?」が掲載されている。

第1回だと…!?と思った皆さん、その通り。なんと、第4回まで掲載されるとのこと!
川が大好きな彼ならではの視点で、鮎喰川を再発見できること間違いなし。
一つ一つの項目をサラリと描くその文章は、爽やかな夏の鮎喰川にそっくりだ。
君たち、踏まれているのね…。と、思わず我が家のシマドジョウ達を見つめてしまった。あ、目が合った。

2回に渡る私の妄想の世界にお付き合いいただき、ありがとう。
いよいよこのコラムも終盤だ。もう少し、終わらないけれどね。


アテにならないかもしれない次回予告
「次に会えるのはきっと…濃厚なひと時のあとだろう。私とあなたは一体何と出会い、何を想い、何に興奮するのだろう?それもやっぱり、その時の私とあなたしか、知らないこと。」

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第1回「私がコモンで出会ったもの。
第2回「司書になれなかった全ての大人たちよ、ここに集え。
第3回「なんとも初々しい、コモンの新書たち。の香り?
第4回「コモンで司書になる体験、後日談。私の長くて短い一日
第5回「コモンの本棚、ついに擬人化しちゃうらしいよ。知ってた?
第6回「みんな、100倍くらい考えて生きてんだって。コモンでただ本を読むだけ…って割り切るには、早すぎるんじゃない?

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やすともゆうこ

2021年春、家族と共に神山町に移り住んできました。お魚と本が大好きです。

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