プロジェクト

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食育(保育所・小学校)

神山町内の保育所、小学校、中学校、高校と連携し、「循環」を軸にした食育に日常的に取り組んでいます。食と農の文脈で考えた場合、神山で暮らし・学ぶ子どもたちは、次の世代の担い手になることもできれば、食べ支えることもできます。学校や地域という小さな社会で、食や農を通した様々な体験を積み、「食べもの」との関係性を育みながら、社会を見つめる素地を育んでいくことが、Food Hub Project (フードハブ・プロジェクト)つなぐ部門の役割であると考えます。

保育所や小学校とかかわりを持つきっかけとなったのは、2016年9月4日(日)に開催された神山の先生対象のスタディツアー でした。その様子を紹介します。

●第2回「神山の食とのうぎょうを知るツアー」集まっていただいた保育所や小学校の先生方と一緒に畑を見学し、町内産の野菜を使ったお昼ごはんを食べ、「これからどんなことが一緒にできそうか」を考える時間をもちました。ここからアイディアが少しずつかたちになり始めました。


保育所では、一緒に土を耕し種を蒔くなど畑づくりに取り組み、すでにある大きな畑の作付けを相談したりしながら、野菜の苗植えをしています。
小学校では、神領小学校前の田んぼで5年生が20年以上行ってきたもち米の田植え、稲刈りに加えて、在来種を下級生につなぎ育てること、神山のお米と世界のお米を食べて比較するなど、ただの体験に終わらず、食べ物と身近な社会がつながるきっかけになればという願いがあります。

小学校3年生では、国語科教材「すがたをかえる大豆」からの発展学習として隣村の豆腐づくりの職人さんから豆腐づくりを教わりました。下級生たちが「3年生になったらきな粉と豆腐づくりができる!」と期待を膨らませている状況を聞きうれしく思っています。昨年度からは大豆の栽培から一緒に行い「育てる、つくる、食べる」プログラムを実施しています。


子どもたちや先生方が「やってみたいなぁ」と思ったことが起点となるため、毎年の活動は流動的です。育てた野菜を店舗で販売したり、パン屋で加工を行う、食堂に卸すなど、「育てる、つくる、食べる、伝える」を合言葉に、食育担当以外のフードハブのメンバーがそれぞれの立場で子どもたちにかかわっていることも食育の特徴です。



保育所、小学校、中学校、高校においても、子どもたちがやってみたいことにチャレンジする場所や機会が町に複数あればと思っています。畑や田んぼ、「かま屋」あるいは「かまパン&ストア」がその場になるのであれば、これほど嬉しいことはありません。
 

概要

神山町内では、地域性をいかした様々な学び・教育の取り組みが存在します。保育所・小学校・中学校・高校など、「学校と地域」の連携によるものとして、「食育プロジェクト」「国際交流プロジェクト」「先生みんなでシリーズ」があります。また町民が現在のまちの状況を知る体験型の「町民・町内バスツアー」を開催しています。

町内にある唯一の農業高校である城西高校神山校、神山町、地域の人々が連携した「高校プロジェクト」が開始(2016〜)。これからの公立学校のあり方を再定義する試みを続けています。まち全体をフィールドにした神山独自の授業「神山創造学」(2017〜)をはじめとする地域連携の取り組みを進めています。これからの「環境」と「食・農」をめぐる感性と技術を学ぶ学校を目指し、カリキュラムの見直し等を経て学科再編を行いました。また、高校生の住まいを整備して県外・遠方からの入学生を受け入れています。(2019〜)。